自転車追い越し時の「安全配慮義務」、認知(見聞きしたことがある)は72%も具体的なルール理解には課題

~改正道路交通法施行後、自転車・自動車利用者1,000人を調査~

サーベイリサーチセンター

 株式会社サーベイリサーチセンター(本社:東京都荒川区西日暮里2丁目40番10号、代表取締役社長:藤澤 士朗)は、首都圏1都7県に居住する自転車・自動車利用者1,000人を対象に、2026年4月に施行された「自転車等を追い越す際の安全配慮義務」に関する自主調査を実施しました。

 調査の結果、法改正を認知(見聞きしたことがある)している人は72.0%に達した一方、法改正を認知している人のうち、自転車が追い越される際に「車道の左端を走行する」というルールを正しく理解していた人は4割未満にとどまりました。一方、法改正の認知後には、自動車の追い越し時の減速や間隔確保、自転車の左端走行など、安全側への行動変化もみられました。

 また、自転車・自動車利用者の双方で「道路幅が狭い」ことが追い越し時の主な危険・ヒヤリ要因として挙げられたほか、車道を共有することに「抵抗感がある」と回答した割合は、自転車利用者・自動車利用者のいずれも6割を超えました。制度の定着には、ルールの周知だけでなく、道路・交通環境を含めた安全対策も重要であることがうかがえます。

「自転車追越時の安全配慮義務」とは

 2026年4月施行の改正道路交通法により、自動車等が自転車等を追い越す際の安全配慮義務が定められた。

① 自動車等の義務

 自転車等の右側を通過する際、両者の間に「十分な間隔」がない場合は、その間隔に応じた安全な速度で進行すること(道路交通法第18条第3項)。

② 自転車等の義務

 自動車等に追い越される場合は、できる限り道路の左側端に寄って通行すること(道路交通法第18条第4項)。

<調査の要点>

(1)「自転車追越時の安全配慮義務」の認知率は72.0%

  法改正の認知者でも、自転車側の具体的な走行ルールの正答率は38.9%。

(2)法改正の認知後、安全側への行動変容が20ポイント以上増加

  追い越し時の減速・間隔確保、自転車の左端走行のいずれにも変化。

(3)追い越し時の危険・ヒヤリ要因は、自転車・自動車双方で「道路幅が狭い」が最多

  自転車側では駐停車車両、自動車側では自転車の走行位置や動きも上位に。

(4)安全配慮義務が「守られていない」と感じる人ほど、具体的な対策を求める傾向

  自転車道等の道路整備や車道拡幅では6割を超える。

(5)車道を共有することへの抵抗感は、自転車・自動車利用者ともに6割超

  危険・ヒヤリ経験がある人ほど、車道を共有することへの抵抗感が高い傾向。

<調査概要>

調査地域 : 1都7県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、茨城県、栃木県、群馬県、山梨県)

調査方法 : インターネット調査(楽天インサイトのモニターを使用して実施)

調査対象 : 自転車または自動車を利用する10代から60代までの男女個人

調査項目 : 属性を含め25問

調査期間 : 2026年8月10日(月)~12日(水)

有効回答 : 1,266件(1,000名)

      -大都市地域・自転車利用:299件

      -大都市地域・自動車利用:373件

      -その他地域・自転車利用:256件

      -その他地域・自動車利用:338件

      ※定義の補足

      -大都市地域:東京23区、横浜市、川崎市、相模原市、さいたま市、千葉市

      -その他地域:1都7県のうち、上記を除くすべての市区町村

      -自転車利用:自転車等(電動キックボード含む)を月に数回以上利用

      -自動車利用:自動車等(バイク含む)を月に数回以上利用

<調査結果>

 ① 法改正の認知は72%。一方、具体的なルールの理解には差がある

 安全配慮義務について、全回答者の72.0%が「見聞きしたことがある」と回答しました。法改正を認知している人について個別ルールの理解度をみると、追い越し時の「速度」は78.2%、「間隔」は61.8%が正しく理解していました。一方、「自転車等の走行」について正しく理解している割合は38.9%にとどまり、法改正を認知していても、個別ルールによって理解度に差がみられました。

■安全配慮義務の認知

■安全配慮義務の理解度 【安全配慮義務の認知者ベース】

 また、全回答者に自転車等が自動車等に追い越される際の走行方法を尋ねたところ、「車道の左端を走行する」と正しく回答した割合は36.2%にとどまり、「速度を落として走行する」の41.8%を下回りました。

■安全配慮義務の認知×理解度(自転車等の走行について)

② 法改正の認知後、安全側への行動が20ポイント以上増加

 法改正を認知している人では、認知前と比べ、自転車の左端走行、自動車の追い越し時の十分な間隔確保・減速のいずれも20ポイント以上増加しました。また、道路・交通状況に応じて追い越しを控えるとの回答も複数の項目で増加しており、法改正の認知後に安全側への行動変化がみられました。

■安全配慮義務の認知による行動変容(法に基づいた行動)

 【安全配慮義務の認知者ベース】

■安全配慮義務の認知による行動変容(追い越しを控える要因)

 【安全配慮義務の認知者×自動車利用者ベース】

③ 自転車・自動車双方で「道路幅が狭い」が最大の危険・ヒヤリ要因

 追い越し時に危険・ヒヤリを感じた状況では、法改正を認知している自転車利用者、自動車利用者の双方で「道路幅が狭い」が最も多く、自転車利用者では62.7%、自動車利用者では55.2%となりました。一方、自転車利用者では「駐停車車両がある」、自動車利用者では「自転車が車道側を走行している」「自転車が脇道・歩道等から急に車道へ進入した」なども多く、立場によって異なる特徴もみられました。

■危険・ヒヤリと感じた状況 【安全配慮義務の認知者×自転車利用者】

■危険・ヒヤリと感じた状況 【安全配慮義務の認知者×自動車利用者】

④ 「守られていない」と感じる人ほど、道路整備や取締りなどを求める傾向

 地域で安全配慮義務が「守られている」と評価する割合は、追い越し時の間隔、速度、自転車の左端走行のいずれも半数未満でした。また、安全配慮義務が「守られていない」と感じている人では、「守られている」と感じている人に比べ、道路整備や取締り、交通安全教育などの具体的な対策を求める割合が高く、特に「自転車道等の道路整備」は64.7%、「車道拡幅」は64.3%となりました。

■安全配慮義務が住まいの地域で守られていると思うか

■安全配慮義務が守られるためのニーズ

⑤ 車道共有への抵抗感は双方で6割超。危険・ヒヤリ経験との関連も

 全回答者のうち、自転車と自動車の追い越しに関して、危険・ヒヤリを感じた経験がある人は62.5%となりました。危険・ヒヤリ経験の有無別に車道を共有することへの抵抗感をみると、経験がある人では「抵抗感がある」と回答した割合が、自転車利用者で72.1%、自動車利用者で80.7%となり、経験がない人(自転車利用者46.6%、自動車利用者56.2%)を上回りました。

 また、自転車利用者・自動車利用者それぞれについてみると、全体でも車道を共有することに「抵抗感がある」と回答した割合は、自転車利用者で64.0%、自動車利用者で70.6%となっており、双方で6割を超えました。

■危険・ヒヤリ経験

■危険・ヒヤリ経験と抵抗感の関係

【自転車利用者】

【自動車利用者】

■車道を共有することへの抵抗感

<まとめ>

 今回の調査では、自転車追越時の安全配慮義務について、全回答者の72.0%が法改正を認知(見聞きしたことがある)している一方、認知者においても、自転車が追い越される際の走行方法など、具体的なルールについては十分に理解されていない状況が確認されました。

 一方、法改正の認知後には、自動車の追い越し時の減速や間隔確保、自転車の左端走行など、安全側への行動変化もみられました。また、自転車・自動車双方で「道路幅が狭い」ことが主な危険・ヒヤリ要因となっており、車道を共有することに「抵抗感がある」と回答した割合も、自転車利用者・自動車利用者の双方で6割を超えています。

 これらの結果から、安全配慮義務の定着に向けては、自転車・自動車双方に求められる具体的なルールの周知・交通安全教育に加え、道路・交通環境の改善や必要な交通安全対策を組み合わせ、双方が安全に車道を共有できる環境を形成していくことが重要と考えられます。

<会社概要>

●社名:株式会社サーベイリサーチセンター
●設立:1975(昭和50)年2月

●本社:〒116-8581 東京都荒川区西日暮里2丁目40番10号

  (東京支社):〒112-0004 東京都文京区後楽1丁目1番3号
●代表取締役:藤澤 士朗、長尾 健、石川 俊之
●ホームページ:https://www.surece.co.jp/

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会社概要

URL
https://www.surece.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都荒川区西日暮里2-40-10
電話番号
-
代表者名
藤澤 士朗
上場
未上場
資本金
-
設立
1975年02月