遺伝子治療用製品「コラテジェン」が米国FDAよりブレイクスルーセラピー(画期的新薬)指定のお知らせ
末梢動脈疾患は世界中で2億人が罹患し、複雑な病態を示し、潰瘍、感染症、最終的には下肢切断など極めて重篤な合併症を引き起こす可能性があります(1)。
南カリフォルニア大学医学部のDavid Armstrong教授らの報告によると、がんと比較した場合、下肢の大切断(足首より近位)後の5年死亡率57%で、肺がん80%に次ぐものです(2,3)。
このような予後の悪い、血行再建術を必要としない虚血性潰瘍を有する末梢動脈疾患に対して比較的初期段階からコラテジェンで治療を開始することで、潰瘍の治療、下肢切断までの期間を延長し、将来の患者のQOLの向上に繋がることが期待されます。グローバルにコンセンサスが得られている治療ガイドラインでも早期から治療を推奨しています(4)。
ブレイクスルーセラピー(画期的新薬)の指定制度は、FDAが重篤な疾患や生命を脅かす疾患の治療を目的とした薬剤の開発と審査を迅速化するために設計したもので、この指定を受けたことは、臨床試験の結果から既存の治療法よりも顕著な改善を示す可能性があると認められたこととなります。
出典
(1)Allison MA, et al. Health Disparities in Peripheral Artery Disease: A Scientific Statement from the American Heart Association. Circulation. 2023 Jul 18;148(3):286-296.
(2)Armstrong DG, Boulton AJM, Bus SA. Diabetic Foot Ulcers and Their Recurrence. N Engl J Med. 2017 Jun 15;376(24):2367-2375.
(3)Armstrong DG, et al. Five year mortality and direct costs of care for people with diabetic foot complications are comparable to cancer. Journal of foot and ankle research. 2020;13(1):1 -4
(4) Michael S. Conte, et al. Global vascular guidelines on the management of chronic limb-threatening ischemia. Journal of Vascular Surgery. 2019;Volume 69, Number 6S
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