教職員アンケート結果公開!授業の持ちコマ数、週いくつが妥当?
小学校教員の8割、全校種で約半数が現状は負担と回答。校種によって異なる実情が。
全国の学校に勤める教職員の方に、授業の持ちコマ数の現状とそれに対する意見を聞きました。
アンケートの概要
■対象 :全国の小〜高校年齢の児童生徒が通う一条校に勤務する教職員
■実施期間:2023年9月15日(金)〜2023年12月31日(日)
■実施方法:インターネット調査(実施時の設問はこちら)
■回答数 :335件
アンケート結果
Q1. あなたが今、週のうちに受け持っている授業のコマ数をご記入ください。
※コマ数とは、会議等を含めない「授業」のコマ数を指します(以下の設問においても同様)。
受け持っている授業のコマ数においては、勤務している校種によって大きな違いが見られました。児童生徒の学齢が低い校種であるほど、授業のコマ数は多く、小学校では全体の74%の教員が21コマ以上を担当していることがわかりました。 |
Q2. あなたは今、受け持っているコマ数についてどう感じていますか?
担当している授業コマ数について、半数以上の教員が「負担」「どちらかというと負担」と回答。校種別に見ると、担当しているコマ数が比較的多い小学校や特別支援学校においては特に負担を感じている人が多いことがわかります。持ちコマ数別に見ると、担当している授業コマ数が多いほど、負担を感じている人は多い傾向が見られます。週26コマ以上担当している人においては、96%が「負担」「どちらかというと負担」と回答しました。 |
Q3. 教員の心身の健康を守るために 「最大でもここまでに収めるべき」と思うコマ数を教えてください。
教員が心身の健康を守るために担当できる最大のコマ数においては、「16コマ〜20コマ」と回答した人が最も多く、全体の63%に上りました。校種別見ると、「10コマ以下」と回答したのは小学校で4%であったのに対し、高校では54%と、回答に大きな違いが見られました。 |
Q4. 十分な授業準備をして授業の質を維持するために 「できればこの程度が望ましい」と思うコマ数を教えてください。
授業の質を維持するために望ましいコマ数は、小学校と中学校・高校で大きな違いが見られました。小学校では「16コマ以上20コマ以下」と回答した人が70%と最も多かった一方で、中学校では「11コマ以上15コマ以下」と回答した人が63%と最も多く、高校では68%でした。特別支援学校においては、「11コマ以上15コマ以下」と回答した人と「16コマ以上20コマ以下」と回答した人はほぼ同数でした。 |
Q5. 勤務時間内に業務が終わるために 「本来この程度に収める必要がある」と思うコマ数を教えてください。
設問4の「授業の質を維持するために望ましいコマ数」とほぼ同様の結果となりました。全体的に設問4よりも少ないコマ数を上げる人が多い傾向が見られました。 |
担当している授業コマ数は小学校の教員が最も多く、生徒の学齢が上がるほど、コマ数が少なくなる傾向が見られました。校種を問わず、持ちコマ数が多く、負担だと感じている人が多いことがアンケート結果全体から読み取れます。
「コマが減っても授業準備に当てられるか不安」「授業の他に、LHRや総合の時間、学年会や分掌の会議などが入り、空き時間がない日もある」などの回答もありました。単に持ちコマ数が多いことへの負担感だけではなく、授業以外の業務の多さが負担感につながっている現状もあるようです。また、持ちコマ数だけではなく、担当教員の勤務年数や担当学年、教科数によっても負担感は違うという意見も目立ちました。
十分な空き時間があることは教員の負担感を減らすだけではなく、授業の質向上や教員が児童生徒一人ひとりに向き合う余裕にもつながっていきます。児童生徒がよりよく学んでいくために、教員が適切なコマ数で授業を担当することが不可欠ではないでしょうか。
※WEBメディア「メガホン」の記事(https://megaphone.school-voice-pj.org/2023/10/post-4080/)より、自由記述の内容がご覧いただけます。また全回答がデータもDLしていただけます。
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