【イベントレポート】DX・AI時代のシステム開発と協業の最前線 〜トヨタ自動車・NTTデータ・野村総合研究所・トランスコスモスDTが登壇〜 主催:大宇宙ジャパン

2025年6月6日(金)、「DX・AI時代のシステム開発と協業の最前線」というテーマで、大宇宙ジャパン株式会社主催によるセミナーを開催いたしました。

tci

          開催はTKPガーデンシティPREMIUM品川で行われました。

本セミナーでは、トヨタ自動車様、NTTデータ様、野村総合研究所様株、トランスコスモス・デジタル・テクノロジー様にご登壇頂き、発注企業・SIer・品質管理・開発企業という開発に関わる4つの異なる立場から、それぞれの視点で「技術と協業」を語っていただきました。

セミナーの冒頭では当社社長の鄒(スウ)より、システム開発における人と人のつながりの重要性について触れつつ、様々な立場の方が集まる今回のセミナーのテーマとして、「自身の役割や立場に応じたお客様への貢献方法」について議論させていただきたい旨を共有いたしました。

当社 社長の鄒(スウ)による開催のご挨拶
参加者の皆さんも真剣に聞き入っていました

プログラム① 株式会社NTTデータ様

プログラム② 株式会社野村総合研究所様

プログラム③ 株式会社トランスコスモス・デジタル・テクノロジー様

プログラム④ トヨタ自動車株式会社様

プログラム⑤ 大宇宙ジャパン株式会社

プログラム⑥ クロストークセッション

アーカイブ動画、申込受付中!
今回のセミナーにご参加できなかった方も、以下よりご視聴いただけます。
視聴申込はこちら:https://ehaco.net/events/260c4678-a844-4675-b273-f642e47f7dbf

プログラム① 株式会社NTTデータ様

株式会社NTTデータ ペイメント事業本部 ペイメントインテグレーション事業部  開発統括部長

加藤 大樹 様

株式会社NTTデータ 加藤様
発表資料

まずは、NTTデータ 加藤様より、CAFISにて推進されているDXの取り組み「Digital CAFIS」をテーマにご講演をいただきました。

同社では、提供する日本最大級のキャッシュレス決済プラットフォーム「CAFIS」を開発・提供しています。同サービスはNTTデータの誕生とほぼ同時にリリースされ、35年以上の歴史を持ち、時代の変化に合わせたサービス提供を続けてきました。

近年、キャッシュレスが当たり前となった社会において、CAFISが提供する価値も再定義が必要とされています。当初は「使えること」自体が価値でしたが、現在は顧客体験や付加価値の創出が重要視されています。

顧客のニーズに合わせて、システム基盤面でもCAFISは変化を続けています。2000年代からオープンアーキテクチャ、2010年代には全体最適化や開発の標準化を進めてきたCAFISは、昨今の技術進化と市場変化に対応するため「Digital CAFIS」として資産・組織・システム全体の見直しに着手しています。

公演中の模様

講演では、Digital CAFISの取り組みの中で象徴的なプロダクトとして「オムニペイメントゲート」をご紹介いただきました。同サービスは、クラウド上のマイクロサービスで構成された、リアルとオンラインの決済を統合する仕組みです。

開発スタイルについても、従来型のウォーターフォール開発からアジャイル開発の採用を進めています。また、チャットベースのコミュニケーションやクラウド開発への取り組みを進めつつ、データドリブンな意思決定と目的に応じた柔軟な組織設計も推進。社員育成では自律性を重んじた実践重視の環境が整備されました。

Digital CAFISの取り組みから得た知見として、DXのポイントは「単にクラウドやアジャイルを利用するだけでなく、開発のルールやオフィス、方法論などを全面的に見直していくことが重要である」とのことです。同社では、顧客へのIT提供がゴールにならないように、お客様や社会の発展を見据えたプロダクトを作ることで、継続的に事業を発展させていくという使命の元、取り組みを続けられています。

プログラム② 株式会社野村総合研究所様

株式会社野村総合研究所  執行役員 産業ITイノベーション事業本部 副本部長 兼 生産革新センター 副センター長  内海 朋範 様

株式会社野村総合研究所 内海様
発表資料

続いて野村総合研究所 内海様より、「人手不足に伴う生産性改善と協業の重要性」をテーマにご講演をいただきました。

内海様は同社にて生産性向上やAI活用を推進する部門を統括されています。SI業界が右肩上がりに成長している一方で、労働人口の減少により、SIを担う人材が不足している現状があります。同社では、これを打開するために開発プロセスや社員教育の標準化を進めています。将来的にはAIによる支援を見据えつつ、現場での柔軟性も担保しながら統一的な開発を目指しているとのことです。

公演中の模様

同様に、顧客側の人材も減少傾向にあります。現場の疲弊感も背景に、レガシーシステムのモダナイズやリアルタイムデータ統合が顧客側の重要なニーズとなっています。人手による非効率な業務の見直しと、価値創出に資する領域への集中が求められる中、SI、情報システム部門、業務部門、さらにはパートナー企業との協業による全体最適が必要とされています。

講演は、業界が持続可能であるためには、ステークホルダーが一体となった構造改革が不可欠との呼びかけで締めくくられました。

プログラム③ 株式会社トランスコスモス・デジタル・テクノロジー様

トランスコスモス株式会社 常務執行役員  株式会社トランスコスモス・デジタル・テクノロジー 代表取締役社長  所 年雄 様

株式会社トランスコスモス・デジタル・テクノロジー 所様
発表資料

3番目のセッションでは、トランスコスモス・デジタル・テクノロジー 所様より、「システム開発のアップデート」をテーマにご講演をいただきました。

本講演では、AIを活用した最新のシステム開発手法として「バイブコーディング」が取り上げられ、トランスコスモス・デジタル・テクノロジーの具体的な取り組みも併せてご紹介されました。

公演中の模様

バイブコーディングとは、上流工程に精通したエンジニアがAIと会話しながら仕様を伝え、AIがソースコードを自動生成する開発手法です。これにより、従来は複数人で行っていた開発を、上流工程を担当できる少数のエンジニアのみで効率的に進めることが可能になります。

ただし、この手法はあくまで開発の一手段としての位置付けであり、DX実現の全体像を設計・推進するSIerの役割は今後も継続して求められるとの見解も示されました。

さらに、同社では品質管理の面でもAIを活用しており、V字モデルに基づく各工程のドキュメントやテストをAIがチェック・フィードバックする仕組みの開発も進めております。この取り組みにより、属人化の解消や品質向上が期待されており、将来的には上流工程のAIによる代替も視野に入ってきます。

同社では、今後もAI時代にふさわしい開発体制の構築とSIerとしての新たな価値提供を続けていくとのお話をいただきました。

プログラム④ トヨタ自動車株式会社様

トヨタ自動車株式会社 IT業革推進部 デジタルレボリューション 主宰 デジタル変革推進室 担当部長  デザイン統括部 主査 調査部 主査  宮原 俊治 様

トヨタ自動車株式会社 宮原様
発表資料

トヨタ自動車 宮原様からは、DX・AI時代のシステム開発と協業の在り方について、マグロの加工に例えながらユニークかつ、わかりやすく語られました。

講演では、デジタル変革は「D7S(デジタルによる整理整頓)、DK(デジタルによる改善)、DNBC(デジタルによる新しい価値の創造)」の3ステップから構成され、単なる効率化ではなく、体験の質や記憶に残る価値の創造までを目指すべきであると説かれました。

公演中の模様

DXの本質とは、意思決定のファネルを「太く・短く」すること、つまり余計な工程を省きながらも成果に直結する情報提供・開発活動を行うことです。その実行には、「課題の創出」「適切なデータの収集」「AIによる分析」「人が使える形に加工(インテリジェンス化)」「標準化・システム化」の5段階が必要であるとされました。

実例として、アイトラッキングを活用したモーターショーでの広告評価が紹介され、デジタル技術を用いて来場者の視線行動を分析することで、広告効果の定量化とリアルタイム改善が可能となることをご紹介いただきました。このような手法により、展示会を単なる「飾りの花」から価値創出の場へと変革できます。

講演は、100年に一度の変革期にある自動車業界を念頭に、全体最適化だけでなく「全体調和」が重要であるというメッセージで締めくくられました。

プログラム⑤ 大宇宙ジャパン株式会社

大宇宙ジャパン株式会社  代表取締役社長  鄒 亜亨

主催の大宇宙ジャパン株式会社 鄒
発表資料

次のセッションでは、当社社長の鄒より、当社の取り組みについてご紹介させていただきました。

当社は、30年にわたり培ってきた開発ノウハウをもとに、独自の標準化プラットフォーム「大宇宙Way」を構築・活用しています。このプラットフォームでは、縦にステークホルダー、横に工程と時間軸を配置し、各タスクの目的・成果物・実施タイミングを明確にテンプレート化。単なる手順書ではなく、なぜそのタスクが必要か、なぜその形式で書くべきかまで含めて標準化しています。

これにより高品質と適正コストの両立を実現し、顧客ごとの課題に応じた柔軟な対応も可能となります。

当社では、開発だけでなく開発完了後も現場に入り、運用実態を分析し改善提案を継続する「プロセスイン」の姿勢を大切にし、顧客の真の成功に貢献する企業を目指しています。

プログラム⑥ クロストークセッション

最後に、当日ご講演いただいた皆様に再度ご登壇いただき、クロストークセッションを開催いたしました。

当日ご講演いただいた皆様によるクロストークセッションの模様

本セッションでは、本日のセミナーのテーマでもある「DX・AI時代のシステム開発と協業の最前線」について改めてディスカッションいたしました。

NTTデータ 加藤様は、従来の「人月」発想ではなく、サービスやプロダクトの価値向上に一体となって取り組む姿勢を持つパートナーの必要性についてコメントがありました。

株式会社NTTデータ 加藤から締めくくりのお言葉

また、野村総合研究所 内海様より、SaaSベンダーや競合他社との共創が前提となる時代において、目的意識の共有と役割分担、信頼関係の醸成が重要だとお話しいただきました。

株式会社野村総合研究所 内海様から締めくくりのお言葉

トランスコスモス・デジタル・テクノロジー 所様は、生成AIやバイブコーディングによる開発環境の変化を見据え、従来型の契約形態や役割から脱し、事業会社に寄り添った協業モデルの構築が必要だと述べました。

株式会社トランスコスモス・デジタル・テクノロジー  所様から締めくくりのお言葉

トヨタ自動車 宮原様は、当社との25年にわたる協業を「血の共有」と表現し、契約書以上に覚悟と目的への共鳴を重視していると語りました。

トヨタ自動車株式会社 宮原様から締めくくりのお言葉

最後に各登壇者からのメッセージとして、加藤様より「目的にともに向き合う姿勢」の重要性を、宇都宮様より「業界を魅力的にする努力」の必要性を、所様からは「AI活用による働き方と事業の選択肢拡張」についてコメントをいただきました。

宮原様は「仕事に対する羞恥心とプロセス評価」の欠如が日本社会に与える影響への警鐘を鳴らし、当社の鄒からは「DXとAI技術を武器に真の業務目的を達成する」サービス提供者を目指すとの決意表明にて、本日のプログラムを締めくくりました。

まとめ

今回開催したセミナー「DX・AI時代のシステム開発と協業の最前線」では、発注企業・SIer・品質管理・開発企業という異なる立場から、それぞれの視点で協業の重要性を語っていただきました。

今回のセミナー内容も踏まえ、当社大宇宙ジャパンは、今後も標準テンプレートやオフショア実績を基盤として、より本質的な「サービス型」のシステム開発提供者への進化を目指してまいります。何卒宜しくお願いいたします。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

大宇宙ジャパン株式会社について  https://www.tci-cn.co.jp/

大宇宙ジャパン株式会社は、1995年にトランス・コスモス株式会社の100%子会社として設立され、

プロジェクトの上流から保守運用までのシステム・ライフサイクルを、オフショアによる負担を感じることなく、 豊富なグローバルリソースと先進技術を活用し、大宇宙ジャパンが1社で一括対応可能なワンストップサービスを提供しています。

弊社情報は、Linkedin でも発信しています。是非フォローをお願いいたします。

▼Linkedin ページ

https://www.linkedin.com/company/tci-cn/

すべての画像


会社概要

大宇宙ジャパン株式会社

0フォロワー

RSS
URL
https://www.tci-cn.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都品川区西五反田2-28-5 第2オークラビル 2階 6階 8階
電話番号
03-6893-1700
代表者名
鄒 亜亨
上場
未上場
資本金
15億円
設立
1995年02月