お買いものアシスタント機能付きプリペイドカードサービスKAERU(かえる)、兵庫県加古川市、加古川市社会福祉協議会との実証実験の結果を公開
〜日常的な金銭管理支援に伴う利用者、担当者の負担軽減に期待〜
※実証実験開始時のプレスリリースはこちら:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000084783.html
- 実証実験の概要
今回の実証実験では、キャッシュレスサービス「KAERU」を使用することにより、支援を必要とする方のお買いもの時の不安軽減やキャッシュレス決済の利用促進とともに、支援専門職員等の業務負担の軽減が図られ、より多くの方への支援活動に時間を充てることができるようになるかを検証しました。
1、日常的金銭管理支援の課題
●日常的な金銭管理支援を必要とされる方にとっての課題
現在、日常的に金銭管理支援が必要な方は現金決済中心であり、「お金を何に使ったかわからない」、「どこに置いたかわからない」といった課題が顕在化しています。
さらに、今後、利用先店舗のキャッシュレス化が進むにつれ、キャッシュレス決済への抵抗感がより大きくなってしまい、お買いものがしづらいと感じられる方が増えてしまう懸念もあります。
●社会福祉協議会にとっての課題
超高齢社会の進行に伴い、日常的な金銭管理支援の利用者の増加が予想されます。一方で、社会福祉協議会をはじめとした支援者側には、支援できる範囲に限りがあります。また、社会福祉協議会のみの日常的な金銭管理支援を実施するとなれば過大な負担となる恐れが考えられます。
具体的な金銭管理支援の流れとして、支援専門職員が利用者へ生活費を届ける場合、事務所を出発してから金融機関へ寄り、利用者宅へ届け、事務所へ戻り支援内容の報告と記録をするといった流れを複数の利用者に行っています。
この場合、金融機関での出金に時間が取られてしまい、本来の利用者宅での見守り等に充てる時間の確保が困難となっている現実があります。
2、KAERU導入の背景
KAERUは国際ペイメントネットワークブランドMastercard®がついたプリペイドカードのため、全国の加盟店で利用することができます。
アシスタント機能には「紛失時の利用停止」や「利用履歴の記録」、「利用額の設定」等がついているため、利用者の方々の「財布を失くしてしまう」「何をいつ買ったか忘れてしまう」「使いすぎてしまう」といったお買いものにおける不安の軽減に寄与できると考えました。
加えてキャッシュレス決済を通じて、支援専門職員が利用者の支援活動に充てる時間を増やし、金融機関に出向く時間や手動での金銭記録といった時間的コストを削減できることも導入理由の1つです。
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実証実験内容
協力者の利用同意書を元に、KAERUがプリペイドカードを準備します。その後、加古川市社会福祉協議会より、協力者にカードを渡し、実際のお買いもので利用します。加古川市社会福祉協議会では、協力者のカード残高やお買いもの履歴を確認しました。なお、入金金額や1日の利用金額設定などは、加古川市社会福祉協議会の職員と協力者の間で取り決めし、協力者ごとに個別に設定しています。
協力者に、実際にカードでお買いものを楽しんでいただくまでが一連の流れです。
- 実証実験結果
実証実験を通じ、以下の3点が大きな結果です。
【安心して決済が可能】
2か月弱の実施期間中、多い方では28回、KAERUでのキャッシュレス決済を利用しました。
当初は「現金と違って簡単に決済ができる分、使いすぎに陥らないか」という声もありましたが、KAERUを通じて1日の上限利用額を把握し、使いすぎを防止することで、安心して決済をしていただくことができました。
【支出管理の改善】
1日の上限金額を設定し把握することで、金銭管理が必要な方の支出管理の改善が期待できます。
KAERUのプリペイドカード利用者の方からも「1日の上限金額に達すると決済ができなくなるため、上限金額を意識してお買いものができた」と感想をいただいています。
【社会福祉協議会職員の負担軽減】
協力者に現金を直接手渡す工程を省くことで、負担軽減につながる可能性があります。
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実証実験参加者の声
利用者5人中4人にヒアリングを実施し、全員が「満足」「やや満足」と回答しています。
【実際にいただいた意見】
・小銭を探さなくて良いところが便利だなと思った
・(プリペイドカード決済が)利用しやすかった
・最初クレジットを選択すること、スワイプすることに戸惑ったが、初回だけだった(当初は、連動したアプリの操作に戸惑ったがその後は問題なかった)
・支援者が一緒にいてくれたから、焦ることなく使うことができた
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今後の展望
今回は、金銭管理支援が必要な人がサポート機能のあるキャッシュレスサービスを利用することで、安心してお買いものを体験することができました。長期的には支援者の負担削減につながることからも、成年後見人等に対してもKAERUを活用していただく足がかりになりました。一方で、支援者が店舗でのカード利用をサポートする必要があり、病院や施設などへの利用拡大の面で課題も生じました。生じた課題も踏まえ、今回の結果を基に支援を受けられる方のキャッシュレス決済の利用促進、お買いもの時の不安軽減、支援専門職員等の業務負担の軽減につなげてまいります。
令和5年1月に厚生労働省が発表した「持続可能な権利擁護支援モデル事業」(※)では、「簡易な金銭管理等を通じ、地域生活における意思決定を支援する取組」がテーマとして掲げられています。
今後さらに進んでいくキャッシュレス社会において福祉の面でも推進していくことで、キャッシュレス決済が利用できないことによる社会生活への負担や、支援者の過度なサポートを必要としてしまう場合などの課題の抑止にもつながります。
KAERUはこれからも、誰もがお買いものを楽しみ続けられる世の中にできるよう、キャッシュレス決済による安心なお買いもの体験を提供してまいります。
(※)出典元: https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/001032340.pdf
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加古川市のスマートシティ構想について
加古川市では、デジタル技術の活用により、市民生活の質を高め、市民満足度の向上を図り、「誰もが豊かさを享受でき、幸せを実感できるまち加古川」を実現するため、2021年3月に「加古川市スマートシティ構想」を策定しました。
市のさまざまな課題について、市民と解決する「市民中心の課題解決型スマートシティ」を目指しています。
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実証実験を終えてみてのコメント
■兵庫県加古川市役所 企画部 政策企画課 十時崇充氏からのコメント
キャッシュレス決済の普及や支援者数の減少等に伴い日常的な金銭管理支援業務の負担が今後ますます大きくなることが予想される中、今回の「KAERU」を用いた実証実験を通じて、KAERU株式会社、加古川市社会福祉協議会及び加古川市等の関係者間で金銭管理支援業務にかかる課題認識を共有できたことが何よりも大きな成果であると考えています。
また、支援を受けられる方やそのご家族、支援者の皆様が安心してキャッシュレス決済サービスを利用するためには、実際に支援を受けられる方が買い物をするお店の皆様のご協力も必要不可欠だと再認識しました。
今回の実証実験の結果を踏まえ、今後も様々な関係者の皆様と協力しながら、支援が必要な方のキャッシュレス決済の利用促進、買い物時の不安軽減、支援専門職員等の業務負担の軽減等を図る仕組みを検討していきたいと感じました。
■兵庫県加古川市社会福祉協議会 高田大輔氏からのコメント
日常生活自立支援事業への導入にはまだまだ課題は多くありましたが、金銭管理のみの支援が必要な場合においては、生活保護利用者の支援や生活困窮者自立支援事業の家計改善支援事業での支援にも有効となると感じました。
あらたな金銭管理支援としては十分に活用できると感じられ、課題解決や普及により日常生活自立支援事業を利用しなくても金銭管理支援ができる新たな仕組みに思いました。
【「KAERU(かえる)」サービス概要】
アシスタント機能付きプリペイドカードサービス「KAERU(かえる)」リリース日:2022年5月1日
離れて暮らすご家族がサポートできる遠距離介護者向けの「KAERU」新機能リリース日:2023年2月14日
利用可能エリア:日本全国
自治体・社会福祉法人向けサービス紹介ページ:https://kaeru-inc.co.jp/services/team
ご本人向けサービス紹介ページ:https://kaeru-inc.co.jp/services/user
ご本人向けアプリ
iPhone版:https://apps.apple.com/jp/app/id1581774947
Android版 :https://play.google.com/store/apps/details?id=com.mimamoripay.trevi
ご家族向けサービス紹介ページ:https://kaeru-inc.co.jp/services/partner
ご家族向けアプリ
iPhone版:https://apps.apple.com/jp/app/id6443771320
Android版 :https://play.google.com/store/apps/details?id=com.kaeru.partner
【KAERU株式会社について】
KAERU株式会社は、超高齢社会におけるやさしい金融サービスの提供を通し、安心して歳を重ねられる社会の構築及び、誰もがお買いものを楽しみ続けられる世の中にすることを目指しております。
■サービス名「KAERU(かえる)」に込められた想い
社名にもなっているKAERUには、3つの意味を込めています。
・自由にものを『買える』
・利用者ご自身やお財布がちゃんとおうちに『帰る』
・加齢により認知機能が低下するとお買いものをできないと言われている常識を『変える』
【経営陣プロフィール】
■KAERU株式会社 代表取締役CEO 岡田知拓プロフィール
KAERU株式会社 代表取締役
新卒で決済ベンチャーの法人営業・事業開発を担当。海外に拠点を移してからは、東南アジアのスタートアップにジョイン。その後、日本に戻りLINE株式会社に入社。LINE Payサービスの立ち上げ初期から、戦略立案から個別のプロダクト企画など、広範にグロースに携わる。利用者にとって、より付加価値のあるペイメントサービスを創りたいと考え、福田とKAERU株式会社を創業。
■KAERU株式会社 取締役COO 福田 勝彦プロフィール
KAERU株式会社 取締役
公務員、ボストンコンサルティンググループ、株式会社ネットプロテクションズを経て、株式会社メルカリ/同メルペイの新規事業で、コールセンター、オペレーション部門立上げに、責任者として従事。立ち上げに関わったプロダクトは、メルカリ カウル、メルカリNow、メルペイなど多数。
【KAERU株式会社 会社概要】
社名 : KAERU株式会社
代表者:代表取締役 岡田知拓
所在地:東京都中央区日本橋兜町17番2号 兜町第6葉山ビル4階
設立 :2020年10月
事業内容:お買いものアシスタントプリカ「KAERU」の企画・運営
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