京都府立医科大学に寄附講座「生体免疫栄養学講座」を開設
豆・昆布・ヨーグルト・根菜に至るまで、腸内環境からみた健康長寿研究を推進
フジッコは創業以来、昆布の佃煮や煮豆等の日本の伝統食を基本に、食卓に馴染みの深い食品を取り扱い、「健康とおいしさ」を提供する食品加工メーカーとして、日本の健康長寿社会の実現に向けた研究開発に取り組んでいます。特に食品や素材の機能性研究においては食物繊維を豊富に含む豆や昆布、カスピ海ヨーグルトおよびその乳酸菌、根菜を中心とした惣菜商品など、腸内環境への健康効果が期待できる商品を開発して提供してきました。
京都府立医科大学は医と食の融合から食を中心とした疾病予防を目指し、腸内環境からの新しいアプローチを行っており、特に腸内微生物叢やその代謝物に着目して基礎から臨床応用まで幅広い先進的研究を進めています。
今回、京都府立医科大学とフジッコを含む7社は互いの強みや資源等を活用し、連携しながらそれぞれの強みを効果的に発揮し、かつその相乗効果を発揮するため、寄附講座「生体免疫栄養学講座」を設立します。特にフジッコでは豆や昆布、ヨーグルト、および根菜を含む惣菜など食物繊維やポリフェノールを多く含む食品が腸内環境に与える影響を検討し、免疫・栄養学の知見から健康長寿に向けた科学的エビデンスを確立します。さらに、塩分過多でタンパク質が少なくなりがちな従来の伝統的な日本食の問題点を克服し、バランス良く食べられる良さを活かした「新日本型食生活」を提案していきます。
本寄附講座の概要
(1)設置場所: 京都府立医科大学河原町キャンパス (京都府京都市上京区梶井町465番地)
(2)講座名称: 生体免疫栄養学講座
(3)目的: 腸内微生物叢とその代謝物からみた免疫・栄養学に着目し、健康長寿に向けた科学的エビデンスの確立と食を中心にした実践的予防法を実証する。
(4)担当教員:内藤裕二 (寄附講座 教授)
(5)設置期間:2023年4月1日~2026年3月31日
本寄附講座の特徴
・京都府立医科大学で実施してきた腸内微生物叢とその代謝物の分析手法を用いて、食物繊維やポリフェノールを含むフジッコの食品や素材の摂取と宿主の健康・栄養情報との連関を明らかにする。
・京都府立医科大学が蓄積する京丹後市の長寿コホート研究の成果を活用して、フジッコのコア商品とのシナジーを生かした新日本型食生活を提案する。
・腸内環境からみた生体免疫栄養学の研究基盤を確立し、100歳まで健やかな胃腸を目標とした日本の健康長寿社会の実現に貢献する。
第1回ガットフレイル(※1)研究会の開催
本寄附講座の開設を記念して第1回ガットフレイル研究会(日時:2023年6月3日(土)、会場:京都府立医科大学、大学本部棟3階)が開催されました。研究会は、講演会、懇親会の2部で構成され、特別講演では旭川医科大学内科学講座の奥村利勝先生が「脳腸相関の最前線」を演題に、また東京大学医科学研究所の中西真先生が「長寿・若返り研究の最前線」を演題にそれぞれ最新の取り組みが紹介されました。本講演会には約90名、その後の懇親会には約70名が参加し、寄附講座の門出を盛大に祝福致しました。
(※1)ガットフレイルとは、医学用語「gut(ガット;消化管)」と「frailty(フレイルティー;虚弱)」の日本語訳を組みあせた造語であり、胃腸の働きの「虚弱化」という意味で名付けた新しい概念です。これまで使用されてきた「フレイル」は加齢に伴う心身の脆弱性とされ、健康と要介護の中間を意味し、比較的高齢者の健康対策として理解・利用されてきました。しかし、「ガットフレイル」は、赤ちゃんから始まり人生のすべて、とくに働き盛りの人も含んだすべての人のWell-beingを「ガット」への対策から目指す概念です。
<お問い合わせ先> フジッコ株式会社
担当者:イノベーションセンター 基盤研究グループ 渡辺 真通
責任者:イノベーションセンター センター長 丸山 健太郎
TEL:078-303-5385
ホームページアドレス:https://www.fujicco.co.jp
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