SVPインサイト 不安定な株式市場における、企業価値の創造とPBR改善要請への対応
~企業価値を最大化するために重要な3つの取り組みとは?~
会員制マーケットリサーチサービスを提供している、株式会社SVPジャパン(本社:東京都中央区、代表取締役社⻑:橋本 雅、以下「SVPジャパン」)は、『不安定な株式市場における、企業価値の創造とPBR改善要請への対応』と題したインサイト・レポートを公開しました。
皆さまのビジネスの一助になればと考えております。是非ご覧ください。
■ 日本の株式市場の現状
日本の株式市場は、日経平均株価が過去最大の下げ幅を記録した2024年8月5日「令和のブラックマンデー」以降、不安定な相場が続いている。この乱高下は、日本企業の業績による影響ではなく、米国景気に対する警戒感や米金融当局の利下げ幅の見通し、為替相場を中心としたマクロ環境要因による影響が大きい。
令和のブラックマンデー以前の2023年から2024年前半までは、企業価値の創造において、全く違った環境であった。日経平均株価は上昇傾向にあり、2024年2月22日には、これまでの史上最高値の3万8915円を更新、さらに7月には、初の4万2000円台に到達した。この背景には、2023年の、米国の著名投資家ウォーレン・バフェット氏による日本株の買い増しと、東京証券取引所(東証)による「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に関するお願いについて」がある。これらは、投資家の日本株への期待を大いに高めた。
■バフェット氏による日本株の買い増し
2023年4月、米投資・保険会社バークシャー・ハサウェイを率いるウォーレン・バフェット氏が来日し、2020年から保有している日本の5大商社株を、各7.4%まで買い増ししたことを明らかにした。これにより、国内外投資家の日本株買いの意欲を高め、5大商社株を含む日本株は大きく上昇したことは、記憶に新しい。実際、日本取引所グループ(JPX)によると、2023年度の日本株の外国人保有率は、過去最高を更新したとしている。ただ、今後も海外投資家を長期的に維持することは非常に困難だと思われる。その最大の理由は、日本企業が投資家の期待に応えられない可能性が否めないからである。
■東証によるPBR改善要望
企業価値とその創出においては、様々な指標や取り組みが存在するが、その中でも昨年から注目されているのはPBR(Price Book-value Ratio: 株価純資産倍率)である。その理由は、東証による「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に関するお願いについて」で、特にPBRが1倍割れをしている上場企業に対して改善を要請したことにある。
PBRは、時価総額を純資産(あるいは、株価を1株当たりの純資産)で割った数値であり、当該企業の市場における評価額(時価総額)が、会計上の純資産(株主資本)の何倍であるかを表す指標である。言い換えれば、PBRが高け(低け)れば、現在の株価が純資産に対して高く(低く)評価されていて、投資尺度として割高(割安)とされる。
東証はPBR1倍を基準としているが、それはどのような意味があるのか。PBRが1倍の場合、株価と1株当たりの純資産が同じ価値評価されており、株価が適正であると言える。PBRが1倍以上であれば、当該企業の将来性が評価されているため、割高の評価になる。他方、PRBが1倍割れの場合は、市場は企業の将来性を疑問視しており、純資産=企業の解散価値であることから、企業を解散した方が良いとの評価とも言える。
■PBR改善因子
では、PBRを高めるためにはどのような取り組みが必要なのか。株主資本については、企業によって目標が異なるであろうが、時価総額(株価)に関しては、全ての企業において、上昇することが当然望ましい。つまり、PBRを上昇させることは、分子である時価総額(株価)を高めることになる。
より具体的に見るためには、PBRを分解する必要がある。まず、PBRはROE(資本利益率)とPER(株価収益率)に分解できる。各企業の置かれた状況にもよるが、基本的にはROEとPERの両方を高めるのがベストである。それを実現するためには、ファイナンス、ストラテジー、IRの3つの取り組みが必要である。
■全編は、こちらからご覧ください。
株式会社SVPジャパン
代表取締役:橋本 雅
所在地:東京都中央区日本橋蛎殻町1-38-9 宮前ビル2F
設立年月日:1974年7月1日
事業内容:会員制のビジネス情報提供サービス
URL:https://www.svpjapan.com
X:https://twitter.com/svp_japan
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