Peace ENJIN、分断の時代に向けた「ピースフル・リーダーシップ行動指針」を発表
当事者性を軸に、個人の内面から始まり、目の前の人との対話、そして、具体的なアクションを通じて社会を変え、対立を乗り越えるためのリーダーシップを言語化
Peace ENJIN実行委員会は、分断を深める社会・世界において、一人ひとりが当事者として平和を生み出していくための指針として、「ピースフル・リーダーシップ行動指針」を、2025年12月25日に発表しました。

本行動指針は、「心のあり方」「他者とのコミュニケーション」「社会へのアクション」という3つの側面から、個人が日常の中で実践できる「平和へのアプローチ」を示しています。他責ではなく当事者性をもったミクロな視点を起点に、個人が自らボトムアップで変化を起こし、価値観の違いや対立を超えてよりよい未来を創るためのリーダーシップのあり方を、具体的な行動レベルで言語化したものです。
Peace ENJIN実行委員会は、この行動指針を単なる理念にとどめるのではなく、今後のプログラムや実践の軸として活用するとともに、参加者一人ひとりがそれぞれの現場や日常の中で行動に移していくための共通の指針として広げていくことを目指しています。
■行動指針策定の背景

Peace ENJINは、「平和」や「分断」といったテーマを、理念やスローガンとして掲げるのではなく、日常の選択や関わり方の中で、誰もが実践できるものとして捉え直すことを目的に活動してきました。その中で浮かび上がってきたのが、「社会を変えようとする前に、私たち一人ひとりは、どのような心の状態で、どのように他者と向き合い、どんな行動を選んでいるのか」という問いでした。
この問いに向き合い続ける中で、平和をつくるためのリーダーシップは、特別な立場の人だけのものではなく、すべての人が日常の中で発揮できるものであるという考えに至りました。その考えを、誰もが共有し、実践に移すための共通言語としてまとめたのが、今回発表する「ピースフル・リーダーシップ行動指針」です。
本行動指針は、ボーダレス・ジャパン主催、社会課題の解決に挑む起業家や専門家、大企業のリーダーが集い、未来を共創する完全招待制の合宿型イベント「ENJIN 2024」、「ENJIN 22025」における議論を経て、2025年10月に広島市で開催された合宿型プログラム「Peace ENJIN 2025 in 広島」にて最終案として取りまとめられました。被爆地・広島という場所性も踏まえながら、社会起業家、NPO関係者、企業人など、立場や価値観の異なる参加者が集い、
・正しさがぶつかり合うとき、私たちはどう振る舞えるのか
・対立の中で、対話を続けるとはどういうことか
・平和は、どんな行動の積み重ねから生まれるのか
といった問いについて、時間をかけて対話を重ねました。そのプロセスの中で得られた気づきや共通認識をもとに、Peace ENJIN実行委員会として内容を整理・体系化し、今回の行動指針として発表するに至りました。

■ピースフル・リーダーシップ行動指針
【ピースフル・リーダーシップとは】
分断を深める社会・世界において、アントレプレナーシップを持った個人が、他責ではなく当事者性をもったミクロを起点とするアプローチで、自らボトムアップで変化を起こし価値観の違いや対立を超えてよりよい未来を創るためのリーダーシップ
【ピースフル・リーダーシップ行動指針】
<心を平和にする:Peaceful Mind>
・自分の心の平和から社会の平和を始めよう。
・できる限り笑顔で、自ら機嫌よくあろう。
・自分の中にある感情や大切にしたいことを認め、他者にもそれがあることを認めよう。
・他者を想い、他者に感謝し、他者を許し、他者のために祈ろう。
・自分と社会と地球とが共にあるという感覚を持ち、自然に対する畏敬の念を持とう。
<コミュニケーションを平和にする:Peaceful Communication>
・周囲の人に感謝を伝えよう。
・他者の意見を聞き、否定せず、理解し、対話して、自他の意見・価値観の違いを楽しもう。
・発言・発信をする前に、別の視点や反対の考え方、別の「正義」はないか一旦考えてみよう。
・感情的に対立した時には、ネガティブな感情の連鎖を自ら断ち切ろう。
・対立する見解を理解し、共通点に目を向け、未来に繋がるアイディアを出そう。
<アクションで平和にする:Peaceful Action>
・最も困難な状況にある人達の声を聞こう。
・歴史を複眼的に学ぼう。
・社会・世界の課題について複眼視点と中庸の精神を持った意見を積極的に発信しよう。
・世界と交わり、次世代が世界と交わる機会を創ろう。
・ピースフル・リーダーシップを積極的に周囲に伝え、周囲を巻き込み、小さくても何か具体的な未来のためのアクションを継続的に実行しよう。
■行動指針への賛同
本行動指針の趣旨に賛同し、共に実践していきたいと考える個人・団体の皆さまには、下記フォームより賛同の意思を表明いただけます。
https://forms.gle/Q9WyZ6d1W1xwZkwc6
Peace ENJINは、本行動指針を起点に、分野や立場を超えた実践者のネットワークを広げていくことを目指しています。
・noteでも全文を公開しています
https://note.com/peaceenjin/n/nc88d9e71f481
・PodcastでもPeace ENJINについて話しています
https://open.spotify.com/episode/5FOICitqO0TS4rjMJtjnjF?si=1BMnzzcVT8GRcd7W49G4aQ

なお、本行動指針は、完成形として固定されるものではありません。Peace ENJINでは、今後の対話や実践の積み重ねを通じて得られた気づきや学びをもとに、必要に応じて内容を見直し、アップデートしていくことを前提としています。
■具体的なアクション・プロジェクト
「Peace ENJIN 2025 in 広島」では、行動指針を具体的なアクションに結び付けていくためのアイディアを議論し、以下のプロジェクトが生まれました。
①ピースフル・リーダーシップの事例を集めて、ノウハウを抽出して出版するプロジェクト
②次世代向けにピースフル・リーダーシップを伝えるプロジェクト
③次世代が海外に出て世界の人々と交わり、社会課題解決を体験するための機会を創るプロジェクト
④各地で平和に具体的に取り組んでいる人々を巡る「ピースマスター」ツアー
⑤平和に関する演劇を創り、ピースフル・アクションを表現するプロジェクト
⑥ピースフル・リーダーシップを推進する企業や団体のコミュニティを創るプロジェクト
■ ミチシルベ2026(2026年2月)
2026年2月には、沖縄の歴史や文化を体感しながら、これからの社会や平和のあり方を考えるイベント「ミチシルベ2026」とのコラボレーション企画を予定しています。
「ミチシルベ2026」では、沖縄という土地が持つ歴史的背景や文化に触れながら、参加者一人ひとりが自らの立ち位置や価値観と向き合い、「これから何を選び、どう行動していくのか」を問い直す場を創出します。Peace ENJINは、本イベントを、今回発表した「ピースフル・リーダーシップ行動指針」を実践へと落とし込むための重要な機会と位置づけています。
具体的には、「Peace ENJIN 2025 in 広島」でのワークショップを通じて議論してきた内容をもとに、ピースマスターツアーの開催や、演劇を通じた平和表現など、体験型・表現型のプログラムを通じて、行動指針をそれぞれの言葉や行動としてアウトプットしていく予定です。
Peace ENJIN実行委員会は今後も、対話・実践・内省を往復しながら、個人の内面から社会へと広がっていく「平和をつくるリーダーシップ」を、継続的に社会に実装していきます。
<ミチシルベ2026> https://michishirube.okinawa/
2025年、はじめて開催したミチシルベは、「株式会社沖縄県」を共につくる仲間たち(島ラブ)が、世代・セクター・地域を越えて集う年に一度の総会であり、感謝祭のような一日となりました。2026年は、その第2章。懐かしい顔ぶれと再会する同窓会のような一日であり、同時に、新しい出会いが自然に生まれる場。ここから始まる一年を、ともに描き、ともに動き出すためのキックオフとしての時間を、より大切にしていきます。
開催日:2026年2月11日(水)〜16日(月)
会場:沖縄国際大学キャンパス(宜野湾市)他
・2/11(水)–12(木)《島旅》
伝統と文化にふれる 特別な八重山旅(石垣島・黒島)
・2/13(金)《ひらく日》
フィールドプログラム/対話・体験/前夜祭
・2/14(土)《響きあう日》
ミチシルベ2026 本編
• 2/15(日)《深める日》
フィールドプログラム/対話・体験
申込み:https://michishirube-2026.peatix.com/
<ミチシルベ2026 × Peace ENJINイニシアチブイベント>
・2/15 (日) 10:00-13:00
演劇ワークショップ「平和への対話と表現」
・2/15 (日) 11:00-14:00
沖縄のピースマスターに会いに行く旅 〜上地正子さん(命の薬 のあの土)〜
申込み:https://forms.gle/jNeUTVcLi7i8xfoK8
■これまでの活動(参考)
・2024年6月、ボーダレス・ジャパン主催、社会課題の解決に挑む起業家や専門家、大企業のリーダーが集い、未来を共創する完全招待制の合宿型イベント「ENJIN 2024」(千葉県)のワークショップにて「Peace ENJIN」プロジェクト発足
・2025年2月、沖縄の歴史や文化を体感しながら、未来を考えるイベント「ミチシルベ2025」(沖縄県)にて、トークセッション「ピースフル・リーダーシップ〜未来を整える日本人のリーダーシップ〜」を実施
・2025年5月、世界のヤングリーダーが集う国際フォーラム「Nagasaki Peace-preneur Forum」(長崎県)にて、「ピースフル・リーダーシップの実践」ワークショップ開催
・2025年5月、ボーダレス・ジャパン主催「ENJIN 2025」(千葉県)にて、「ピースフル・リーダーシップ」行動指針策定ワークショップ実施
・2025年8月、平和の実現に向けて動き出す高校生のための探求・実践プログラム「SHIP2025」のキックオフ研修会(広島県)にて、「ピースフル・リーダーシップの実践」ワークショップ開催
・2025年8月、 2025年大阪・関西万博「平和と人権」テーマウィークプログラムの一環として開催された対話プログラム『ピースフル・リーダーシップ:世界のユースリーダーと共に考える平和な未来を導く方法」の中で、ピースフル・リーダーシップのワークショップが開催された
・2025年10月、「Peace ENJIN 2025 in 広島」を開催
平和祈念資料館の見学、平和公園ガイドツアーへの参加、ピースフル・リーダーシップ行動指針の紹介&ワークショップ、ピースフル・アクション宣言を実施
■ Peace ENJINについて
PEACE ENJINは、分断を深める社会・世界において、一人ひとりが当事者として平和を生み出していくことを目指す実践型の取り組みです。対立や分断を「誰かの問題」として捉えるのではなく、個人の内面・関係性・行動のあり方から社会を変えていくことを重視しています。PEACE ENJINが掲げる「ピースフル・リーダーシップ」とは、特定の立場や役職を持つ人だけのものではありません。アントレプレナーシップを持った個人が、他責ではなく当事者性をもったミクロな視点を起点に、自らボトムアップで変化を起こし、価値観の違いや対立を超えてよりよい未来を創っていくためのリーダーシップです。
本取り組みは、社会課題の解決に挑む起業家やリーダーが集い、未来を共創する完全招待制の合宿型イベント「ENJIN」(主催:株式会社ボーダレス・ジャパン)を起点として生まれました。その後、各地のカンファレンスや国際フォーラム、教育現場などでのワークショップを通じて対話と実践を重ね、「平和をつくるリーダーシップ」を日常の行動に落とし込む試みを続けてきました。立場や価値観の異なる参加者が集い、対話と内省を重ねる中で、「ピースフル・リーダーシップ行動指針」を2025年12月に発表しました。
■ Peace ENJIN 実行委員会について
<委員>(五十音順)
・佐野愛:特定非営利活動法人国境なき医師団 日本 広報部
・新谷和実:特定非営利活動法人The Peace Front代表理事
・高橋大就:一般社団法人NoMAラボ 代表理事
・田口一成:株式会社ボーダレス・ジャパン 代表取締役CEO
・豊島岩白:株式会社マリモソーシャルソリューションズ 取締役
・鳥巣智行:株式会社Better 代表取締役
・西村晃:株式会社事業人 共同代表
・比屋根隆:株式会社うむさんラボ 代表取締役
<問合せ先> peaceenjin@gmail.com
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