移動手段×交流イベントで町内交流を活性化 東伊豆町伊豆稲取駅3キロ圏でのオンデマンド交通実験の結果について
乗客数297と目標水準に到達 交流イベントとの相乗効果も確認
本実験の結果ですが、57日間の乗客数は297名(1日平均5.2名)であり、実験前に掲げた目標値300名をほぼクリアしました。利用割合は、地元利用が46%、観光客・ビジネス客など町外利用が54%という結果でした。地元利用の3割強は、停留所として設定した「エンゼルリゾート伊豆稲取」等に居住する移住者で、リピート率も高く、マイカーを持たない移住者の移動需要や、地縁がないことでの交流需要の高さを窺い知ることができました。起伏ある地形ゆえ、移動制約を抱えていた地元高齢者のリピーターも獲得でき、「買い物や外出の足としてありがたい、継続して運行してほしい」という声や、「停留所が自宅近くにあれば利用したかった」といった前向きな意見も寄せられました。
本実験では、町民の半数が登録する「東伊豆町LINE」内から直接配車予約が行えるほか、電話予約も受け付けました。全体の7割強がLINE経由での予約であり、シニア層の予約数も少なからずありました。世代を問わないLINEの浸透率を改めて認識しました。また本実験期間中に、「東伊豆町LINE」の登録者が約200名増えるなど、役場職員の減少傾向を受けた行政DX化の素地を作ることにも貢献しました。
本実験では、移動手段に加え、約40本の交流イベントを実施することで、コロナ禍で急減した外出機会と交流機会を復活させ、町内の活性化を目指しました。オンデマンド交通を利用して交流イベントに参加するなど、移動手段と交流イベントの相乗効果は総じて確認できました。特に、旧稲取幼稚園で実施した「移住者による英会話カフェ」や「スマホ教室」は、早々に定員数に達するなど好評で、町民からの強い要望により、実験終了後も継続開催されることとなりました。本実験は、町民への新たな交流機会の提供という点でも足跡を残しました。
一方で、町民の生活行動に寄り添った新たな停留所の設置、予約アプリの機能性、駅を活用した観光客のさらなる取り組みなど改善点も多く見つかりました。本実験で得られた知見や課題を踏まえた今後の展開については、東伊豆町が検討した上で、改めて発表する予定です。
【別紙】
■本実験の概要
〇場所: 静岡県賀茂郡東伊豆町 (伊豆稲取駅3キロ圏内の停留所36か所)
〇期間: 2023年11月1日(水)~12月27日(水) ※運行時間10~13時15分、14~17時
〇主催: 東伊豆町、合同会社うさぎ企画
〇協力: 株式会社東海バス(オンデマンド交通の運行委託)
〇後援: 株式会社伊豆新聞本社
〇車両: 10人乗りワゴン1台 名称:「INAZUMA_SHUTTLE」
〇料金: 1日乗り放題600円
〇メインターゲット:観光客、ビジネス客、自らの経験を街づくりに活かしたい移住者
〇交流イベント:(当初予定)
https://prtimes.jp/a/?f=d100976-13-02c3ed904faceba30f279ff91fcf893d.pdf
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