スモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド ラグジュアリーブティックホテル業界をリードする「10のサステナビリティ基準」の制定を発表
2027年までに世界90か国・650軒以上の全加盟ホテルで実装へ

世界90ヶ国以上にわたり、650軒を超える独立系ラグジュアリーブティックホテルが加盟するスモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド(Small Luxury Hotels of the World、以下「SLH」)は、今年35周年を迎えるにあたり、業界のサステナビリティ分野におけるリーダーシップをより一層強化するべく、持続可能性におけるアクションをまとめた「Call-to-Action(CTA)レポート」を公表しました。SLHはこれまでもラグジュアリーブティックホテル業界において持続可能なあり方を追求してきましたが、本レポートではその姿勢をさらに前進させ、2027年までに全加盟ホテルが順守すべき「10のサステナビリティ基準」(*1)の制定を発表しています。水・エネルギー効率、DEAI(多様性・公平性・包括性・帰属意識)、地産地消・社会・環境に配慮した調達など、ラグジュアリーブティックホテルが持続可能な運営を行うために不可欠な要素を網羅したガイドラインとなっています。さらに本レポートでは、SLHの加盟ホテルがすでに実践している先進的なサステナビリティ施策や成功事例も紹介。SLHは、これらの知見を広く共有することで、加盟ホテルのみならず、ラグジュアリーブティックホテル業界全体を牽引し、持続可能な旅の未来を形づくるパイオニアとしての役割を果たすことを目指しています。
SLHは創業以来、持続可能性を重視し「小規模で地域や文化、自然環境に思いやりを持った滞在」を提案し、家族経営の独立系ブティックホテルをサポートしてきました。こうした姿勢の一環として、2021年10月にローンチした「Considerate Collection(思いやりのあるコレクション)」(*2)は、環境への配慮(Environmentally Conscious)、地域社会とのつながり(Community Minded)、文化の継承(Cultural Custodians)の3つを柱とし、SLH独自の基準に基づき、サステナビリティに積極的に取り組むホテルを集めたコレクションです。小規模なホテル一軒一軒の取り組みを可視化し、共有することで、ホテル同士が互いに学び合い、より大きなインパクトを生み出すことを目的としています。
過去1年間で新たに24ホテルが、当コレクションに加わり、現在世界40か国以上にわたる82ホテルが参加しています。参加ホテルのひとつ、コスタリカにある家族経営のブティック風バンガロー「リオ パーディド」では、カーボンポジティブな運営のもと、地熱・風力・水力・太陽光の4種の再生可能エネルギーを活用。地域の生態系と調和しながら、CO₂排出以上の吸収・削減を目指す取り組みを実践しており、過去12年間で1,500エーカーの敷地のうち30%を再森林化し、約50万本の樹木を植樹しました。個々のブティックホテルの努力が、SLH全体としての持続可能性の推進につながり、世界規模での環境・地域・文化保護に貢献しています。
SLHの最高執行責任者(COO)、リチャード・ハイド(Richard Hyde)は、次のように述べています。「このCall-to-Actionレポートは、SLHが長年掲げてきた持続可能性とラグジュアリーブティックホテルへのコミットメントを示すものです。旅行者に、目的意識と誠意をもって世界を探索することを促してきたSLHとして、35周年を迎える今、加盟ホテルと共にブティックホテル業界全体でより多くの取り組みを推進する道筋を示しています。」
SLHに加盟するホテルの平均客室数は約50室と小規模であるため、地域文化や自然環境を大切にしながら、「小さいからこそできる行動」を多く実践しています。SLHは、世界中の多様な視点が集まるネットワークであり、異なる価値観が交わることで持続可能な未来を考える力を生み出します。サステナビリティは単なる義務ではなく、地域環境を尊重し、“人々と地球のためにより良い選択をしたい”という真摯な姿勢から生まれるものです。アイデアを生み出すのは企業ではなく、そこで働く「人」です。SLHはこの考え方を広げ、「意図」と「行動」のギャップをなくし、誰もが持続可能性を推進できるようサポートしています。今後も、ネットワークに集う“未来を変える力を持つ人々”と共に、サステナブルなホスピタリティを促進し、業界のベンチマークとなることを目指して取り組んでいきます。
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■「Considerate Collection(思いやりのあるコレクション)」ホテルのサステナビリティ実践例
(1) 環境への配慮
リオ パーディド(Rio Perdido)
コスタリカ・バガセス、家族経営のブティック風バンガローである当ホテルは、カーボンポジティブな運営のもと、地熱・風力・水力・太陽光の4種の再生可能エネルギーを活用しています。地域の生態系と調和しながら、CO₂排出以上の吸収・削減を目指す取り組みを実践。過去12年間で1,500エーカーの敷地のうち30%を再森林化、約50万本の樹木を植樹しました。
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ヴァルサナ・ホテル・アローザ(Valsana Hotel Arosa)
スイス・アローザにある当ホテルは、完全にカーボンニュートラルかつプラスチックフリーを実現しています。冷暖房は革新的なアイスバッテリー(氷を使ってエネルギーを蓄え、冷暖房や空調に活用するシステム)で賄われており、この最先端の温度変換システムは高度な熱回収システムと組み合わされているため、化石燃料を一切使用せずに自給自足で運営されています。
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ブライデンバッハー・ホーフ(Breidenbacher Hof)
ドイツ・デュッセルドルフ中心部に位置する都市型ホテルでありながら、地域調達を優先し、EarthCheck(*3)のゴールド認証を取得しています。ゲストに周辺地域の魅力を体験してもらうため、ホテルでは自家製ジンや自家農場の乳牛からの新鮮なミルクを提供しています。また、近隣の農場では野菜や果物を栽培し、地元産の蜂蜜も生産しています。
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(2)地域社会へのつながりと貢献
サンディ・プレア(Sundy Praia)
当ホテルは、プリンシペ島北端に位置し「アフリカのガラパゴス」とも呼ばれる豊かな野生生物で知られるジャングルが広がるユネスコ生物圏保護区内にあります。15棟のテントヴィラのエコロッジで、デザイン上「目立たない存在」であることを重視し、人と環境の両方に配慮したサステナブルな運営を行っています。スタッフの93%が島出身であり、地元住民へのトレーニング提供を通じて、島の持続可能な発展に貢献しています。
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アークティック・バス(Arctic Bath)
スウェーデン・ラップランドにある当ホテルは、建築的に印象的なキャビンが自然環境に溶け込むように配置されています。ホテルは地元サーミ人と深く関わり、自然を尊重しながら、自然と共に生きるライフスタイルの価値を伝えることを大切にしています。ゲスト体験ではサーミ人のガイドと共に、冬にはラーヴー(伝統的なテント)でムーリック(北欧の古代の焚き火台)を使った伝統料理を提供するなど、北欧最後の手つかずの自然を体感できるプログラムを用意しています。
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アミラ・モルディブ・リゾート・アンド・レジデンス(Amilla Maldives)
モルディブにあるアミラ・モルディブは、ラグジュアリー旅行の新たな可能性を切り拓くプライベートアイランドです。SLHのパートナーであるIncluCare(*4)と協力し、スタイリッシュなスイートは車椅子利用者によるテストを経て改装され、フロントスタッフの100%がインクルーシブ・ホスピタリティ研修を受講しています。環境への配慮と地元オーナーシップを兼ね備え、地域における持続可能性のモデルケースとなっています。
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(3)文化の継承と保護
ダル・アラム(Dar Ahlam)
モロッコ・ワルザザート近郊に位置する、「ダル・アラム(Dar Ahlam=夢の家)」は、地域における再生型ホスピタリティの推進に取り組んでいます。地域コミュニティや自然生態系を対象とした再生型プロジェクトを展開しており、「フードラボ」などの取り組みは現地で自主的に運営され、宿泊客にとって特別な体験となっています。
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ブータン・スピリット・サンクチュアリ(Bhutan Spirit Sanctuary)
ブータン・ネイフ渓谷にある当ホテルは、地域の若者に雇用や研修の機会を提供する重要な拠点となっています。さらに、家族に受け継がれてきた知識を世代間で共有し、土地の守り手(カストディアン)が失われないよう支援しています。
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■2027年までに、全加盟ホテルが満たすべき「10つのサステナビリティ基準」を導入(*1)
SLHは、「Considerate Collection(思いやりのあるコレクション)」を先導役として、2027年までに世界90ヶ国以上、650軒を超える全加盟ホテルが満たすべき「10のサステナビリティ基準」を策定しました。対象は、水・エネルギー効率、DEAI(多様性・公平性・包括性・帰属意識)、地産地消・社会・環境に配慮した調達などで、ホテルが持続可能性を推進するための包括的なガイドラインを提供します。この基準は2025年に導入され、2027年までに全ホテルが順守する予定です。
10項目の詳細は以下の通りです。
1. エネルギー効率(Energy Efficiency):再生可能エネルギー利用、断熱、スマート空調など
2. 水の効率化(Water Efficiency):節水機器、雨水再利用、漏水管理
3. 廃棄物管理(Waste):食品廃棄削減、リサイクル、有機資源の循環利用
4. 使い捨てプラスチック禁止(No Single-Use Plastic):使い捨てプラスチックの廃止、補充式ディスペンサー導入
5. リネンプログラム(Linen Programme):環境負荷の少ないリネン管理、チャリティ寄付
6. サステナブルなメニュー(Responsible Menus):MSC認証、地元産・季節食材などの推奨
7. 倫理性・環境負荷に配慮した仕入れ(Local and Ethical Procurement):地産地消の優先、社会・環境に配慮した調達
8. DEAI(多様性・公平性・包括性・インクルージョン):LGBTQIA+ トレーニング、従業員多様性の推進
9. チャリティ(Charities):地域社会の課題解決への支援
10. 地域文化の保護(Support of Local Culture):ワークショップ、伝統工芸の保護・支援、伝統文化の継承
■「Considerate Collection(思いやりのあるコレクション)とは(*2)
SLHでは、世界中の加盟ホテルの中から、それぞれのテーマにふさわしい宿を厳選し、「4つのコレクション」として紹介しており、その内のひとつが2021年10月に発足した「Considerate Collection(思いやりのあるコレクション)」です。当コレクションは、地域や環境に配慮し、サステナビリティに積極的に取り組むホテルを集め、ホテル同士が互いに学び合い、インパクトあるホテルの取り組みを広く紹介し、地域や文化の保護を後押しすることを目的としています。環境への配慮(Environmentally Conscious)、地域社会とのつながり(Community Minded)、文化の継承(Cultural Custodians)を3つの柱とし、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」および「グローバル・サステナブル・ツーリズム協議会(GSTC)」の枠組みに沿ったSLH独自のサステナビリティ基準において厳選したホテルが当コレクションに選ばれています。現在、世界40か国以上にわたる82ホテルが参加しています。
(*3) EarthCheckとは
旅行・観光分野における世界有数の科学的ベンチマーク、認証、アドバイザリー機関です。ホテルやリゾートなどの観光事業者向けに、科学的根拠に基づいた持続可能性認証プログラムを提供しています。
(*4) IncluCareとは
IncluCareは、身体的、感覚的、神経多様性のある旅行者のために、ホテルや観光業界の施設がアクセスしやすく、包括的であることを証明する認証プログラムです。これにより、ユーザーに優れたサービスを提供するための基準を提供します。
SLH加盟ホテルのご予約・お問い合わせ
スモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド 予約センター(日本語対応)
フリーダイヤル:0066-33-813-074
営業時間:月曜~金曜 9:00~18:00(土日・祝日休業)
公式ウェブサイト:https://www.slh.com
Small Luxury Hotels of the World™(スモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド)について

スモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド(SLH)は、世界90ヶ国以上、650軒を超える独立系ラグジュアリーブティックホテルが加盟する、世界有数のホテルブランドのグループです。世界中の独立心にあふれた旅行者が、独自の理念を持つラグジュアリーブティックホテルに泊まることのできるコミュニティとして確立しています。本質的な品格を備え、ゲストを温かく迎え入れるホテリエの運営する個性豊かなブティックホテルは、それぞれ、美しいロケーションやその地の持つ豊かな文化を活かし、心に残る特別な滞在体験をお届けします。高い品質とオリジナリティを保つため、独自の評価基準を用い、定期的に審査を実施しています。SLHは、一人ひとりが目的をもって世界を旅し、その土地ならではの価値を尊重し、未来へと受け継いでいく旅のあり方を目指しています。 ぜひ、私たちのコミュニティの一員になってください。
ロイヤリティプログラム 英語版:「SLH Club」
・公式ウェブサイト
・公式SNSアカウント
Instagram:https://www.instagram.com/smallluxuryhotels/
Instagram日本版:https://www.instagram.com/smallluxuryhotelsjapan/
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