銀座英國屋、”カムバックパス制度” 導入3年で復帰者1名
~“いつでも戻れる場所”が、働きがいと挑戦意欲を育む~

労働環境の整備が進む中、社員の「働きやすさ」だけでなく「働きがい」をどう高めるかが問われています。株式会社英國屋(本社:東京都中央区、代表取締役社長:小林英毅)では、2022年8月、アルムナイ(退職者)が5年以内であれば復帰できる「カムバックパス制度」を導入しました。
導入3年で制度利用による復帰は1名ですが、実はそれ以前から、自然な“カムバック文化”が存在していました。記憶に残るだけでも5名が再び同社に戻っています。そのうち1名はフィッティング専任技術者のトップとして活躍しましたが、現在は定年後の再雇用期間を経て退職しています。
こうした文化を制度として整えた背景には、「辞めた社員を敵と見なす」のではなく、「信頼できる仲間として再び迎え入れる」という企業姿勢があります。この背景についての詳細を、本日公開いたします。
銀座英國屋の「カムバックパス制度」とは
「カムバックパス制度」は、退職日から5年間、銀座英國屋への復帰を可能とする制度です。家庭やキャリアの事情で一度職場を離れた社員が、再びその経験と想いを活かして働けるよう支援します。復職時には、現場スタッフや管理職が一体となってサポートし、スムーズな再スタートを実現します。
単なる再雇用制度ではなく、“働きがいを感じながら、再び挑戦できる文化”を制度として具現化している点が特徴です。
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適用対象:服務規程遵守・良好な人間関係・自己完結可能な者
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待遇:退職時と同額以上
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復帰条件:定年未満・健康状態良好・社会的信頼保持
導入3年で、制度利用による復帰は1名、制度導入以前も含めると、5名が再び英國屋に戻っています。
元社員が再挑戦の場を得ることで、組織に新たな知見や経験がもたらされ、銀座英國屋での「働きがい文化」をさらに強化しています。
制度誕生の背景
銀座英國屋がカムバックパス制度を設けた背景には、同社が長年大切にしてきた“信頼”の価値観があります。お客様に対して「信頼を得られる装い」を提供するように、社員との関係においても「信頼」を何より重視しています。一度離れた社員に対しても、その人が積み重ねてきた努力や誠実さを尊重し、「戻ることを恥じない」「戻ることが誇りになる」環境を整えています。
同制度は“再雇用”ではなく、「いつでも戻れる場所がある」ことを保証するパスです。
この安心感が、アルムナイに新しい挑戦への勇気を与え、結果として再び英國屋に戻ってくるケースを生み出しています。

英國屋が育む「働きがい」文化
銀座英國屋では、「働きがい」を“信頼関係を通じて自己成長を実感できる状態”と定義しています。同社が大切にしている働きがいの文化には、次の4つの要素があります。
・成長の実感:
社員が自身の成長を実感できる機会を提供することは、エンゲージメントを高める上で最も重要です。 銀座英國屋では、結果だけでなく試行錯誤のプロセスも評価します。そのため、社員は失敗による評価ダウンを恐れることなく、目標設定時にも「本人にとって達成することに価値を感じる目標」を自由に掲げることができます。この「本人にとって価値ある目標」を目指して試行錯誤を重ねる中で、新たなスキルや知識を習得し、さらなる他者貢献・社会貢献を通じて自己効力感を高め、「成長の実感」を得られるのです。
・チームワーク:
部署間の連携や協力体制を強化することは、社員が組織の一員としての一体感を感じ、エンゲージメントを高める上で重要です。銀座英國屋では、挑戦する社員をチーム全体で支え、協働して目標を達成する文化が根付いています。これにより、社員は互いに支え合い、組織への貢献意欲を高めます。
・公平感:
「人として尊重されている」という前提のもと、評価や報酬が公平であると感じることは、社員が組織を信頼し、安心して働く上で不可欠です。納得性の高い評価制度を導入することで、社員は組織への信頼感を醸成し、エンゲージメントを高めます。
・誇り:
社員自身による他者貢献・社会貢献を通じ、自身の仕事や会社に誇りを持てるようにすることは、エンゲージメントを大きく左右します。だからこそ、会社から指示・命令されたからではなく、社員が自信をもって「お客様にとって最適」とご提案できる環境が大切です。 銀座英國屋では、お客様に「信頼を得られる装い」を提供していますが、その商材選びは社員本人に任せられています。そして、そのご提案の結果がお客様からの直接の感謝として返ってくることで、社員は自身の仕事にやりがいと誇りを感じ、エンゲージメントを高めます。
この4つの要素を軸に、社員一人ひとりが「またこの会社で働きたい」と思える職場づくりを進めています。
今後の展開
今後は、「カムバックパス制度」の運用を通じて、社内コミュニティの活性化やキャリア支援体制の強化を図っていきます。また、希望者には事前に許諾を得たうえで、会社の状況をお知らせするなど、離職後も銀座英國屋の一員としてつながりを感じられる仕組みづくりを進めてまいります。
銀座英國屋とは
株式会社英國屋が運営する銀座英國屋は、1940年の創業以来、80年以上にわたり「信頼を
得られる装い」としてフルオーダースーツを提供し続ける老舗ブランドです。
オーダースーツ店として磨き続けてきた点は、以下の3点です。
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「信頼を得られる装い」を熟知し、ヒアリングに長けたスタイリスト(接客担当)。
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「袖まで外すフィッティング」を実行できる、フィッティング専任技術者。
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若手の育成体制が整備された、フルオーダースーツ縫製工房。
既製服・パターンオーダー・イージーオーダーとの違いは、フィット感です。パターンオーダー・イージーオーダーは、オーダーではあるものの、肩幅などを元に基準服を選び、その後微修正を加える方式のため、修正幅には限界があります。一方、フルオーダースーツの場合には、お客様のご体型に合わせてゼロから仕立て上げるため、全体をバランス良く仕上げることができます。 更に言えば、同じ肩幅でも、首の角度・太さ・筋肉の付き方などは千差万別です。それは数値では表しきれません。銀座英國屋であれば、これらを勘案してスーツ図面を起こせるフィッティング専任技術者がおり、かつ、その微細なスーツ図面を形にできるフルオーダースーツ縫製工房が整っています。だからこそ、フィット感が異なるのです。(参考:セミオーダーとの違い)
また、他のフルオーダースーツ店との違いは、フィッティング専任技術者の存在と、若手の育成体制が整備された工房の存在です。 一般的には、接客とフィッティングは1人の担当者が兼任します。しかし、銀座英國屋ではそれぞれの専門性を磨くために分担しています。その結果、フィッティング専任技術者は、「袖まで外すフィッティング(洋服を解体し、よりお客様にフィットさせられるフィッティング)」を実行できるまで研鑽を積んでまいりました。そして、スーツ縫製業界においても職人の高齢化は深刻化しており、最年少が60歳を超えるのが普通という継続性が危ぶまれる状況です。一方で、銀座英國屋の工房は、若手育成体制が整備され、20~40歳代で正社員の50%以上を占めています。
さらに、特徴とすべきは、銀座英國屋が提供する「無料オーダー体験」です。これは、「敷居が高い」と称されがちな銀座英國屋において、ご注文を前提とせずに接客・フィッティングをご体験いただける無料サービスです。オーダースーツの場合、価格を「〇〇円~」と記載せざるを得ず、価格に不安を覚えてしまうものですが、無料オーダー体験であれば、お選びになった生地・デザインでの価格をご確認いただいた上で、改めて安心してご検討いただけます。 ※オーダースーツにおいて、価格を「〇〇円~」とするのは、デザインによってオプション料金がかかる可能性があるためです。なお、銀座英國屋では「信頼を得られる装い」となる標準仕様を推奨しており、オプション料金を頂戴したのは、僅か0.49%です。(参考:オーダースーツにかかるお金を徹底解説|結局、銀座英國屋では、いくらで仕立てられるのか?)。
オーダースーツに加え、銀座英國屋では、装いをより一層引き立てる洗練されたアクセサリーも取り扱っています。これらの品々からも、ブランドの持つ確固たる品質への信念と、時代に左右されないエレガンスさが感じられます。
創業から80年以上の長きにわたり、銀座という場所で本物を追求し続ける銀座英國屋は、単なる紳士服店ではありません。それは、伝統と革新が共存し、着る人の品格と自信を高める、唯一無二の存在です。

3代目社長小林英毅(こばやし えいき):28歳で社長就任、現在14期目
1981年7月東京生まれ。2004年3月に慶應義塾大学経済学部を卒業後、ワークスアプリケーションズに入社。2006年4月に老舗紳士服店である銀座英國屋に入社し、2009年6月、28歳という若さで代表取締役社長に就任しました。2023年7月には社長就任15年目を迎え、その経営手腕が注目されています。
学術的な活動も積極的に行っており、一橋大学MBAや明治大学MBAで組織論のゲスト講師を務めるほか、100年経営企業倶楽部では事業承継に関する講演を行うなど、幅広い分野で知見を共有しています。老舗企業の経営者としてだけでなく、次世代の経営者育成にも貢献する人物として活動しています。

1981年7月 東京生まれ
2004年3月 慶應義塾大学 経済学部 卒業
2004年4月 ワークスアプリケーションズ 入社
2006年4月 銀座英國屋 入社
2009年6月 銀座英國屋 代表取締役社長 就任(28歳)
2023年7月 社長15年目(43歳)
一橋大学MBA・明治大学MBA 組織論 ゲスト講師
100年経営企業倶楽部 ゲスト講師(事業承継)
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