2020年上半期台湾電子・半導体生産機械設備製造業のメーカー動向と今後の展望<ワイズ機械業界ジャーナル9月第1週号発行>
〜台湾機械業界の動向が分かる〜
ワイズコンサルティング グループ(本社:中華民国台北市、代表取締役:吉本康志)は台湾機械業界専門誌「ワイズ機械業界ジャーナル」の9月第1週号を発行しました。今週号では、台湾工作機械・部品製造業の上場・店頭公開メーカーランキング、電子・半導体生産機械設備製造業のメーカー動向と今後の展望、自動車・二輪車用伝動部品メーカー(HOTA)、食品・飲料及びタバコ生産設備業界について紹介します。
<200903号内容案内>
1 | 工作機械業界 | 台湾工作機械・部品製造業の上場・ 店頭公開メーカーランキング—2019年 |
2 | 電子・半導体生産機械設備業界 | 台湾電子・半導体生産機械設備製造業の メーカー動向と今後の展望—2020年上半期 |
3 | 金属加工部品業界 | 自動車・二輪車用伝動部品メーカー —和大工業(HOTA) |
4 | 食品、飲料及びタバコ生産設備業界 | 台湾食品、飲料及びタバコ生産設備製造業の 振り返りと今後の展望——2020年上半期 |
台湾電子・半導体生産機械設備製造業のメーカー動向と今後の展望—2020年上半期
一方で、経済部投資審議委員会(投審会)が公開した資料によると、2020年1〜6月の台湾の「電子部品製造業」と「パソコン、電子・光学製品製造業」の対中国投資額は前年同期比で大幅増加した。このことから、中国市場は依然として台湾電子業メーカーにとって重要な投資先であることが分かる。
現在も、半導体設備のキーコンポーネントは米国の大手メーカーに握られている。とくに、米国の▽アプライドマテリアルズ▽KLA▽ラムリサーチ──が4割の市場シェアを占めていることから、中国の半導体大手メーカーのすべてが非米国製チップを導入できる可能性は低い。しかし、半導体産業の周辺設備・後工程設備に関しては、非米国製品の調達が大幅に増加する見通しで、台湾メーカーの商機となる予測だ。
一、メーカー動向
致茂電子(クロマ)
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が電子業に打撃を与えたが、第5世代移動通信システム(5G)および人工知能を介したモノのインターネット(AIoT)の発展によって高性能チップに対する需要が増加したため、2020年の致茂電子(クロマ)の半導体検査装置の売上高は成長するとみられる。また、リモートワークと遠隔授業の関連需要が増加したことから、電力・電子検査装置の需要も伸びている。このように、半導体検査装置と電力・電子検査装置の受注が好調のため、20年1〜6月の致茂電子の連結売上高は前年同期比19.52%増の72億台湾元となった。また、粗利益率が向上したことから、20年1〜3月の連結当期純利益は4億8,600万台湾元に達し、同63.57%増の大幅成長となった。
京鼎科技(Fiti)
京鼎科技(Fiti)は台湾積体電路製造(TSMC)の設備支出拡大、米国大手バイヤーからの大口発注を受けて、半導体モジュール・部品の受注が好調を示している。また、中国の電子業生産拠点の稼働率が回復しつつあることに加えて、米中ハイテク冷戦の影響で中国半導体業メーカーが調達先を台湾の設備メーカーに切り替えたことから、2020年1〜6月の京鼎科技の連結売上高は47億4,300万台湾元で、前年同期比45.51%増となった。また、高価格製品の販売好調によって粗利益率が上昇し、加えて販促費用と研究開発費用が減少したことから、20年1〜3月の連結当期純利益は2億3,600万台湾元となり、同173.91%増の大幅成長となった。
二、今後の展望
2020年7月の国際半導体製造装置材料協会(SEMI)による研究報告によると、新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に打撃を与えたが、5Gの商業運転と各応用分野の商機が浮上したことから、20年の世界半導体生産設備市場の総販売額は前年比6%増の632億米ドルとなると予測される。なお、2021年の市場規模はさらに成長し、700億米ドルに達する見通しだ。
2021年も、中国が最大の半導体生産設備市場の立場を維持するだろう。また、米中ハイテク冷戦が深刻化する中、中国は米国に対抗するために半導体産業の発展に力を入れており、関連設備に対する需要が高い水準を維持するとみられる。しかし、米国が中国に対する輸出禁止を強化していることから、中国は非米国設備メーカーからの調達規模を拡大する見込みで、台湾当産業にとって大きな商機となると予測される。
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