Facilo、12億円のシリーズA資金調達を実施し、不動産仲介のDXを更に加速
仲介会社と顧客のやりとりを整理・可視化するコミュニケーションクラウド『Facilo』を物件購入と売却の両面に展開。シームレスな不動産売買の顧客体験を実現し、住み替えをもっと身近でポジティブな選択肢に。
株式会社Facilo(本社:東京都港区、代表: 市川 紘)は、シリーズAラウンドとしてグロービス・キャピタル・パートナーズ、Coral Capital、Angel Bridgeに対する第三者割当増資により12億円の資金調達を実施しました。
今回の資金調達により当社は更に体制を拡充し、既存の物件購入向けプロダクトの新機能開発および活用支援を推し進めると同時に、物件売却向けの新プロダクトの展開も進めてまいります。
“不動産流通先進国” アメリカで高まる仲介営業の価値
不動産の流通が盛んで仲介業がもっとも進んでいるとされるアメリカでは、かつて「FSBO(For Sale By Owner)」と呼ばれる仲介営業を介さない不動産売買が一定ボリューム存在していました。しかし、現在は親族間での取引等のごくわずかな例外を除いて、ほぼ全ての取引に仲介営業が介在するようになっています。
インターネットの浸透とともに様々な中間業者が中抜きされる中、逆にその存在感が高まっている仲介営業は非常に例外的な存在です。これは、不動産売買という人生に関わる大きな取引における営業担当の「人」ならではの価値を物語っています。
こういった「人」ならではの提供価値は、AIの進化が加速していく今後においても揺るがない普遍的な要素であり、「人」の価値をAIやテクノロジーによって補強していくことが重要だと当社は考えています。
仲介会社の営業担当による物件提案は最重要の情報源
日本の不動産業界も、従来の新築主体からアメリカ型の中古流通主体の市場にシフトしていくことが予想されており、仲介営業の重要性はますます高まっていきます。その中で日本の仲介営業が担う役割は多岐にわたりますが、重要な役割の一つに「物件提案」があります。
インターネットの浸透に伴い、物件の購入検討者は大量の物件情報に簡単にアクセスできるようになり、新居探しの第一歩は不動産ポータルサイトでの物件問い合わせが一般的になりました。
他方で、不動産という商材の特性上、問い合わせた物件が売主都合で案内できなかったり、すでに売約済みといったケースは日常茶飯事。逆にインターネットには掲載されていない物件も数多く存在しています。また、不動産は専門性の高い商材がゆえに、顧客自身で情報整理しながら自力で検討を進めることが難しいという特性もあります。
そういった背景から、不動産仲介においては担当営業の独自の物件情報網と、深い顧客理解および専門知識をベースにした物件提案が重要になってくるのです。
物件提案の業務負荷と“五月雨式”の情報提供による機会損失
物件購入検討者にとって最重要の情報源である営業担当による物件提案ですが、一方で提案をスムーズに実施できないケースも見受けられ、仲介会社と顧客の双方にとって機会損失が発生しているのも事実です。
不動産仲介の取引には多種多様な業務があり、営業担当はいくつもの案件を並行で抱えているため、業務が逼迫しがちです。そのため物件提案のための十分な時間を確保できず、インターネット経由で問い合わせのあった物件の資料を送付するだけで終わってしまったり、他にも提案すべき物件がマーケットにあってもそのうちの一部の提案に留まってしまうケースが多々あります。
また、それでも何とか業務時間を確保して提案すべき物件を全て提案したとしても、消費者は物件資料PDFが添付されたメールを五月雨式に受け取ることになるので、かえって混乱してしまって検討をあきらめてしまうという皮肉な事態も発生します。
クラウドとAIを活用して物件提案の機会損失を解消
不動産仲介の営業活動における機会損失をテクノロジーの力で解消し、スムーズな顧客体験を実現することを目指し、当社は2023年2月に不動産コミュニケーションクラウド『Facilo(ファシロ)』をリリースしました。
同プロダクトはクラウドとAIを活用することによって、仲介会社のバックエンド業務を圧倒的に効率化し、物件を余すことなく提案する時間を生み出します。そして、数多くの物件の選択肢を受け取った顧客側はクラウド上のマイページ上に整理された情報をベースに直感的に検討を進められるようになります。
更に、マイページ上でのお気に入り登録・削除といったリアクションを営業担当と共有できることによって、希望条件や最適な物件をよりインタラクティブにすり合わせできるようになります。物件の見学段階に進んだ場合、従来の電話やメールによる個別の連絡ではなく、マイページ上でスマホ片手に気軽に申し込みができるようになります。
業務効率化と顧客体験向上に貢献。2倍以上の成約率を実現する導入企業も。
プロダクトのリリースから1年が経過し、各機能の効果も検証が進んでいます。提案業務効率化によってより多くの顧客に対してより手厚い提案ができるようになり、提案情報を一元化したマイページは物件検討に欠かせないツールとして顧客から高い評価を得ています。また、ユーザーリアクション活用や内見予約クラウドといったこれまでになかった機能も顧客のスムーズな住み替え体験に大きく寄与しています。
結果として、不動産仲介における次世代の顧客体験を実現し、仲介会社にとって重要な経営指標である成約率においても顕著な成果をあげることができています。導入企業の多くで成約率の改善を実現でき、中には成約率が2倍以上になったといった事例も出ています。
500店舗に導入され、プラットフォーム上での物件提案は累計60万件に
前述のプロダクト導入時の成果を仲介会社各社に高くご評価いただき、『Facilo(ファシロ)』はリリースから1年で500店舗を上回る仲介会社に導入されています。地域密着型の中小企業から全国規模の大手企業にいたるまで様々な業態・エリアの仲介会社に幅広くご活用いただいています。大手企業に関しては、住宅新報「2022年度 売買仲介実績調査」の売買仲介実績ランキング掲載36社のうち14社の全店舗もしくは一部店舗に導入されています。
このように導入企業が順調に増加し、各企業において利用促進が進んだことにより、『Facilo(ファシロ)』のプラットフォーム上での物件提案数は累計で60万件を突破しました。今後も導入企業の皆様と連携しながら、顧客体験の向上に向けて尽力してまいります。
資金調達によって体制強化と「売り仲介」向け新プロダクトを開発を実現
不動産仲介における更なる顧客体験の向上・住み替えの活性化を実現するために、当社はシリーズAで12億円の資金調達を実施しました。今回の調達資金によって、セールス・カスタマーサクセス・エンジニアの各組織を拡充し、既存プロダクトの「営業→導入支援→導入企業からのフィードバック取得→プロダクト改善」のサイクルを更に強化してまいります。
また本年2024年春には第二弾プロダクトとして、不動産コミュニケーションクラウド『Facilo売却版』をリリースします。売主と仲介会社の間の煩雑なコミュニケーションをクラウド上で整理・可視化し、売主の顧客体験向上と売り仲介業務の生産性改善を実現する画期的なプロダクトとなる予定です。
不動産仲介において、物件の購入と売却は表裏一体となった一つの取引です。既存の購入向けプロダクトに加えて、売却向けプロダクトをラインナップに加えることによって、不動産仲介取引の一連の流れに対するDXを推進し、導入企業の皆様とともにかつてないシームレスな顧客体験を実現することを目指してまいります。
導入企業コメント(順不同)
三井不動産リアルティ株式会社
執行役員 久多見 毅氏
当社は、お客様にご満足いただける質の高いサービスを提供し、安心・安全な不動産取引を実現することを第一に考えております。
そのために、新規サービスの導入やDX推進に積極的に取り組んでおります。Facilo社は、不動産取引の実務に精通しており、「物件探しにおけるお客様の一連の体験が、より良いものになる」サービスであると感じています。また、社員の業務効率化にもつながるサービスであることから、お客様対応時間の創出にも貢献しております。今後、サービスの利用だけでなく、DX推進のパートナーとしてFacilo社と連携し、「お客様満足度の向上」を実現していきたいと思います。
野村不動産ソリューションズ株式会社
執行役員 林 陽平氏
不動産売買は何度も経験することはなく、手続きの煩雑さに困惑する方は多数いらっしゃいます。その中で、デジタル環境の激変は、不動産仲介の営業スタイルを変革していかなければいけない難しいテーマであり、チャンスでもあります。当社はノムコムなど早くからデジタルの先進性を取り入れていますが、ノムコムはお客さまとの接点の一歩であり、その後営業担当者が提供するサービスや情報に統一性がないという課題がありましたので、Faciloの構想をうかがったときは、これらを一気に解決してくれると直感しました。
そしてFacilo導入後は、期待どおり担当者にとって欠かせない営業の武器になっています。
不動産売買のプロセスを事業者、お客様双方の目線で研究され、デジタルによって顧客体験を変革する、という市川氏の想いがあったからこそ、だと思います。引き続きFaciloの機能向上とあわせて、革新的なアイディアで不動産取引の拡大に寄与していただくことを期待しています。
株式会社大京穴吹不動産
代表取締役社長 森本 秀樹氏
当社は、お客さまの期待を超える感動を提供する「真のユーザーファースト」の実現を目指しています。 Facilo社の取り組み、デジタル技術、サービスは、お客さまの体験価値向上に寄与しており、私たちが目指す方向性と合致しています。また、お客さまの体験価値向上に留まらず、サービスを利用する社員の評判も高く、多忙な社員の業務効率化にも貢献しています。
昨今、お客さまの価値観やニーズは時代と共に変化・多様化し、より高品質で多彩なサービスの提供が求められています。 今後、Facilo社の提供するプラットフォームが業界標準モデルへと発展し、更なる顧客体験価値の向上に繋がっていくことを期待しています。
三菱地所ハウスネット株式会社
取締役社長 平川 清士氏
今年度、当社では10年ぶりに事業ブランド「三菱地所の住まいリレー」を刷新し、「想いに応える、期待を超える」というキャッチコピーを策定いたしました。
株式会社Faciloのサービスは、まさに当社が掲げるお客様の想いに応えるだけでなく、お客様の期待を超える提案ができ、CX向上を実現する事の出来るサービスであると捉えております。
併せて、お客様に対する価値だけでなく、社員の業務効率化にも繋がるサービスであることも高く評価させて頂いており、当社においては、CX向上、業務効率化のどちらの側面においても、今年度は全社的に大きな効果が見込まれております。この資金調達をきっかけに、今後のさらなるアップデートを通じて、不動産流通業界のDX発展を推進することを期待しております。
リストインターナショナルリアルティ株式会社
(リスト サザビーズ インターナショナル リアルティ)
常務取締役 杉本 敦史氏
当社は、世界最大級のオークションハウスである「サザビーズ」を起源とする不動産仲介ブランド「サザビーズ インターナショナル リアルティ®」の国内独占営業権を取得し、
「リスト サザビーズ インターナショナル リアルティ」のブランドで国内外の不動産仲介事業を展開しております。
日本の不動産業界のDX化は遅れている中、今回Facilo社のサービスは現場の声を吸い上げ、フィードバックを重ね、いかに現場に浸透させるか?という、まさにDX推進の為には不可欠な部分を実現されており、非常に共感でき、即導入を決めさせていただきました。今後の更なる展開にも期待しております。
引き続きFacilo社との連携強化を通じて、質の高い不動産サービスを提供することで、不動産業界の変革と発展を共に目指していければと思います。
株式会社長谷工リアルエステート
代表取締役社長 伊澤 博文氏
長谷工グループの中で当社が担う不動産流通事業では、いつも住まい手の気持ちを忘れずに「マンションの長谷工」ならではの強みを活かしてお客様の多様化するニーズに思いを込めて対応しております。今後も顧客ファースト精神で社員個々の提案力を磨き、お客様に選ばれる存在でありたいと考えております。
今回のFacilo社の提案はクラウドにより煩雑な仲介業務を効率化するだけでなくお客様の使いやすさを徹底追求されたシステムであり、第一線で活躍する営業マンを強力に支援する武器にもなり得ると考えております。Facilo社との連携を活かし、更にお客様に満足いただけるよう努めてまいります。
株式会社センチュリー21・ジャパン
代表取締役社長 園田 陽一氏
株式会社Facilo様におかれてはシリーズAの資金調達を完了されたとのこと、誠におめでとうございます。市川氏は、米国で不動産テック企業の経営に携わっておられた当時から、米国不動産事情の発信者として国内の業界関係者に広く知られていらっしゃいましたが、その経験と知識を日本に持ち帰られて、デジタルと不動産取引の融合というビジョン実現に向けて日々邁進しておられることに深く敬意を表します。
当社もフランチャイズ全国約1,000店舗で行われている数多の取引において、Facilo様のデジタル技術を活用して顧客サービスの充実を図ることを目指しております。Facilo様には、今回の資金調達を機に一層不動産流通業界の発展を支援して頂けるものと期待しております。
投資家コメント
グロービス・キャピタル・パートナーズ株式会社
パートナー 湯浅 エムレ 秀和氏
市川氏に最初にお会いしたのは約2年前ですが、顧客解像度の高さと目指すべき姿を鮮明に語っていたのが印象的でした。それから約2年、定期的に議論を重ねるなかで、この度リード投資させていただいたことを大変嬉しく思っております。 Faciloの特長として徹底的に顧客の声を聞くという点が挙げられます。そして、その声を高速でプロダクトに反映させ続けた結果、顧客から強い支持を得て、業界大手中心に次々と導入が進むプロダクトに仕上がっており、正式ローンチから約1年で突出した急成長を遂げています。
不動産仲介は巨大且つDX化ニーズが強い業界で、Faciloが今後も業界に寄り添いながら、業界の未来のためにDX化を推し進めていくことを期待しています。将来構想からするとまだスタートしたばかりで、これから事業も組織も急拡大していきますので、我々もその成長を全力で応援していきます。
グロービス・キャピタル・パートナーズ株式会社
アソシエイト 工藤 真由氏
この度、Facilo社のシリーズAラウンドにリード投資家として参加させていただけたこと、大変嬉しく思います。 住宅仲介という非常に身近だが依然システム化されていない大きな市場のDXに挑むFacilo。ローンチからわずか1年で既に大手企業への導入が進んでおり、そのスピーディーかつ力強いPMFに、初めてお話したときから圧倒されていました。
「Faciloなしの業務には戻れない」といった声をお客様から伺うことも多く、住宅仲介営業において、なくてはならない存在になりつつあるのだと思います。 業界及び顧客ニーズを熟知し、幅広いネットワークを持つ市川氏の下にはBiz・Tech共に強いメンバーが集まっており、今後の組織の発展も非常に楽しみです。 まだFaciloのチャレンジは始まったばかり、足元の素晴らしい事業進捗をバネにして、さらなる事業展開を狙います!我々も微力ながらも最大限伴走させていただくつもりです。
Coral Capital
Founding Partner & CEO James Riney氏
市川氏とFaciloチームの皆さんは、引き続き素晴らしい成果を上げています。短期間で日本の大手不動産企業の多くに顧客としてご満足していただくことに成功し、急速にARRを伸ばしました。さらに、市川氏がこのような初期段階でトップ人材を採用する能力は、とても際立っています。
今回のシリーズAラウンドが多くの投資家が前のめりになる競争の激しいものだったことは言うまでもありません。初期からFalicoのチームと一緒に仕事ができたことを光栄に思うとともに、このラウンドでさらに投資を重ねることができたことを嬉しく思います。
Angel Bridge株式会社
パートナー 林 正栄氏
DX化余地の残る不動産売買仲介業界に対して、不動産テック業界経験が豊富なチームが切り込むFacilo社に投資させていただきました。市川CEO、梅林CTO、浅岡COOを含む素晴らしいチームの巨大な市場変革への挑戦をご一緒できることを大変うれしく思います。
業務の深い理解に基づき、営業担当者、購買検討者双方にとって非常に使い勝手の良いプロダクトを提供し、2倍以上の成約率向上を実現するなど、早くも不可欠な存在になっています。業界大手企業への導入も非常に速いスピードで進んでおり、不動産の流動性向上を通じて社会に与えるインパクトはとても大きなものになると期待しております。
シームレスな顧客体験により、住み替えをもっと身近にするFacilo社を全力で支援してまいります!
代表コメント
株式会社Facilo
代表取締役CEO 市川 紘
私自身、前職はシリコンバレーで不動産テック企業を経営しており、アメリカの先進的な不動産業界を現場で体感しました。その経験から「日本でも住み替えをもっと身近でポジティブな選択肢にしたい」「日本の仲介営業がもっと輝けるよう後押しをしたい」という思いを強くし、帰国してFaciloを立ち上げました。
不動産コミュニケーションクラウド『Facilo(ファシロ)』はリリースから1年が経ちますが、この間のプロダクトの成長は目覚ましく、これはひとえに実際にご利用いただいた現場からの声のおかげです。日々、真剣にお客様と向き合っている仲介営業の皆様からいただくご要望は、私たちが会議室でひねり出すアイディアよりも格段にリアリティがあるものばかりで、気づけば現場の声をもとに開発した新機能・システム改善は500件を超えていました。Faciloは不動産業界全体の「お客様の家選びの役に立ちたい」という切なる思いに育てていただいたプロダクトと言っても過言ではありません。
今回の資金調達に際しては、多くの導入企業の皆様から応援コメントをお寄せいただきました。業界全体から大きなご期待をいただいていることに身の引き締まる思いです。仲介営業の「人」の価値を信じるプロダクトが、同時に「人」に育てていただき成長してきました。これからも「人」を中心に据えながら、体制拡充と最新テクノロジーへの投資を加速し、業界の皆様とともに日本の住み替えがもっと身近でポジティブな選択肢になるように尽力してまいります。
会社概要
社名: 株式会社Facilo
本社所在地: 東京都港区赤坂 9-7-1 ミッドタウン‧タワー18F
代表取締役: 市川 紘
事業内容: 不動産コミュニケーションクラウド『Facilo』の企画‧開発
設立: 2021年10月18日
HP: https://facilo.jp/
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