島で行列のできる「しごとなんでも相談所」壱岐しごとサポートセンターIki-Biz 1年の振り返り 

売り上げアップ報告続々

長崎県の離島壱岐島にある「壱岐しごとサポートセンターIki-Biz(イキビズ)」は、2017年8月22日の相談業務開始から1年経ち、2018年8月21日終了時点で相談件数が910件・来訪事業主数が189であったことを報告いたします。島内に事業者登録されている中小事業主の数が1533社*なので、約12%の方にご利用いただいた計算になります。またリピート率が96.8%と高く「1年経っても行列の絶えない相談所」になることができました。リリースの後半では売り上げアップや創業支援の実例をいくつか紹介したいと思います。
*事業所・企業統計調査(平成26年)
統計データ
相談者の方の業種としては、サービス業(飲食・宿泊・その他サービス)が最も多く、製造業、卸売・小売、の順になりました。特に、相談する相手も少なく、ゆっくり時間をかけて考えたり、制作物を作ったりする時間がない個人商店の方の需要が高いです。また、公務関係の担当者レベルの相談も大変多く、島民の生活に直接関係する公共サービスの向上にも貢献することでき、大変嬉しく思っております。

 

業種  
サービス業 25%
   その他サービス(美容院、エステ・マッサージ、体験工房など) (内10%)
   飲食 (内9%)
   宿泊 (内6%)
製造業 14%
卸・小売業 14%
公務関係 11%
農業・林業 7%

 

<男女比 66:34>

女性の経営者・担当者の相談も3割以上ありました。また女性は飲食サービスや製造業、公務関係、教育・学習、クリエイターという業種で比較的多かったです。

<年齢層>

年齢  
10代 1%
20代 5%
30代 22%
40代 35%
50代 19%
60〜 19%

 

年齢層を見ると、30代、40代と若い層が早急な業績アップを求めて訪れる傾向にありました。ただ、60代以上の方も19%おり、この島では60代以上の現役の方が多いことが伺えます。

制作物
Iki-Biz は専属のスタッフを雇用し、クオリティの高い販促物を作る体制が整っているため、この1年で多くの制作物を作ることができました。
ホームページ    12
チラシ               11
ポップ広告       10
ポスター            4
名刺                  3 
パッケージ             3
ロゴマーク             2
プレゼン用スライド   2
飲食店メニュー         1
ラッピングバス         1
営業向け資料            1
折り込みチラシ         1

プロカメラマンを雇用して撮影
島外目線で壱岐を見たとき、ネットなどで検索して出てくる写真や事業主さんが使っている写真が魅力を伝えきれていなかったので、臨時でプロカメラマンを雇用しました。通常であれば何万円もかかる撮影を無料で対応し、92の事業者(店・商品・その他)の撮影を行い、それぞれの事業者が自由に使用可能な素材として提供。また島内の名所や風景もプロの風景写真家を臨時雇用して撮影しました。これらの素材をホームページや広告に使用してもらうことで、島内外へのPR写真のクオリティアップに努めることに貢献できたと自負しております。

売り上げアップ・創業支援 事例
《ネーミング・パッケージ・ポップ・販路拡大:「しまの百花精」売り上げ3割アップ》
はちみつ養蜂家の下條さんはニホンミツバチの様子が可愛くて養蜂を始めました。ペットのようにミツバチを飼う副産物としてできるハチミツを島内の養蜂仲間に迷惑がかからないように売りたいと相談に来られました。ニホンミツバチの市場価格を不必要に下げないこと、またすでに島内にニホンミツバチを置いているお店には商品を置かないこと。彼は島内で2店舗に商品をおいていましたが、在庫が増えるばかりだったので、製菓店におろすことを視野に入れていました。しかし、希少価値の高いニホンミツバチは価格も高いので、製菓店もなかなか原材料として仕入れるのは難しいという判断でした。Iki-Bizがこの相談を受けて最初に思ったのが、島内の市場は飽和状態かもしれないが、島外に目を向けると幻と言われるニホンミツバチはニーズがあるということ。そこで島外の方から魅力的と思われるネーミングとラベル、そして島外販路をつくることを提案しました。ニホンミツバチは西洋ミツバチと違い、様々な花のみつを集めてくるので「百花の精」と江戸時代から言われていたこと、下條さんが養蜂を「はちみつ」というより「蜂」そのものに魅せられて取り組んでいらっしゃることから、この話を背景としたブランドづくりを提案し、商品名を「しまの百花精」としました。そしてこのコンセプトをもとに、ラベルはIki-Bizに別件で相談に来ていた島で活動する日本画家の赤木さんに依頼しました。この後ブランドストリーを反映したポップを作り、島外販路としてIki-Bizが展開している楽天のネットショップと松坂屋百貨店のイベントなどへの出店をしたところ、商品の売り上げは昨年対比3割アップを達成しました。
 


《宿泊施設の認知アップ&ITサポート:「民宿くいものや三平」売り上げ4割アップ》
「民宿くいものや三平」は居酒屋「くいものや三平」のオーナーが営業している宿泊施設で、今までのお客様は工事関係者など常連の長期ビジネス利用のみでした。もっと宿泊客を増やしたい、できれば観光客なども受け入れて単価をあげたい、とIki-Bizに相談に来られました。話を聞くとパンフレットやチラシも特になく4部屋のみのシンプルな和室のお部屋で、今まで宣伝などしたことがなかったということでした。この話を聞き、Iki-Bizは宿泊施設としてまずほとんどの観光客が見る、OTA(じゃらんや楽天トラベルなどのウェブ宿泊施設予約サイト)への登録を提案しました。また、パソコンでの入力ができないということでしたので宿泊施設専門の入力代行をする会社も紹介。これらは初期費用がかからず、売り上げに対しての手数料契約なので、その手数料が引かれた上での料金設定をアドバイスし、代理店やOTAの申し込み書などの記入サポートを行いました。その結果、「民宿くいものや三平」の観光客からの宿泊予約が増え、相乗効果で「くいものや三平」の売り上げもアップ、会社として昨年対比4割増を記録することができました。

 

 


《創業支援:「足圧リンパマッサージGREEN」、高校生の創業「ビアガーデン」》
川畑さんは壱岐出身の旦那様とともに今年の春、壱岐に30年ぶりに戻ってきました。福岡で行っていた足圧リンパマッサージのお店を壱岐でも開業したいということで創業支援をすることになりました。島内に知る人が少ないので、PRをメインに行うことにして、「足で踏む」という行為をわかりやすく伝えるイラストをつくり、名刺・チラシ・FBによるPR支援を行っています。相談に来ていただいてまだ4ヶ月ですが、毎月15名以上の新規客を獲得しており、施術は毎月30名以上のお客さまにしているとのことです。初年度の目標が「毎月50名」ということでしたので、継続的にお店の認知と利用率アップのサポートを行っています。

壱岐高校2年生のある男子学生は森センター長の講演を聞き、「起業がしたい」とIki-Bizを訪れました。アイディア出しから始まり森から多くの叱咤激励を受け、8月に両親の協力のもとビアガーデンを開催。まだまだ荒削りのところはあるものの、「まずは動こう!失敗をしよう!」という森の声がけを受け行動に移した若干17歳の青年の起業支援はとてもワクワクしますし、今後もこのように積極的な姿勢でビジネスに取り組む若者が増えて、島内の経済発展につながることを期待したいと思います。

 


今後の展望
Iki-Biz 2年目に入ってからも新規のお客様が月に約10件、相談にきてくださっております。しかし、まだ島内の認知率も100%ではなく、さらに存在はなんとなく知っているが、「Iki-BIz がどのようなことをするところかわからない」という声も聞こえてきます。まだ創設して1年なので引き続きIki-Bizの存在と事業主さまにとってどのようなメリットがあるかなどをPRしていく必要があると感じました。現時点でもFacebookなどのSNSを通じて週に1-2度情報発信をしていますが、今後はより包括的にPRに取り組みたいと思います。

Iki-Biz 2年目も多くの事業主の方々と関わり合い、壱岐の島の経済の発展に寄与できるよう、スタッフ一丸となって頑張っていきたいと思っております。
 

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会社概要

URL
http://iki-biz.jp
業種
サービス業
本社所在地
長崎県壱岐市郷ノ浦町東触551-3
電話番号
0920-40-0223
代表者名
中原 康壽
上場
未上場
資本金
-
設立
2017年08月