2月28日(土)から「飯川雄大 大事なことは何かを見つけたとき」展 水戸芸術館のために制作した新作も公開

公益財団法人水戸市芸術振興財団

飯川雄大《デコレータークラブ―ピンクの猫の小林さん》2022年、彫刻の森美術館(神奈川県)での展示風景、Photo: Takafumi Sakanaka, courtesy of the artist

飯川雄大は時間の相対性や知覚のゆらぎに着目し、何気ない風景や身近な物事を注意深く観察することで、人々の認識の不確かさや、社会で見過ごされがちな存在に目を向けさせる作品を制作してきました。記録という行為とそこからこぼれおちるものの考察から生まれた〈デコレータークラブ〉シリーズでは、巨大なピンクの猫を街中に突如出現させたり、鑑賞者のかかわりによって移動・変化するオブジェを屋内外に設置したりと、立体、絵画、写真、映像等を自由に組み合わせ、空間の特性を生かした作品を展開しています。

本展では、飯川のこれまでの実践を包括的に紹介するとともに、情報の曖昧さや感覚の不完全さを新たな可能性と捉え、鑑賞者を巻き込む新作インスタレーションを制作します。それらへの応答として現れる振る舞いは、人びとが時を忘れ、夢中になって遊ぶ姿を思い起こさせます。そしてその「遊び」の先、場所や時間を越えたところで、いつか誰かが、見知った日常とは異なる光景を見つけるかもしれません。思いもよらぬ出来事に出会ったときの衝撃、生々しいリアリティを持った想いを、私たちはそのことを知らない他者にどのように伝えることができるのか、その(不)可能性について、共に考える機会となるでしょう。

【作家プロフィール】

飯川雄大(いいかわ たけひろ)

1981年兵庫県生まれ。現在、神戸を拠点に活動。2007年より〈デコレータークラブ〉シリーズを展開。公共空間や展示の仕組みに目を向けながら、観客の身体感覚や想像力、場の偶発性によって変容する作品を手がけている。代表作に、観客の能動的な関与によって空間や物の在り方を変化させ、新たな関係性を立ち上げる《0人もしくは1人以上の観客に向けて》、視覚の断片を手がかりに空間を読み解いていく《配置・調整・周遊》がある。主な個展に「未来のための定規と縄」(霧島アートの森、鹿児島、2023)、「同時に起きる、もしくは遅れて気づく」(彫刻の森美術館、神奈川、2022)。主なグループ展に「感覚の領域 今、『経験する』ということ」(国立国際美術館、大阪、2022)、「ヨコハマトリエンナーレ2020」(横浜美術館・PLOT48)がある。2026年4月には、本展と同時期にKOTARO NUKAGA(天王洲)とgallery αMでも個展を開催予定。

https://www.takehiroiikawa.com

https://www.instagram.com/takehiro_bau

【展覧会の3つのポイント】

1. 国内外で注目を集める飯川雄大、過去最大規模の個展

飯川雄大《デコレータークラブ―配置・調整・周遊》2020年、「ヨコハマトリエンナーレ 2020」(PLOT48)での展示風景、Photo: Takehiro Iikawa, courtesy of the artist

飯川は、時間の相対性や知覚のゆらぎ、日常に潜む違和感や曖昧さに着目し、多様なメディアや手法を用いて作品を制作してきました。鑑賞者の介入によって作品が成立する仕掛けや、展示空間の内外を接続するアプローチなど、新たな風景や予期せぬ出来事を引き起こす表現は高く評価されています。飯川は一貫して、私たちが他者と共有できない体験や、何かが湧き起こる衝動を伝えようとするときの思考や戸惑いに注目し、鑑賞者が自身のタイミングで「何かに気づく瞬間」を重要視しています。近年では「Inside Space」(Galerie Monument SONGWAT、バンコク、2025)、「Make Space, Use Space: 躲貓貓與城市移動」(Artemin Gallery、台北、2025)、「未来のための定規と縄」(霧島アートの森、鹿児島、2023)、「同時に起きる、もしくは遅れて気づく」(彫刻の森美術館、神奈川、2022)など国内外で個展を重ね、いま最も注目されるアーティストの一人です。本展は、これまでの飯川の多岐にわたる実践を、水戸芸術館のために制作した新作に加え、ドローイングや写真・映像作品とともに包括的に紹介する、過去最大規模の個展です。

2. 実験の積層がつくる、有機的な「風景」

飯川雄大《デコレータークラブ―プリング・タイム》2023年、霧島アートの森(鹿児島県)での展示風景、Photo: Takehiro Iikawa, courtesy of the artist

情報の曖昧さや感覚の不完全さを新たな可能性として捉える飯川雄大。本展では、その視点を生かしたインスタレーションを展開します。今回制作される新作は、当館の建築や空間的特徴を生かしたものであり、過去作品と響き合い、ひとつの有機的な展示空間を構成します。この試みは様々な場所で実験的に鑑賞者を巻き込んできた飯川の活動の集大成といえるでしょう。会場各所に設置された仕掛けは鑑賞者の遊び心を刺激し、行動を促します。その結果引き起こされる変化は、展示室内にとどまらず、異なる場所や時間へと広がり、思いがけない「風景」を生み出します。

3. 複数の会場を「鑑賞者」がつなぐ《デコレータークラブ―新しい観客》

飯川雄大《デコレータークラブ―新しい観客》2022年、「感覚の領域 今、「経験する」ということ」展(国立国際美術館、大阪)と個展「デコレータークラブ:メイクスペース、ユーズスペース」(兵庫県立美術館)での連携実施、Photo: Takehiro Iikawa, courtesy of the artist

飯川雄大《デコレータークラブ―新しい観客》2022年、兵庫県立美術館での展示風景、Photo: Takehiro Iikawa, courtesy of the artist

美術館の枠組みを超えた試みとして、《デコレータークラブ―新しい観客》を実施します。これは、展示室に置かれた作品《ベリーヘビーバッグ》を鑑賞者自身が運び出し、同時期に個展を開催している他会場(Art Center NEW、KOTARO NUKAGA(天王洲)、gallery αM)へと移動させるプロジェクトです。《ベリーヘビーバッグ》を運ぶ鑑賞者は、展示空間の内と外のつながり、「見る/見られる」の関係性、日常と非日常を隔てる境界といった問いを抱きながら、遠く離れた場所への道のりを想像し目的地へと向かいます。街の風景に擬態するように紛れ込んだその姿を目撃した人々も、思いがけず作品に巻き込まれていきます。そして「運ぶ人」と「見る人」の双方を「新しい観客」へと変え、それぞれの立ち位置からの視点を交差させます。複数の会場を作品がつなぐこの試みは、多層的な視点が重なり合う新たな鑑賞の場をもたらします。

同時期に開催される飯川雄大の展覧会

※本展出品作《デコレータークラブ―新しい観客》と連携する会場です。

「横浜、猫、卓球台」

2026年2月28日(土)~ 5月23日(土)| Art Center NEW(横浜)

「デコレータークラブ:重いバッグの中身」

2026年4月4日(土)~ 5月23日(土)| KOTARO NUKAGA(天王洲)

「立ち止まり振り返る、そして前を向く|vol.5」

2026年4月11日(土)~ 6月13日(土)| gallery αM(東京)

※開館時間および休館日は会場によって異なります。ご来場の際は、各会場の公式ウェブサイト等で最新の情報をご確認ください。

●展覧会情報

展覧会名:飯川雄大 大事なことは何かを見つけたとき

会  期:2026年2月28日(土)~5月6日(水・振)

開場時間:10:00〜18:00(入場は17:30まで)

会  場:水戸芸術館現代美術ギャラリー

休 館 日: 月曜日 ※5月4日(月・祝)は開館

入 場 料: 一般900円、団体(20名以上)700円

     高校生以下/70歳以上、障害者手帳などをお持ちの方と付き添いの方1名は無料

     ※学生証、年齢のわかる身分証明書が必要です

     ◎1年間有効フリーパス「年間パス」2,000円

     ◎学生とシニアのための特別割引デー「ファーストフライデー」:毎月第一金曜日は

      学生と65~69歳の方が100円で展覧会をご鑑賞いただけます。※要証明書

主  催:公益財団法人水戸市芸術振興財団

助  成:公益財団法人野村財団

協  賛:並木クリニック、マックスプル工業株式会社、シンロイヒ株式会社

協  力:Art Center NEW、gallery αM、KOTARO NUKAGA、Atelier Tuareg、

     Gallery Nomart、tmsd 萬田隆構造設計事務所、サントリーホールディングス株式会社

企  画:畑井恵(水戸芸術館現代美術センター学芸員)

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


会社概要

URL
https://www.arttowermito.or.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
茨城県水戸市五軒町1-6-8
電話番号
029-227-8111
代表者名
福田 三千男
上場
未上場
資本金
-
設立
1988年03月