Fixstars Amplify、富士通「デジタルアニーラ*」提供開始
− 組合せ最適化問題解決を強力に支援 −
*正式名称: Fujitsu Computing as a Service Digital Annealer
株式会社Fixstars Amplify(本社:東京都港区、代表取締役社長CEO:平岡卓爾)は、株式会社Fixstars Amplifyが運営する量子コンピューティングクラウドサービス「Fixstars Amplify」において、ベンダ各社と個別にマシン利用契約を行うことなく利用できる標準マシンに、富士通株式会社が提供するFujitsu Computing as a Service Digital Annealer(以下デジタルアニーラ)を追加し、Fixstars Amplify 富士通デジタルアニーラオプションとして提供を開始したことをお知らせします。これにより、大規模な組合せ最適化問題を高速に解くことができるデジタルアニーラをより手軽に利用できるようになります。
Fixstars Amplifyは、組合せ最適化問題[注1]を解決するシステムを開発・運⽤できるクラウドサービスです。従来型のコンピュータと量⼦コンピュータの両⽅ともを同様に使える互換性と、汎⽤性の⾼いアプリケーションを簡単に開発できる便利なSDK(Software Development Kit)が特徴です[注2]。各社が提供している組合せ最適化問題に特化した量子アニーリング[注3]・イジングマシン[注4]や数理最適化ソルバー[注5]、ゲート式量子コンピュータ[注6]を、それぞれの専門知識がなくてもクラウド環境で手軽に利用することができます。
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デジタルアニーラは、富士通株式会社が開発した、量子現象に着想を得たコンピューティング技術で、現在の汎用コンピュータでは解くことが難しい「組合せ最適化問題」を高速で解くことができます。最新の第4世代デジタルアニーラは、10万ビット規模で課題に対応しており、ビット間全結合による使いやすさと64bit階調の高精度を実現しています。デジタルアニーラは、IT機器製造会社における倉庫内部品集約作業の効率化、海運会社における自動車専用船の積み付け計画作成業務効率化、電力会社における配電応需計画最適化に加え、自動車製造会社における生産順序の最適化など、様々な業界で導入効果を上げています。
今回、デジタルアニーラがFixstars Amplifyの標準マシンに追加され、ユーザー登録・契約・サポートまでワンストップで対応できる体制となりました。Fixstars Amplifyの利用者は、デジタルアニーラと連携させて使用する際に、サービスの実行環境の準備や管理が不要となり、円滑な導入と運用が可能となります。
Fixstars Amplify 富士通デジタルアニーラオプションの利用料金は、月額50万円(税抜)からで、ご購入後すぐにご利用いただけます。また、Fixstars Amplifyのユーザー登録をすると、Fixstars Amplify 富士通デジタルアニーラオプションの無料トークンが自動的に付与され、すぐにお試しいただけます。料金の詳細や無料プランのお申し込みについては、こちらをご覧ください。
https://amplify.fixstars.com/ja/pricing
富士通株式会社の荒井孝二アドバンスドテクノロジーサービス事業本部長は、次のようにコメントしています。
「昨今、当社のお客様から量子コンピューティング技術についてのお問い合わせが増えており、デジタルアニーラの導入により製造・物流部門のDX推進に繋がっています。
今回、量子コンピューティングクラウドサービス Fixstars Amplify の優れた開発環境に、デジタルアニーラが標準オプションとして組み込まれることで、皆様により手軽にご利用いただけるようになることを大変嬉しく思います。また、世界的にも期待が高まっている量子技術の進展に向けて幅広い領域での利用が加速され、お客様の業務課題の解決に繋がることを期待しています。」
Fixstars Amplifyの平岡卓爾 代表取締役社長CEOは、次のようにコメントしています。
「この度、様々な業界で実用的な実績を数多く持つデジタルアニーラの連携先として、Fixstars Amplifyをご採用いただき大変嬉しく思います。今回の対応により、世界の主要なイジングマシン全てがFixstars Amplifyの標準マシンとなりました。最適化問題への量子コンピューティング技術の活用は、既に多くの実績と成果を生み出しています。デジタルアニーラをはじめとする量子コンピューティング技術と、当社の優れたクラウド基盤であるFixstars Amplifyを組み合わせることで、より一層の社会課題解決に貢献できると確信しております。」
両社は今後も、本環境を通じて、さまざまな分野で社会が抱える最適化問題を検討段階から実装までお客様に寄り添い、研究用途のみならず、実務課題を解決できる実践的なソリューションサービスを提供してまいります。
■量子コンピューティングクラウドサービス「Fixstars Amplify」(株式会社Fixstars Amplify)
https://amplify.fixstars.com/ja/product
■「デジタルアニーラ」(富士通株式会社)
https://www.fujitsu.com/jp/digitalannealer/
注1. 組合せ最適化問題
組合せ最適化問題は、製造、物流、金融など様々な業界で計算ニーズの高い問題です。考えられる組み合わせのパターンの中から、目的に対して最適な組み合わせを探します。例えば、物流の輸送計画や製造計画などの最適なパターンを計算できれば、事業活動の効率化や投資対効果の予測に役立ちます。一方で、考慮すべき変数や条件が増えるほど組み合わせパターンが急増する特徴があります。
注2. Fixstars Amplifyを用いたプログラミング
通常のプログラミングで必要となる「論理モデルの変換」「物理モデルの変換」「求解の実行」の3つのステップを自動化することで、より直観的な量子アニーリングプログラミングのワークフローを実現しています。 https://amplify.fixstars.com/ja/sdk#workflow
注3. 量子アニーリング
複雑な問題の中から、最も望ましい組み合わせ(最適解)を見つけ出すための手法です。名称は、金属工学の「焼きなまし」に由来します。焼きなましは、金属を熱してゆっくり冷ますことで、原子を安定させ、結晶の欠陥を減らす技術です。量子アニーリングは、このプロセスに倣い、問題の解を徐々に最適化していきます。
注4. イジングマシン
イジングモデル(統計力学において、スピンを持つ原子の格子によって磁性体の磁化の振舞いを説明するモデル)の形式に変換した組合せ最適化問題を解くハードウェアやソフトウェアです。
注5. ソルバー
数学の問題を「解決」するソフトウェアライブラリをソルバーと呼びます。
注6. ゲート式量子コンピュータ
量子ビット(qubit)を用いて情報を処理するコンピュータです。量子の重ね合わせという性質を利用して、複数の状態を同時に扱うことができます。これにより、計算の並列性を高め、膨大な計算問題を効率的に解決できます。また、量子もつれと呼ばれる特性を利用して、複数のqubit間の相関を作り出すことができます。これにより、高度な計算を行うことが可能となります。さらに、量子回路(ゲート)を設計・開発することで、qubitの状態を変換し、最適化や機械学習、シミュレーションといったさまざまな用途に汎用的に適用できます。
富士通株式会社について
富士通のパーパスは、イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくことです。100か国以上のお客様に選ばれるデジタル・トランスフォーメーション(DX)パートナーとして、約12万4,000人の富士通グループ社員が、世界が直面する複雑な課題解決に取り組んでいます。
詳しくは、富士通の公式ウェブサイト(www.fujitsu.com)をご覧ください。
株式会社Fixstars Amplifyについて
量⼦コンピュータ等の最先端技術と社会をつなぐ架け橋となるべく、量⼦コンピューティングクラウド事業で社会課題に取り組んでいます。組合せ最適化問題に特化したクラウドサービスの提供とシステム開発サービス、コンサルティングによって、最適化された社会への歩みを加速していきます。
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