100% WebベースのBIツールでレポート作成の属人化を完全に解消
〜基幹システムへのシームレスな組み込みでグローバルの生産・販売情報を一目で把握可能に〜
BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールと分析ソフトウェアのグローバルベンダーであるYellowfin Japan株式会社(本社:東京都中央区、以下Yellowfin Japan)は、環縫いミシンと呼ばれる工業用ミシンをグローバルで製造・販売しているペガサスミシン製造株式会社(本社:大阪市福島区、以下ペガサスミシン製造)への導入事例を発表いたします。
1914年の創業以来、環縫いミシンと呼ばれる工業用ミシンをグローバルで製造・販売しているペガサスミシン製造。現在同社ミシンの95%以上が海外販売していると言います。そこで「どの製品がどの国でどのくらい売れているのか」などの情報を収集するために、1999年よりBIツールを導入してきました。ツールの刷新に伴い、製造や販売の状況をいつでも、どこでも見られるようにしてほしいと要望を叶えるため、Yellowfinを採用。業務利用のほか、2016年10月より基幹システム「PEGBAN」と連携したビジネスダッシュボードの運用を開始し、情報の見える化を進めています。
1914年、工業用ミシンの輸入販売および同部品の製造・販売を目的に創業したペガサスミシン製造(当時は美馬ミシン商会)。1959年に現在の社名に変更して以降、工業用ミシンの中でも環縫いミシンのトップブランドとして、世界中の縫製工場に高い品質のミシンを提供しています。
「現在、当社製品の95%は海外へ販売されています」
こう語るのは取締役 管理本部長の吉田泰三氏です。現在同社では工業用ミシン事業のほか、ダイカスト部品事業も展開していますが、いずれも主要な製造拠点は中国やベトナム、メキシコなどの海外。また販売先も縫製工場の進出が著しい中国やベトナム、インド、中南米などの新興国が中心です。このようなグローバル展開を加速させるに伴い、同社ではどの国でどの製品がどのように売れているかを把握し、開発・製造・販売計画に活かすため、1999年よりBIツールを導入してきました。「BIツールは主に業務担当者が活用するために導入したのですが、当初から『製造や販売の傾向をいつでも自由に見られるようにしてほしい』という経営層からの要望がありました」(吉田氏)
そのような経営層の要望に対し、管理本部 情報システム部長の多田雅一氏は「当時も幹部向けのダッシュボードを構築できないかと検討したのですが、難しいことがわかり見送られました」と振り返ります。また従来のBIツールは、利用する担当者のPCにインストールするタイプのデスクトップ型。同社の基幹システムやメールシステムなどはすでにWebベースに変わっていたこともあり、「BIツールも誰もが使えるようにWebベースにしたいと思い、2015年3月より新しいBIツールの検討に入りました」と多田氏は語ります。
■基幹システムへの組み込みの容易さがYellowfin採用の決め手になった
新しいBIツールには次の様な要件が求められていました。まずはWebベースであること。そして、従来データの加工などに用いているMicrosoft Accessと同様、もしくは、もっと直感的に簡単操作で分析やレポート作成ができること。これらの条件を掲げ、ツールの検討を行ったところ、最後まで検討に残ったのがYellowfinともう1社のツールでした。
「誰にでも使いやすいという点では、実はもう1社のツールの方が勝っていると感じました。私たちの間でも稟議を上げる直前までそちらのツールに気持ちが傾いていました」と多田氏の言葉に、同じく今回のBIツールの選定メンバーだった情報システム部の池原将太氏は大きくうなずきます。一方、情報システム部の中村大輔氏はYellowfinを推していたといいます。その理由は「実は当社には『PEGBAN』というWebベースの基幹システムがあるのですが、Yellowfinをそこに組み込むことで、基幹システムの一部としてレポートを閲覧できるというところが魅力的だと感じました」(中村氏)。また多田氏も「他社のツールにも懸念点があった」と吐露します。それは「従来同様、分析作業が属人化してしまうのではということです」(多田氏)。実はこれまで同社では情報活用が進んでいましたが、そのノウハウは属人化しており、それを解消したいという思いもありました。他社ツールは分析結果の保存はそれぞれのPCになるため、「属人化は解消されない」と思ったからです。そのほかにも決め手はありました。第一に基幹システムの連携がJavaベースで行えることです。同社の基幹システムはJavaでスクラッチ開発したもの。YellowfinもJavaアプリケーションなので、「既存のスキルが生かせますからね」と多田氏。第二にアクセス権の制御ができることです。「今回のツールは国内のスタッフだけではなく、海外拠点のスタッフも使えることを予定していました。とはいえ経営層と業務担当者がすべて同じレベルで情報が閲覧できるわけにはいきません。ですので、アクセス権の制御機能は必須でした」(多田氏)。第三は将来性です。「Yellowfinはバージョンアップが頻繁で、最新技術に常に追随しています」(多田氏)。そして第四が「いろいろ理由を述べましたが、Yellowfinに決めた最大の理由は、Yellowfin担当者の人柄かもしれません」と多田氏は笑いながら語ります。
■海外を含めた各拠点のデイリーの情報が瞬時に把握できる
2015年3月に検討を開始し、Yellowfin導入を決めたのは5月。その後、従来使っていたBIツールで行っていた作業がYellowfinでもできるように移行。「その際、適宜内容は見直した」と中村氏は語ります。10月には「PEGBAN」の一機能としてダッシュボードを組み込む形でYellowfinの活用が始まりました。
「例えばビジネスダッシュボードでは各拠点の販売実績がどのくらいか、またどういうモデルがどのくらい売れているのかなどの情報が、一目で把握できるようになりました」と多田氏は説明します。
さらに最近は、一段階レベルアップした使い方ができるようになったと吉田氏は語ります。「例えばこれまでは各販売拠点から日々の販売実績をメールに添付して本社に送ってもらい、それを本社で加工してExcelデータを社内でメール配信していましたが、現在は各拠点の担当者が直接、ダッシュボードのデータを入力できるようにやり方を変えました。したがって、各拠点のデイリーの情報が瞬時に出てくるようになりました。マネジメントの意思決定のスピード化も図れるようになると思います」と吉田氏は満足そうに語ります。
とはいえ、まだまだ運用が始まって半年。経営層のダッシュボード活用は進んでいますが、一般社員の活用ははじまったばかり。中村氏も「従来、AccessやExcelで行っていたデータ加工やレポート作成作業を、Yellowfinで行ってもらえるようなひな形を作成している段階です」と語ります。ですが、さまざまなレポートのひな形が用意されると、これまで各自が行っていたレポート作成時間が短縮されることになるため、「生産性の向上も期待できる」と吉田氏は語ります。期待できる効果はそれだけではありません。情報の見える化が進むことによって、「経営思想が全社員に浸透し、同じ方向に向かってレベルアップできようになる」(吉田氏)。
レポートのひな形をつくる作業においては、「コードを書かなくて良いのが便利ですね」と中村氏。Yellowfinはユーザー側はもちろん、開発側の生産性向上も期待できるというわけです。
■将来的にはIoTデータの分析基盤としても活用したい
「これからは技術スタッフや海外の販売スタッフ向けに、技術資料の公開をしていこうと考えています」と多田氏。そのためどういった資料が閲覧されているかなど、「アクセス分析にもYellowfinを活用していきたい。そしてそれをPEGBAN全体に広げ、より活用される基幹システム作りに応用していきたい」と池原氏は意気込みを語ります。
さらなる展望としては、「IoTデータの分析基盤としても活用したいですね」と多田氏は語ります。例えば製造ラインを構成する各装置から上がってくる情報から不良が起こるタイミングを分析し、品質向上に役立てたりという社内でのIoT分析はもちろん、「ゆくゆくは出荷したミシンにセンサーを取り付け、どこでどのように稼働しているかなどを分析するようなことができればいいですね」と多田氏は未来を展望します。
ペガサスミシン製造では製品の差別化、品質の差別化、サービスの差別化という3つの差別化戦略を推進しています。「その差別化+αのところに、YellowfinのBIシステムが貢献できるようになれば嬉しいですね」(吉田氏)
高品質な工業用ミシンの提供により衣料文化を発展させていくとともに、ダイカスト部品事業など、工業用ミシンで培った技術、知識を活かして新分野にも積極的に進出していくペガサスミシン製造。次なる100年を目指し、ペガサスブランドの飛躍への挑戦は続きます。
【Yellowfin Japan株式会社】
本社:東京都中央区日本橋小網町11-8
代表者:代表取締役 CEO Glen Rabie (グレン・ラビー)
設立:平成26年
https://yellowfin.co.jp
BIツールと分析ソフトウェアのグローバルベンダーであるYellowfinは、2003年にオーストラリアで創業。現在は全世界に200万ユーザーを誇り、BIツール市場のリーティングカンパニーに成長。2014年に日本法人を設立し、現在は東京と大阪を拠点に急成長している。
【ペガサスミシン製造株式会社】
本社:大阪市福島区鷺洲五丁目7番2号
代表者:代表取締役社長 執行役員 美馬成望
設立:昭和22年
https://www.pegasus.co.jp
1914年創業。工業用ミシンの専業メーカー。特に環縫いミシン(ニット生地の伸縮性を生かした縫い方ができるミシン)の分野では、国内外で厚い信頼と高い評価を得ているリーディングカンパニー。また2007年より、工業用ミシンで培った経営ノウハウを活かして、自動車用安全ベルトのリトラクター部位の部品をはじめとするダイカスト部品の製造・販売を展開。世界の自動車メーカーの高い要求に、確実な品質と納期で応えている。
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