「学生時代の基礎医学のなかで、もっとも役立った科目」について 半数近くの医師が「解剖学」と回答

-MedPeer会員医師へのアンケート調査-

メドピア株式会社

医師7万人以上が参加する医師専用サイト「MedPeer(メドピア)」(https://medpeer.jp)を運営するメドピア株式会社(東京都渋谷区、代表取締役社長:石見 陽)は、会員医師を対象に「学生時代の基礎医学のなかで、もっとも役立った科目」についてのアンケートを実施し、以下のとおり結果を取りまとめました。

医師専門サイトMedPeer調査結果:「学生時代の基礎医学のなかで、もっとも役立った科目」について(総回答:3,648人)

<総合結果>
サマリー:
医師専門サイトMedPeer(メドピア)に登録する医師(7万人以上)を対象に「学生時代の基礎医学のなかで、もっとも役立った科目は何ですか」という質問をしたところ、3,648件の回答が寄せられた。

■「解剖学」と回答した医師が最も多く、47.7%と半数近くを占めた。画像解析や手術の理解に欠かせない知識という意見が多く、「解剖学は今もう一度実習したい」「今も解剖の教科書を開くことが多い」といったコメントがみられた。
■「生理学」は16.2%。「正常生理がわからないと病態生理もわからない」「一般内科疾患の病態理解のために役立っている」というコメントがあり、特に循環器系、呼吸器系、神経系などの分野で重視されている。
■「病理学」は9.9%で、「癌を扱うので、病理は必須」「病気のメカニズムを理解するのに役に立つ」といった声があった。

回答コメント(回答一部を抜粋)

「解剖学」 1,740件
・解剖学実習が一番印象深く、今でも知識として非常に役に立っております。(40代、整形外科・スポーツ医学)
・神経内科をやっているので、解剖学が日常診療で役に立っています。(30代、神経内科)
・もちろん解剖学です。これを知らないと何も始まらないのが臨床も含めた医学でしょう。(50代、循環器内科)
・何といっても、学生時代から全く変わらないのは系統解剖学だけです。他は全く変わってしまいました。(50代、呼吸器外科)
・やはり解剖学でしょう。レントゲン読影や穿刺の部位や血管の走行を知らないと話になりません。(60代、一般内科)
・患者さんの体にメスを入れる外科医にとって、解剖学は基本と思います。(50代、整形外科・スポーツ医学)
・人体を実際に解剖していくことに知識以外の価値があったように思います。(50代、一般内科)
・ダントツで解剖学。外科系には必須の知識である。(30代、耳鼻咽喉科)
・教科書の勉強だけではどうにもならないのが解剖学です。生理、生化学などは後からいくらでも補えますが、系統解剖のチャンスは一生のうちただ1回だけ。(50代、一般内科)
・やはり解剖学です。一番臨床に直結していますし、今でも本を見ることが多いです。(40代、耳鼻咽喉科)
・臨床医(外科医)となった今、最も受けたい授業、講義は解剖学です。(40代、循環器外科)
・手術するためには基本ですから。医師になってから眼窩、涙道について解剖実習にもう一度参加させてもらいました。(50代、眼科)

「生理学」 591件
・基本全部ですが、中でも圧倒的に生理学。今でも時々医科生理学展望を読みます。(40代、麻酔科)
・病態生理学、臨床薬理学を考えつつ治療方針を検討するために、生理学の理解は欠かせないように思います。(40代、一般内科)
・呼吸機能や心電図、筋電図の理解に必要です。(50代、一般内科)
・正常がどうであるか分からないと、病気かどうかが分からないので。(40代、神経内科)
・基礎医学はどれでも役立っていますが、一番というと、今は糖尿病をやっているので、生理学ですかね。(50代、一般内科)
・内科医として、症状や病態を理解・推理するときに一番役にたっていると思います。(50代、総合診療)
・特に、呼吸器系とか循環器系を理解する上で、役立つと思う。(50代、一般内科)
・精神科ですので脳神経の生理学が役立ってます。(50代、精神科)
・患者に病気全般説明する際、基本についてわかりやすく説明しようとすると生理学の教科書が役に立つ。(40代、精神科)
・身体の中で何が起きているかを理解するためには病態生理が欠かせず、その基礎は生理学です。(50代、産婦人科)

「病理学」 361件
・物事を考える筋道を学べたという点では、病理学が一番ではないかと思います。(40代、精神科)
・消化器内科では組織診断が重要ですので。(40代、消化器内科)
・乳がんを扱うため、病理学の基礎がないとやっていけません。(40代、一般外科)
・血液内科では病理が非常に役立ちます。(50代、血液内科)
・皮膚病理学で役に立っている。(50代、皮膚科)
・病因論や形態病理との結びつきで病気の理解が容易になりました。(50代、呼吸器内科)
・総て役に立っていますが、敢えて一つと言われれば、病態生理を系統的に考える際に、病理学が有用です。(60代、産婦人科)
・内視鏡の組織を自身で見ることがあり、病理の知識は重要です。(30代、消化器内科)

「薬理学」 223件
・内科医として、薬の作用を分子レベルで捉える癖がついた。新薬が出ても、作用が良く理解できる。(40代、一般内科)
・患者さんの満足は、診断学より治療学に長けている方を好む方が多いのではないかと私は信じております。これらの中で直接治療にもっとも結び付くのは薬理学だと思っています。(40代、総合診療)
・精神神経薬理学が大事だと思っています。(30代、精神科)
・薬で治療する部分が大きいので。(40代、精神科)
・薬剤の効能の基礎を理解出来ていれば、臨床での処方の使い分けが出来るようになります。(40代、麻酔科)
・日頃使う薬剤が限られるため、他科の薬剤はこの頃の知識が役に立ちます。(30代、産婦人科)

「生化学」 121件
・代謝、新薬の理解をするためには、必要です。(50代、呼吸器外科)
・糖尿病専門医には生化学は常に必要です。(70代、代謝・内分泌科)
・代謝系を専門とするのでどうしても経路の記憶が役立っています。(30代、代謝・内分泌科)
・脂質の代謝など臨床に直結しており、当時の教科書をいまだに手放せません。(50代、小児科)

「免疫学」 113件
・呼吸器アレルギーを専門にしたので、役立ってます。(40代、一般内科)
・小児科では免疫学の知識が欠かせません。(40代、小児科)
・感染症、自己免疫疾患、悪性腫瘍のいずれにも大切な学問です。(40代、一般内科)
・風邪だろうと癌だろうと免疫の話は必ず患者さんにするので、一般の方にも分り易く簡単に話せる程度の知識があると便利。(40代、一般外科)

「微生物学」 80件
・結局、感染症患者がいちばん多いです。(60代、眼科)
・日常臨床では感染症に対応することがしばしばなので、基本を勉強しておいたことは良かったような気がします。(30代、膠原病科)
・感染症専門医としては、やはり微生物学になります。(60代、小児科)
・外科をやっているので解剖学も役立っていますが、最も当時の知識を使っているのは微生物学だと思います。(30代、呼吸器外科)

「組織学」 51件
・組織は皮膚科では重要です。(30代、皮膚科)
・全部重要ですが、病理医として正常構造の理解が必要なので。(20代、病理)
・ミクロの解剖学は各種疾患の理解に役立ちます。(50代、一般内科)

「その他」 368件
・上記すべてにおいてです。しかし医学部の授業では役に立たないことも山ほどあります。重要なのは医師になってからの経験です。(40代、総合診療)
・どれも必要だとは思いますが、現在も役立っていると言える科目はないような気がします。(40代、精神科)
・公衆衛生学、特に疫学です。(50代、健診・予防医学)・役に立ったか、と言われると、基礎よりやはり各科の臨床医学がものすごく役に立っているので、基礎はもう頭の中に残っていません。

※調査方法
□期間:2014年9月19日(金) ~ 2014年9月25日(木)
□有効回答:3,648人(回答者はすべて、医師専門サイトMedPeerに会員登録をする医師)
□設問:医師専用サイト MedPeer内の「ポスティング調査」コーナーにおいて、医師会員からご投稿頂いたテーマをもとに、以下の質問を投げかけました。

調査フォーム(設問文 抜粋)
医学部6年間の教育を受けている時は気がつきにくいものですが、卒業後、臨床を実践するようになると、もっと力を入れておいた方が良かった、あるいは、今でも教科書を読み返してみたいと思う基礎医学の科目があるかもしれません。
そこで皆さまにお伺いします。
医学部の基礎医学のなかで、どの科目がもっとも役立っていますか。
以下の選択肢から、もっとも役立ったとお考えのものをご選択いただき、コメント欄にどんな場面で役立っているのかを記入ください。
また、本ポスティング調査結果が、医学部生の皆さんの参考になれば幸いです。

1.解剖学/2. 組織学/3. 生理学/4. 生化学/5. 病理学/6. 薬理学/7. 免疫学/8. 微生物学/9. その他


メドピア株式会社について
・社名 :メドピア株式会社(https://medpeer.co.jp
・代表者 :代表取締役社長 石見 陽 (医師・医学博士)
・設立 :2004年12月
・運営サービス :医師専用サイト「MedPeer(メドピア)」(https://medpeer.jp

メドピア株式会社が運営する「MedPeer」は、医師専用の会員制サイトです(URL: https://medpeer.jp)。
主なコンテンツには、「薬剤評価掲示板(薬剤のクチコミ共有)」、「Meet the Experts(エキスパート医師への直接相談)」、「インタラクティブ・ケース・カンファレンス(オンライン症例検討会)」、「ディスカッション(掲示板)」、「ホスピタル・レポート(勤務先・研修先の病院評価)」などがあり、”臨床の決め手がみつかるサイト”として、現在7万人以上の医師(日本の医師の約4人に1人)が利用しています。

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