アスタチン創薬、日米共同でグローバル展開へ──Curadh MTR社との戦略的提携を発表、米国での開発が本格始動

〜米国アワードにも選出されるなど、アルファフュージョン・アスタチン創薬への国際的評価が拡大〜

アルファフュージョン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:藤岡直、以下「アルファフュージョン」)は、アスタチン-211(以下「At-211」)を用いた放射性医薬品の国際的な開発推進を目的として、米国Curadh MTR社(以下「Curadh」)との間で戦略的パートナーシップの締結を発表しました。両社は今後、米国での臨床開発を中核に、At-211を活用した治療薬の商業化を見据えた協業(ジョイントベンチャーの設立を含む)を計画しています。本件については、こちらのCuradhからのリリースも参照下さい。

Curadhは、革新的ながん治療薬「Pluvicto®」(2024年には$1.4 billionを売り上げ放射性医薬品の世界的普及を牽引している前立腺がん向け医薬品)の開発を主導してきた専門家らにより設立された企業であり、放射性医薬品の豊富な臨床開発経験を有します。Pluvicto®は、がん細胞に放射線をピンポイントで照射する新しい作用機序の治療薬として世界で導入が進んでいます。

 今回の提携は、At-211創薬に対する国際的な関心の高まりと、当社の実績・研究開発体制への評価を示すものといえます。

日本がリードし、世界的な注目が高まるAt-211研究が国際展開フェーズへ

At-211は、TAT(Targeted Alpha Therapy)において最も有望なα線放出核種の一つとして高く評価され、世界的にも注目されています。約7.2時間という中程度の半減期は、低分子、ペプチド、抗体フラグメントなどの短寿命キャリアと理想的な組み合わせであり、製剤から投与、腫瘍への集積に十分な時間を確保しながら、非標的組織への放射線被曝を最小限に抑えることが可能です。さらに、Ac-225やPb-212のように複雑な崩壊系列を持つ核種とは異なり、At-211は単一の高エネルギーα粒子を放出するシンプルな崩壊特性を有しており、安全性と治療効果のバランスにも優れています。こうした特性は、2025年6月にニューオーリンズで開催された米国核医学・分子イメージング学会(SNMMI)における複数のセッション・最新のレビュー論文※等でも紹介され高い期待を集めました。

At-211を主題とする学術論文数においても示されるように、At-211創薬研究は日本が世界をリードしており、今回の提携によって、そうした日本発の基礎研究が米国をはじめとするグローバル市場で実用化へと進む道が大きく開かれます。

 

 ※Radiotheranostic landscape: A review of clinical and preclinical development

国際学会における発表を通じ、提携の意義を両者が強調

※左から、渡部 直史(大阪大学大学院 医学系研究科 講師)、Alison Armour (Curadh MTR Inc., Chief Medical Officer)、藤岡 直、Glenn Kazo (Curadh MTR Inc., Chief Executive Officer)

 Curadhとの提携は、SNMMIの併設プログラムとして開催された世界アスタチン・コミュニティ会議(World Astatine Community Meeting)において発表され、At-211創薬における科学的・臨床的な観点の講演により、その可能性が示されました。大阪大学大学院医学系研究科 放射線統合医学講座の渡部直史 (医師・医学博士・FANMB)は、「大阪大学におけるアスタチン臨床試験の進捗報告」と題して治験責任医師としての成果を発表し、Curadhの創業者であり最高医療責任者(CMO)であるAlison Armour医師(MD, FRCP, FRCR)は、「分子標的型放射性医薬品の未来におけるアスタチンの重要性」と題して講演を行いました。

アルファフュージョン CEO 藤岡直のコメント:

「アルファフュージョンは、At-211のパイプライン研究開発を加速させるとともに、サイクロトロンおよびGMP製造を通じたグローバルでの供給体制の構築も合わせて推進してきました。放射性医薬品開発に深い専門性を持つCuradhとの戦略的パートナーシップにより、米国および世界市場への展開が大きく前進することを期待しています。」

 

Curadh CEOのグレン・カゾのコメント:

「アルファフュージョンの先進的なAt-211創薬基盤とファースト・イン・ヒューマン試験の実績は、次世代放射性医薬品分野における当社の競争力を一層強化するものです。At-211は、短半減期の特性を持つ唯一のハロゲン系α核種として、分子標的型がん治療において極めて有望な特性を備えています。」

 

国際的な評価の広がり:Innovation Showcase選出

一連の国際連携を含む当社の事業の進展は、スタンフォード大学と北カリフォルニア・ジャパン・ソサエティが共催する「2025 Japan–U.S. Innovation Awards」においても評価され、当社はInnovation Showcase企業の1社に選出されました。このプログラムは、グローバルなインパクトが期待される日本発スタートアップを対象とし、毎年最大5社を選出するものです。

2025 Japan–U.S. Innovation Awards 授賞式で登壇する藤岡

今回の提携および国際的な評価を通じて、At-211を用いた放射性医薬品の社会実装に向けた歩みをさらに加速させてまいります。

【アルファフュージョン株式会社について】

アルファフュージョン株式会社は、大阪大学および国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の研究成果に基づき、アスタチン創薬の実用化を目的として設立されました。急速に発展する標的α線核医学治療(Targeted Alpha Therapy)領域において、アスタチンが持つ治療ポテンシャルを最大限に引き出すことを使命としています。

※お問い合わせ先:https://alpha-fusion.com/contact-us/

 

【Curadh MTR, Inc.について】

Curadh MTR, Inc.は、新規ターゲットと革新的な放射性同位体の組み合わせによる次世代放射性医薬品の開発を目指し、革新的な創薬設計と戦略的パートナーシップを通じて事業を展開しています。世界をリードする放射性医薬品「Pluvicto®」の臨床開発を主導したAlison Armour医師によって設立され、MTR(分子標的放射性治療薬)分野における専門チームが経営を担っています。

※Curadhへのお問い合わせ先/米国メディア関係お問い合わせ先:

https://curadhmtr.com/contact/

 glenn.kazo@curadhmtr.com

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ビジネスカテゴリ
医薬・製薬
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会社概要

URL
-
業種
製造業
本社所在地
大阪府大阪市北区梅田2丁目5-13
電話番号
-
代表者名
藤岡直
上場
未上場
資本金
-
設立
2021年04月