アフターピル(緊急避妊薬)が市販化された場合の不安について調査「アフターピル購入の最も大きな不安は副作用で50%」

アフターピルを薬局で購入できるようになった場合に薬剤師に最も望む対応は「飲み方や副作用についての丁寧な説明で42%」

スマスタ

合同会社スマスタ(https://smast.co.jp/)が運営する薬剤師向け情報メディアハッピーファーマシスト(https://smast.co.jp/happypharmacist/)は、女性100人を対象に「アフターピルの市販化に対する不安」についてアンケート調査を実施しました。

調査の結果、アフターピルの副作用への不安が強く、副作用や飲み方について丁寧に説明して欲しいという意見を持つ女性が多いことがわかりました。

現在国内で主流のアフターピルであるノルレボ錠での嘔吐はほとんどなく[1]、その他の副作用も少ない薬であることが知られていない現状がうかがえます。

アフターピルが市販化された際には、薬剤師から飲み方や副作用や使用法についての丁寧な説明がほしいという意見がある一方で、必要最低限の説明だけにして欲しいという意見もありました。
薬剤師には一元的な対応ではなく、利用者に合わせた対応が求められるでしょう。

詳細はこちら(https://smast.co.jp/happypharmacist/after-pill
■調査概要

 

調査方法 インターネットによる調査
調査対象 女性
調査期間 2021年2月10日~2月11日
調査エリア 全国
サンプル数 100名

 

■調査結果サマリー
  • アフターピルが薬局で買えるようになった場合の、購入することに対する不安の第一位は「アフターピルの副作用への不安」が50%
  • アフターピルを買いやすいと思うどんな薬局は「女性薬剤師のいる薬局・ドラッグストア」で57%
  • アフターピルを薬局で購入できるようになった場合、薬剤師にしてほしい対応の第一位は「飲み方や副作用についての丁寧な説明」で42%。

■緊急避妊薬(アフターピル)が薬局で買えるようになった場合、購入することに対する不安にはどのようなものがありますか?不安に思うことをご記載ください。
まずはアフターピルが薬局で購入することに対する、不安はどのようなものか伺いました。
回答数の多い意見から、ランキング形式でご紹介します。
(複数回答可)

 


それぞれの代表的な意見は下記の通りです。

1位 .副作用への不安 50%
  • アフターピルを飲むことによる副作用が気になります。生理の日にちもずれてくると思うので、不安はアフターピルを飲んでもあると思います。
  • 副作用についてが一番不安に思います。副作用で苦しい思いをするという記事を読んだことがあるので。
  • 緊急避妊薬の副作用が怖いので、説明など丁寧にして欲しいです。副作用で体調に何かあったとき、すぐに病院で看てもらえるのかどうか不安です。
  • 副作用が心配である。避妊するということは体に何らかの支障があると思う。もし体の健康がよくない状態で緊急避妊薬を使ったら、飲んだ人自身が体を壊してしまうのではないかと気になる。

2位.プライバシーが確保されるか不安 30%
  • アフターピルが欲しいと薬剤師に頼んだら、その時の体調や場合によっては状況を聞かれそうでプライバシーを守られるのかが不安。
  • 混雑している薬局だと人の目が気になったり、周りに買っていることを知られるのではないかという抵抗があります。
  • 知り合いに緊急避妊薬(アフターピル)を購入するところを見られるのではないか。そのことについて噂を広められるのではないか。

3位.十分な説明やアフターフォローが受けられないことへの不安 23%
  • 飲み方や用法などがまったく分からないのと、今飲んでいる薬との飲み合わせが大丈夫なのか不安です。自己判断では手を出しにくいです。
  • 緊急避妊薬を病院で購入するとDr.やスタッフさんからのアドバイスが頂けますが、薬局ではこれらが無さそうです。
  • 薬剤師が緊急避妊薬についてきちんと知識を持っている人なのか気になります。また、緊急避妊薬が自分に合ったものなのか不安に思います。
  • 薬剤師による指導がある前提とはいえ、用法や容量の説明はもちろん万が一、避妊効果が間に合わなかった時のフォローやアドバイスまで丁寧に行ってくれるかは不安だと思います。

4位.医師の診察がないことへの不安 18%
  • 医師の診察を受けた上で処方されると安心感がありますが、自身で購入できるとなると副作用の対処に不安があります。
  • 副作用や服用に対するリスクが心配です。医師に診察してもらって薬を出してもらったほうが安心感があります。
  • 実際婦人科に行き飲んだことのある側からの意見です。薬局で買えるのは便利かもしれないが、ちゃんと先生からの説明がないと不安だと思う。実際病院で処方してもらっても不安だったので、不安が取り除けるかがとても疑問です。

5位.避妊意識の低下に対する不安 15%
  • 男女どちらも、いつでも手に入るからと今までよりもコンドームなどを使わずに性行為をする人が増えて、性病が蔓延しそうなことや、無理やりコンドームなしで性行為をさせられるリスクが高まりそうなことが不安。
  • 男性側の避妊への意識が弱まることによって合意のない性交渉が増えることへの不安。女性側の妊娠への意識が低下し、アフターピルへの依存や副作用、後遺症への不安。レイプなどの犯罪だけではなく親しい間柄(恋人・夫婦)での強引な性交渉につながる危険性。
  • 男性が性交前に購入してきて「これを使えば避妊になるから」と言って、避妊具等を使わずに性交しようと悪用しないか不安に思う。

6位.病院のアフターピルと効果が同じか不安 13%
  • 薬局で簡単に手に入るアフターピルは「本当に効果があるのかな?」と不安になってしまいます。値段が病院で貰えるものとほぼ同じ値段でも、疑ってしまいます。
  • 医療用のものと、成分や容量は同じなのかが気になります。

7位.価格に対する不安 8%
  • 病院処方より、価格が高くなるのではないかと不安。
  • 高いものだから簡単に選べないし、買うときに勇気がいる。

8位.種類があったときにどれを選べばわからない不安 6%
  • 緊急避妊薬を購入したいと店員に言いづらいような気がすることと、薬が何種類かあった場合にどの薬にするのかを自分で決められなさそうなことを不安に思います。
  • アフターピルにも種類があり、購入しようとしている時の自分の状況に、どのピルが合っているのかがわからないこと。

その他 13%
  • 買うときには何か身分証明書や年齢確認が必要なのか知りたいです。市販の風邪薬を買うようにすぐに買えるとは思えないので、買い方がよくわからないという不安もあります。
  • その場で在庫がなかった場合に、アフターピルを飲める期限が決まっているのですごく困るし不安になりそうです。
  • 娘が大きくなったときのことを考えると、購入時に年齢確認などはあるのか、あれば制限されるのか、親の承諾は必要となるのかなども気になります。

▼分析
副作用に不安を抱く女性が多く、飲み方やその後のフォローに対しても、病院で診察を受ける方が安心と考える方が多い結果となっています。
薬局という開けた場所でアフターピルを購入することに対し、プライバシーの不安を感じる方もおられました。
アフターピルの市販化に対しては、必要なときに迅速に入手できることの大切さと共にアフターピルに対する正しい知識を広め、購入しやすい環境を整える必要があるでしょう。


■どんな薬局なら緊急避妊薬を買いやすいと思いますか?
次に、自分がアフターピルを購入するなら、どのような薬局が良いか伺いました。


回答の第一位は「女性薬剤師のいる薬局・ドラッグストア」、第二位は「ドラッグストア」、第三位「プライバシーが確保された薬局・ドラッグストア」でした。

それぞれの代表的な意見は、下記の通りです。

1位.女性薬剤師のいる薬局・ドラッグストア 57%
  • 女性薬剤師さんがいてくれて、個人的にお話しができるのであれば薬局でもドラッグストアでも買いやすさは同じだと思います。
  • 購入するなら女性の薬剤師さんからがもちろんいいです。やはり男性からだと、どんな目で見られるのか怖く感じ買いづらいです。
  • 女性薬剤師がいると色々と相談したり、お話を聞いてもらえる安心感があるように思います。

2位.ドラッグストア 40%
  • ドラッグストアに広く普及して欲しい。将来的には自動販売やコンビニ、オンライン販売でも手軽に購入できるような未来になるといいと思う。
  • 商品が多数でお客さんも多い大型ドラッグストア。
  • 町のドラッグストアなど、店舗数が多いところは買いやすくていいのではないかと。必要な時に手に入れられないのでは意味がないので。

3位.プライバシーが確保された薬局・ドラッグストア 18%
  • 個室など相談内容が聞かれないようプライバシーに配慮された場所があると嬉しい。
  • 避妊薬が置いてある場所が見えにくい、隠れている場所にあり、専用のカウンターを用意してあるお店。
  • 薬の説明は、声に出さずにしてくれる薬局。

▼分析
半数以上の方が最低条件として、女性薬剤師がいることを挙げました。アフターピルの販売店には、女性薬剤師の在否がわかる表示が求められると予想されます。
店舗の形態としては、気軽に立ち寄れるドラッグストアが人気となりました。店舗数が多く開店時間が長いため、必要な時にすぐに購入できる利便性が評価されています。
一方で開けた場所では買いにくいという声も多く、個室など他者から見えにくい場所で購入したいという意見も見られました。

■緊急避妊薬を薬局で購入できるようになった場合、薬剤師(※)にはどんな対応をしてほしいですか?
※アフターピル市販化の際は第一類医薬品として販売されるため、薬剤師による情報提供を受けないと購入できません。

アフターピルが実際に市販化されれば、販売時に薬の説明等の対応をするのは薬剤師です。

最後にアフターピルを購入する際、薬剤師に求める対応について伺いました。


それぞれの代表的な意見は、下記の通りです。

1位.飲み方や副作用について丁寧に説明して欲しい 42%
  • 薬の主な説明や、飲み方、時間、副作用などの説明や他の薬との飲み合わせなどわからないことを聞きたいです。
  • 不安な気持ちの場合が多いと思うので、不安を和らげるような対応をしてほしいです。あと、しっかり丁寧に説明してほしい。
  • 副作用や飲み方など、細かく説明してほしいです。どのような状態になれば避妊が成功したのか、何日目に出血するのか等、安心できる情報までほしいです。
  • 逐一、アフターピルに関する説明、避妊率、デメリットなどを話して欲しいです。これまで2種類のアフタービルを服用した経験がありますが、種類によって値段はもちろん避妊率が異なるため説明は省かないで欲しいです。
  • こういった副作用があるかもとデメリットを伝えてくれた上で販売してくれると安易に買ったりしないと思う。ただ販売しているだけというのはしてほしくないです。
2位.簡潔に説明して、詮索しないで欲しい 34%
  • どのような経緯でコンドームをつけずに性行為をしてしまったのかなどのことは聞かないで欲しい。批判的な態度などは出さないで欲しい。
  • あまり根掘りはほり聞かないで欲しいです。併用薬やアレルギーの確認ならいいけれど使用目的や購入するまでの過程など精神的に傷つくことは聞かれたくないです。
  • 淡々と、必要最低限の説明だけにして欲しいです。もしくは、必要事項を書いた用紙を渡すだけにして欲しいです。
  • 何も言わずに売って欲しい。副作用や危険性は説明書を読んだり、ネットで調べれば分かることなので、余り会話したくない。
3位.プライバシーに配慮して欲しい 22%
  • 個室とまではいかなくても、少し区切られたところで説明をして欲しい。不安な気持ちで緊急避妊薬を買いにくることが想定されるので、質問しやすい雰囲気の人がいい。
  • 他の店員や客に聞こえたり見られないよう、購入する事が分からないように、小声で話したり他の人から見えないところで説明するなど配慮して欲しい。
  • 「緊急避妊薬」と声に出して言わないで欲しい。ポップアップなど提示して「こちらの薬で間違いないですか?」など聞くようにしてほしい。また、受け取りもネット予約などにして店舗内に滞在する時間を減らしてほしいです。

4位.受診を促すなどアフターケアもしっかりして欲しい 12%
  • 薬局が販売してからのアフターケアをしっかり行って欲しい。副作用が起きていないかとか、相談しやすい婦人科を紹介するなど。
  • 購入者が未成年の場合、事件に巻き込まれいるようであれば、警察に相談するよう促す紙や、病院に行くよう促す紙を入れたりしたらいいと思います。
  • 帰宅したあとも専用ダイヤルやチャットなどで話を聞いて、対応してくれる。

5位.しっかり話を聞いて、相談に乗ってほしい 8%
  • 親切に話を聞いて欲しいと思います。購入する際はきっと切迫つまっているはずです。そんな時優しく対応して欲しいと思います。
  • 緊急避妊薬を薬局で買うメリットとデメリットを教えてほしい、私は女性薬剤師さんにたくさん相談したいからです。

その他 9%
  • 軽蔑だったり、怪訝そうな表情などは出さないでほしいです。アフターピルを購入したいときは精神的にネガティブになっていると思うので
  • 改めてレジにアフターピルを持っていくのが恥ずかしいので、説明されたらその場ですぐ会計してもらえると嬉しいです。
  • 特別な事ではない普通の感じで対応して欲しいと思います。何でも質問しやすい明るい雰囲気が良いです。

▼分析
飲み方や副作用についての丁寧な説明を求める声が多い一方で、詮索をしない簡潔な説明を求める声も多く見られました。
最終月経日や性被害の有無など確認の必要がある事項も、書面を用いるなどプライバシーに十分配慮した対応が求められます。副作用や飲み方の説明も、書面を活用した説明が望ましいでしょう。その上で丁寧な説明や相談を求める購入者には、不安を取り除く説明が求められると考えられます。

■所感
アンケートにより、アフターピルは副作用が強く身体に大きな作用を及ぼす薬というイメージが浸透していることがわかりました。

現在国内で主流のアフターピルであるノルレボ錠の副作用発生率は決して高くないこと(消退出血や不正出血を除く)[1]が世間に広まることで、アフターピル市販化に対する意見も変わる可能性があります。
加えて医師の診察や説明がなくとも購入者が不安を感じないように、販売者である薬剤師は緊急避妊に対する正しい知識を身に着けることが求められるでしょう。

市販化によってアフターピルが必要なときに迅速に手に入るようになれば、望まない妊娠が減ると予想できます。
女性が自分自身の身体を守るために、アフターピルを購入しやすい法律や環境作りが望まれています。

アンケートの回答全文はこちらの記事にて紹介しています。

記事タイトル:アフターピル(緊急避妊薬)の市販化は何が不安?【女性100人にアンケート】

記事URL:https://smast.co.jp/happypharmacist/after-pill

【参考文献】
[1]​A県の緊急避妊診療の現状について
http://www.med.miyazaki-u.ac.jp/home/kango/files/2016/03/nagase.pdf

■『ハッピーファーマシスト』とは(https://smast.co.jp/happypharmacist/
『ハッピーファーマシスト』は、働く薬剤師向け情報メディアです。
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■会社概要
会社名: 合同会社スマスタ
所在地: 愛知県犬山市犬山北別祖97-5
代表:鈴木唯史
設立:2020年3月9日
事業内容:Webコンテンツ制作
URL:https://smast.co.jp/
電話:0568-68-7853
お問い合わせ先:info@smast.co.jp


 

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上場
未上場
資本金
1万円
設立
2020年03月