日本の第九は久留米から始まった!市民が紡ぐ「久留米第九2025」今年も開催へ

久留米第九2025
【日時】2025年12月28日(日) 開演15:00 開場14:00
【場所】久留米シティプラザ ザ・グランドホール(福岡県久留米市六ツ門町8-1)
【料金】1・2階席3,000円、3・4階席2,000円
(Web割引/1・2階席2,500円、3・4階席1,500円)
(当日券/1・2階席3,500円、3・4階席2,500円)
【チケット取扱】チケットペイ(http://bit.ly/kurume9th25)
久留米シティプラザ 2階 情報サテライト
石橋文化センター プレイガイド
【主催】久留米第九を歌う会
【ホームページ】https://kurume9.jp/
【Instagram】https://www.instagram.com/kurumedai9
【Facebook】https://www.facebook.com/kurumedai9
【問い合わせ】久留米第九を歌う会 事務局
TEL:080-3183-8571(山坂)
MAIL:info@kurume9.jp
年末の久留米に、再び歓喜の調べが響きわたります。
「久留米第九2025」が12月28日(日)、久留米シティプラザ ザ・グランドホールにて開催されます。
オーケストラも合唱団も、中心となるのは久留米市民。"市民が自ら奏でる「第九」"は毎回大きな反響を呼び、毎年満席となる人気公演です。200人を超える大合唱が放つ圧倒的な響きは、聴く人の胸を震わせ、年の瀬の久留米を鮮やかに彩ります。
久留米と第九の知られざる物語
年末になると日本各地で耳にするベートーヴェンの交響曲第九番。
先ごろ閉幕した万博でも演奏されたように、日本人にとって極めて親しまれている楽曲です。
しかし、その第九と久留米には"運命的な縁"があることをご存じでしょうか。
実は久留米こそが、「日本人の一般聴衆が第九を初めて聴いた地」なのです。

大正期の久留米には、第一次世界大戦の青島攻略戦で捕虜となった1,300名を超えるドイツ兵が生活していました。彼らが暮らした久留米俘虜収容所には音楽堂や広場が整備され、演劇・演奏会・スポーツが盛んに行われていたそうです。中でも音楽活動は活発で、収容所内での演奏会は実に200回を超えたといいます。
そして1919年12月3日。
帰国を間近に控えたドイツ兵たちと日本人が久留米高等女学校(現・明善高等学校)で交歓音楽会を開催。その場でベートーヴェン「第九」の第二・第三楽章が演奏されました。部分的な演奏ですが、これが日本の一般聴衆が第九に触れた最初の瞬間でした。
なお、1918年に徳島県鳴門市の坂東俘虜収容所で全楽章が演奏されており、これが「第九」のアジア初演とされていますが、当時の聴衆は関係者に限られていました。そのため、日本人を対象とした"初"の「第九」は、久留米での演奏とされています。
久留米に息づく「第九」の物語。それは、異国の地で音楽を手放さなかった人々の息遣いと、彼らを迎えた久留米の歴史が響き合う、静かで深いドラマなのです。
市民がつくる奇跡の舞台
第九の久留米初演から100年を迎えた2019年、市民を中心とした「久留米第九を歌う会」が誕生。
同年、久留米市政施行130周年も記念し、初めての「久留米第九」が開催されました。
大きな反響を受け継続が決まったものの、コロナ禍で中断。
そして2023年、ついに第2回公演が行われ、現在まで継続されています。
「初回は九州交響楽団に出演いただきましたが、2回目以降は予算的に厳しくて…。そこで、管弦楽団も市民中心で立ち上げることにしたんです」と語るのは、久留米第九を歌う会で事務局長を務める山坂さん。
「特定の母体があるわけではなく、"やりたい!"という人が手を挙げ、毎年ゼロから結成しては解散していく仕組みなんですよ。青森や東京から参加される方もいます」
「第九」の公演は全国で数多く行われていますが、管弦楽団を毎年編成して「第九」に挑むのは久留米だけだといいます。参加者は年々増加し、今年の管弦楽団は80名超に拡大しました。

そして、合唱団もまた、完全公募の市民合唱団。再開直後の第2回は100名未満でしたが、翌年には約180名、そして今年は200名を超えました。
メンバーの顔ぶれは多彩で、初心者からベテランまでさまざま。親子で、はたまた祖母が管弦楽団、孫が合唱で参加している方もいます。毎年7月頃から集まり、互いの声や音を重ねながら「第九」を育てていきます。
また、過去には児童合唱団が参加したこともありましたが、今年は初めて中学生が部活の一環として参加しています。
「若い世代にバトンを渡していきたいんです。実は、久留米で《第九》と深い縁があることを、市民でも知らない方が多い。この歴史を知ってほしいし、大切に継いでいきたいですね」

久留米の地で生まれた「第九」との縁。
それは今、200名を超す市民の声と音になって、再び息を吹き返しています。
ぜひ、久留米が紡いできた歴史を心に刻みながら、
市民が一音一音に想いを込めて奏でる圧巻の「第九」をお楽しみください。
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