ステラ・サイエンス・ファウンデーションとチャン・ザッカーバーグ・バイオハブ・ネットワークが日米の若手研究者向け奨学金プログラムを発足

内閣官房「グローバル・スタートアップ・キャンパス構想」を加速し、新たなイノベーション創出に向けて日米の若手研究者の交流を促進

2024年12月18日、一般社団法人STELLAR SCIENCE FOUNDATION(ステラ・サイエンス・ファウンデーション、所在地:東京都中央区、代表理事:武部貴則、以下「SS-F」)は、Chan Zuckerberg Biohub Network(チャン・ザッカーバーグ・バイオハブ・ネットワーク、所在地:カリフォルニア州サンフランシスコ、代表:Amy Herr、以下、「CZ Biohub Network」)と共同で、「Global Science Scholars ― SS-F&CZ Biohub Network プログラム (以下、本プログラム)」を開始し、日本と米国の若手研究者を対象に相互派遣を行います。本プログラムは、研究キャリアの初期段階にある研究者に、2年間のフェローシップ(奨学金)を提供し、イノベーション創出を促進する研究環境をサポートするものです。

【プログラム概要】

 本プログラムは、内閣官房「グローバル・スタートアップ・キャンパス構想」を促進する施策の一つとして、また、内閣府「スタートアップ・エコステムの強化に向けたフェローシップ事業関連調査」の一環として、SS-FとCZ Biohub Networkの協力により実施される共同事業です(※1)。この取組を通じて、研究開発を基にしたスタートアップの創出と育成を目指すエコシステムを強化することを目的としています。そのため、フェローシップに採用される研究者は、日本と米国において選定された世界トップレベルの研究機関の間での研究交流を通じて、社会実装に繋がりうる優れた研究の促進に貢献する意欲を有することが求められています。

 SS-Fは、分野を超えた研究交流を通じて、新しい発見や発明が生まれるエコシステムの構築を目指す日本発の団体です。CZ Biohub Networkは、マーク・ザッカーバーグ氏とプリシラ・チャン氏が設立した非営利研究機関で、世界規模の科学的課題に取り組んでいます。この両者のパートナーシップを通じて、次世代を担う研究者たちが革新的な研究に取り組むための環境を提供し、グローバルなイノベーションとコミュニティの創出を後押しします。

 本プログラムでは、日本と米国の若手研究者を対象(※2)に、最長2年間にわたり、両国の研究室への派遣と年間約1,000万円の奨学金(※3)を通じて、国際的な研究交流の場と、新たなイノベーションを生み出す素地となる環境を提供いたします(※4)。


 
日本と米国双方に派遣される研究者は、世界的にもトップクラスの研究室に在籍し、研究活動に従事します。これらの派遣先では、メンターシップやネットワーキングの機会が提供され、グローバルな視点での知見交流や新たなネットワーク構築も可能となります。

<図: 相互派遣のイメージ>

※1 本プログラムは、研究開発を基にしたスタートアップの創出と育成を目指すエコシステムを強化することを目的とする内閣官房「グローバル・スタートアップ・キャンパス構想」を促進する施策の一つとして、内閣府の「スタートアップ・エコシステムの強化に向けたフェローシップ事業関連調査」に基づき実施されます。SS-Fは、本プロジェクトを担当するアークコミュニケーションズの事業実施パートナーとして、本プログラムの企画・運営・実施を行っています。詳細については、「スタートアップ・エコシステムの強化に向けたフェローシップ事業」をご参照ください。

※2 本プログラムには、日本から米国の研究室への派遣フェローシップと、米国から日本の研究室への派遣フェローシップの2種類のフェローシップがあり、フェローシップの種類に応じて応募資格要件が異なります。詳しくは、「Global Science Scholars Request For Applications」をご確認ください。

※3 1年間の奨学金額は、それぞれのプログラムにおいて、次のとおり予定しています。日本から米国に派遣される若手研究者の奨学金額:年間75,000米ドル(約1,125万円(※150円/1ドルレートで換算))、米国から日本に派遣される若手研究者の奨学金額:年間960万円。また、奨学金のほか、必要に応じて渡航費手当も支給予定です。詳細については、「Global Science Scholars Request For Applications」をご確認ください。

※4 令和7年度分の支援は令和7年度の予算成立を前提にしており、予算の状況次第で支援内容の変更等の予定変更があり得ます。予めご了承ください。

【プログラム実施の背景】

 地球規模の課題を解決するようなイノベーションには、その手前にある「発明」や「発見」が不可欠です。そして、これを促進するためには、一国に留まらないグローバルな研究者同士の交流が重要な鍵となります。特に、若手研究者がキャリアの初期段階で、異なる国や分野の知見を取り入れながら、十分な資金や時間、そして革新的な研究環境にアクセスできることが、日米双方において求められています。


 
特に、日本においては、海外から日本の研究機関に中長期受け入れる研究者数、日本から海外の研究機関に派遣される研究者数のどちらもが減少しており(※5)、国際的な研究交流の減少が課題となっています。

【プログラムが提供する機会】

 このような背景を踏まえ、SS-FとCZ Biohub Networkが提携する本プログラムは、若手研究者が研究に専念できる環境と、異分野の研究者との交流を通じて新たな発見・発明を促進する機会を提供します。本プログラムでは、日米双方の若手研究者を対象に、年間約1,000万円の支援を行います。

 

 さらに、日米のトップクラスの研究室での研究機会を通じて、優れたメンターからの指導や、セミナー、異分野の専門家との交流、共同研究の機会を数多く提供します。これにより、従来の枠を超えた斬新なアイデアが次々と生まれる環境を整え、若手研究者がグローバルな舞台での活躍を実現できるようサポートしていきます。


 
このような国際的な研究環境で得られた知見やネットワークは、持続的にイノベーションを生み出す基盤となると考えています。本プログラムは、若手研究者が挑戦的な研究を行うための最適な機会と環境の提供を通じて、研究者個人の成長だけでなく、国際的な研究交流の深化、日米の科学技術の発展、そして世界を変えるようなイノベーションの創出に貢献することを目指します。

※5 海外から日本への中・長期(1か月(30日)を超える期間)の受入研究者数については、近年概ね同水準で推移していましたが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて令和2年度に大きく減少し、令和 3 年度以降も引き続き低水準にあります。また、日本から海外への派遣研究者数(総数)についても、平成12年ピークに減少、その後平成19年以降停滞、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて令和2年以降再度減少しています(出典:文部科学省「国際研究交流の概況(令和3年度の状況)の調査結果」 https://www.mext.go.jp/content/20230531-mxt_kagkoku-000236327_1.pdf)。取り分け、研究キャリアの初期に位置付けられるポスドク・特別研究員での減少割合が大きくなっています(出典「令和4年版科学技術・イノベーション白書 本文(HTML版) :第1-1-38図」https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/hpaa202201/1421221_00005.html )。

【プログラムの特徴】

(注)日本から米国の研究室への派遣フェローシップに採択された研究者の場合

  • 奨学金(※6)の提供: 採択された研究者に対し、年間75,000米ドル(の奨学金が最長2年間提供され、挑戦的な研究テーマに取り組む環境を支援します。

※6 研究費は含まれておりません。奨学金の他、渡航・転居手当も年間最大5,000米ドルを上限に支給されます。詳細については、「Global Science Scholars Request For Applications」をご確認ください。

  • CZ Biohub Networkの研究室への配属: 日本から米国へ派遣される研究者は、CZ Biohub Networkが提携する世界トップレベル(※7)の大学の研究室に所属し、メンターによる指導や、グローバルな研究者ネットワークへのアクセスが提供されます。

※7 CZ Biohub Networkの提携する9校の大学研究機関(スタンフォード大学、カルフォルニア大学バークレー校、カリフォルニア大学サンフランシスコ校、シカゴ大学、ノースウェスタン大学、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校、コロンビア大学、ロックフェラー大学、イェール大学)のうち、5校(スタンフォード大学、カルフォルニア大学バークレー校、イェール大学、シカゴ大学、コロンビア大学)が世界大学ランキングTOP20位以内(https://www.timeshighereducation.com/world-university-rankings/2024/world-ranking#

【プログラムスケジュール】

 記載されている日時はすべて太平洋標準時間(PST)です。詳細は応募サイトで確認してください。

  • 書類応募期間    2024年12月17日(火)〜2025年5月27日(火)

  • 書類提出締切り   2025年5月27日(火)午後3時まで

  • プログラム派遣   採用者決定次第随時派遣

提出された応募書類は、毎月の最終火曜日午後3時(太平洋標準時間)に回収され、審査対象となります。(第1次締切: 2025年1月28日、第2次締切:2月25日、第3次締切: 3月25日、第4次締切: 4月29日、最終締切: 5月27日)

重要: 応募は随時審査となります。2025年5月27日の最終締切前にすべての採用者が決定する可能性があることにご留意ください。全ての採用者が最終締切前に決定された場合、応募ポータルは閉鎖され、それ以降の応募は受け付けられません。そのため、応募者は計画的に行動し、応募期間の早い段階で提出することを強く推奨します。

【コメント】

Chan Zuckerberg Initiative(CZI) 科学部門責任者(Head of Science)Steve Quake, D.Phil.

科学は国際的な取組であり、国を越えた人々やアイデアの交流こそが、科学的課題を解決する鍵です。健康や疾患の細胞メカニズムを真に理解するためには、多国籍の協力が不可欠であり、その中で、米国と日本の優れた科学的人材が連携することは、細胞の謎の解明に向けた大きな一歩となるでしょう。この新しいフェローシップを通じて、Chan Zuckerberg Biohub Networkが日本のグローバル・スタートアップ・キャンパス構想の一翼を担い、日本の素晴らしい大学の潜在力を、CZIの世界トップレベルの協力機関や起業家精神に富んだ教員陣とともに活用できることを大変うれしく思っています。

SS-F 創業者/ 代表理事 武部 貴則

私は幸運にも28歳の時に、米国で独立の機会を得ました。その際に痛感したのは、信頼のある人と人との相互作用を通じて、萌芽的な研究により深みや豊かさが出てくるということです。シニアメンターや、組織の壁を超えた人々との出会い、さらには、ラボの研究員たちも、風通し良く内外で連携・交流することを通して、個々のもつ独創的な発想や着想が、着実なプロジェクトへと昇華していく姿を幾度となく目の当たりにしてきました。
 
今回、SS-FとCZ Biohub Networkが立ち上げるこの新しい奨学金プログラムは、未来を切り開こうとしている日米の先進的な若手研究者たちが起点となり、優れた人びととのネットワーク(「People-Centric」)を駆使することで、さらなる飛躍の機会を提供することを目指しています。ホスト研究室の強みや、様々なコミュニティイベントでの出会いを通じ、個の研究者のユニークな視点や技術が最大限引き出され、革命的な研究の大きな進展が加速されることを願っています。本プログラムを通じて、独創的な若手の研究者たちが、予想もしないような発展と成長の機会に恵まれることを心から期待しています。

Global Science Scholarsの設立背景や求めている人材について、より詳しく知りたい方は、Steve Quake(CZI科学部門責任者(Head of Science))、Amy.E.Herr(CZ Biohub Network 副代表(Vice President))、武部貴則(SS-F創業者/ 代表理事)のインタビュー記事をご覧ください。

【Global Science Scholarsプログラム発足記念イベント開催】

本プログラムの発足を記念して、CZIの 科学部門責任者であるSteve Quake博士と、東京大学医科学研究所の西村 栄美教授の基調講演を含むイベントを開催いたします。本プログラムへの応募を検討されている方については、現地会場での参加が可能です。詳細はイベントページよりご確認ください。

【ステラ・サイエンス・ファウンデーション(SS-F)について】

一般社団法人STELLAR SCIENCE FOUNDATION(SS-F)は、サイエンスを担う人々の力に注目し、破壊的な発見・発明の持続的創出を促す仕組みの構築を目指す日本発の団体です。日本の科学研究の振興を、科学者の自由な研究活動を支援し、世界を変える発見・発明を生み出すことで実現し、社会に貢献したいと考えています。SS-Fは、「People-Centric(人から生まれ、人とつながり、人で広がる)」の理念に基づき、個々の研究者同士が企業や組織、研究分野を越えて、連携や交流ができるエコシステムを構築し、新たな発見や研究を次々に生み出すことを目指して活動しています。

WEBサイト: https://ss-f.org/

【Chan Zuckerberg Biohub Network(CZ Biohub Network)について】

CZ Biohub Network は、科学者、エンジニア、医師を結集し、10年から15年の時間軸で壮大な科学的課題に取り組むことを目的とした非営利の研究機関グループです。このネットワークは、疾患の根本的なメカニズムの理解と、実用的な診断技術や効果的な治療法をもたらす新しい技術の開発に焦点を当てています。

WEBサイト: https://www.czbiohub.org

【Chan Zuckerberg Initiative(CZI)について】

Chan Zuckerberg Initiative (CZI)は、2015年に設立され、疾病の撲滅や教育の向上、地域社会の課題への対応など、社会が直面する最も困難な課題の解決を目指しています。協力や資源の提供、技術の構築を通じて、全ての人々にとってより包括的で、公正で、健康的な未来を築くことを使命としています。

WEBサイト: https://chanzuckerberg.com

【株式会社アークコミュニケーションズについて】

Communicate Locally, Market Globallyをビジョンに掲げ、人材ビジネス、翻訳・通訳、Web企画制作サービスを通して、グローバルなビジネスを加速します。グローバルなプロフェッショナル人材を支援する人材サービス。全ての言語でネイティブ翻訳を基本とした高品質の翻訳サービス。コーポレートサイト企画制作、グローバルサイトのエキスパートであるWeb&クロスメディア事業。この3つの事業を柱に、お客様の思いや本質が伝わる良質なコミュニケーションサービスをご提供します。

WEBサイト: https://www.arc-c.jp/


<Global Science Scholars ― SS-F&CZ Biohub Network プログラム 募集ポスター>

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会社概要

URL
https://ss-f.org/
業種
情報通信
本社所在地
東京都中央区日本橋本町2丁目3−11 日本橋ライフサイエンスビルディング5階
電話番号
03-6824-6660
代表者名
武部貴則
上場
未上場
資本金
-
設立
2021年12月