AIが業務に与える影響を分析した最新調査レポート『New work, new world 2026』を発表
AIの急速な進化と普及により、全職業の93%が影響を受ける可能性も 4.5兆ドル相当の労働価値がAIへ移行すると予測される中、鍵を握るのは「人の判断」
コグニザント株式会社(本社:米国ニュージャージー州、CEO:ラヴィ・クマールS 以下、コグニザント)は、このたびAIが仕事や雇用、生産性に与える影響を多角的に分析した最新調査レポート「New work, new world 2026」 を発表しました。
AI技術の進化と普及により、企業の業務プロセスや人材の役割、働き方そのものが大きな転換期を迎えています。従来、AIは業務の一部を効率化・自動化する手段として導入されるケースが中心でしたが、近年は分析や判断を伴う業務領域まで活用が広がり、経営や組織運営への影響は一段と大きくなりつつあります。
一方で、AIの活用が進むほど、「どの業務をAIに委ね、どこに人の判断や価値を残すべきか」「人材のスキルや役割をどのように再設計すべきか」などの問いが、経営層や人事・DX担当者にとって重要なテーマとして浮かび上がっています。
本レポートは、2023年に発表した調査のアップデート版として、AI技術の進化と普及が当初の想定を大幅に上回るスピードで進んでいる実態を明らかにするとともに、AIの価値を最大限に引き出すためには、人の知識や判断、スキル向上が引き続き重要であるという示唆を提示しています。
主なハイライトは以下のとおりです。
■ AIが最大4.5兆ドル(約704兆円)規模の労働生産性を創出する可能性も
今回の調査では、アメリカ政府が職業ごとの仕事内容・必要スキル・将来性などを体系的にまとめた「O*NET労働データベース」に基づき、約18,000のタスクと約1,000の職業を再評価しました。2023年時点では、10年以内に雇用の約90%がAIの影響を受けると予測されていましたが、最新の分析では、すでに全職業の93%がAIの影響を受ける可能性があることが明らかになりました。
また、現在の米国においては、AIが最大4兆5,000億ドル(約704兆円)相当の労働タスクを処理できる可能性を持つと試算されています。これは単なる業務効率化にとどまらず、企業の業務プロセスや役割分担、組織設計そのものに影響を与える水準であり、AI活用が経営課題として本格的に検討される段階に入っていることを示しています。
■AIの影響を加速させる「3つの進化」
このような急激な変化の背景には、過去3年間におけるAIの能力向上があります。特に以下の3点が変化を加速させている要因として挙げられています。
① マルチモーダルAI
画像、図面、ビデオ映像などを解析し、空間的な関係性を認識できるようになったことで、建設現場や製造ラインなど、これまでAIの介入が難しかった物理的な業務領域にも活用が広がっています。
② 高度な推論能力
CoT(Chain of Thought)などの技術進展により、仮説検証や問題分解、代替案の評価などの論理的なプロセスを実行できるようになりました。これにより、金融分析におけるシナリオ予測や、法務・コンプライアンス分野での判断など、高度な知識労働を単なる「要約や補助」から「診断・実行」レベルへと引き上げています。
③ エージェント型AI
AIはコンテンツ生成ツールを超え、実際の業務を遂行する実行力を獲得しています。エージェント機能を持つAIは、企業の基幹システムや外部ツールを自律的に操作し、マーケティング施策やリソース配分、スケジュール調整など複雑なワークフローを完結させることが可能となっています。
■AIの影響は建設・運送などの現場業務から経営層や専門職まで拡大
分析結果からは、AIの影響が特定の職種に限られるものではなく、建設や運送などの現場業務から、企業の意思決定を担う経営層に至るまで幅広く拡大していることが明らかになりました。
建設や運送などの現場業務では、変化のスピードは比較的緩やかであるものの、建設分野は4%から12%へ、運送分野の影響は6%から25%へと上昇しており、2032年時点で予測されていた水準をすでに大きく上回っています。このような変化の背景には、テキスト・画像・音声・動画など複数の異なる種類の情報を同時に理解・処理するマルチモーダル技術の進化により計画立案や図面解釈、安全管理など現場における認知タスクがAIによって補完されるようになったことが挙げられます。
一方、経営層においても、契約交渉や情報分析、戦略立案などの業務でAI活用が進み、CEOを含む経営層の業務における影響は2023年に予測されていた25%から大きく上昇し、60%を超える水準に達しています。これは、意思決定層もAIの影響を強く受けている段階に入っていることを示しています。
さらに、医療や教育、法務といった専門職でもAIの影響は急速に拡大しています。医療分野では影響が10%から39%へ、教育分野では11%から49%へと大きく上昇しているほか、法務分野では9%から63%へと急伸しており、今回分析した専門職の中でも特に変化のスピードが速い領域となっています。診断や評価、分析、法令解釈などの中核業務にもAIが関与し始めている一方で、これらの分野では規制や倫理、人為的な判断も引き続き重要となります。
■AI活用が進む一方、人の判断と関与は必要不可欠な要素に
AIの進化により経営、事業、財務、管理業務などへの影響が劇的に高まっている一方、調査では、説明責任や文脈理解、利害調整を伴う判断は引き続き人の関与が不可欠であることを示しています。AIは高度な情報処理や分析を担う一方で、最終的な意思決定や価値判断は、依然として人に委ねられる領域として残ることが明らかになりました。
本レポートでは、AIの潜在的な価値は技術そのものではなく、人の知識や経験、判断と組み合わさることで初めて最大化され、人の関与や適切な運用が欠けた場合、AIによって生み出される価値の多くは期待した成果につながらない可能性があると指摘しています。
■AI活用を成果につなげるための示唆
本レポートでは、AIの導入を一過性の技術投資に終わらせず、持続的な成果につなげるために企業が取り組むべき4つの指針を挙げています。
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即応型スキル習得の継続的な仕組みづくり
AIの進化スピードに合わせて、人材が新しいツールや業務に即応できるよう、実践的なスキルを学べる仕組みを継続的に構築することが必要不可欠です。
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AI技術の進化に対応できる柔軟な運営モデルへの転換
固定化された組織構造や業務プロセスにとらわれず、技術の進化サイクルに応じて、予算やリソース配分を柔軟に見直せる適応力の高い運営体制が求められます。
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人とAIの協働を前提とした業務設計
AIを人の代替として捉えるのではなく、物理的な現場作業や高度な判断業務において、人の能力や創造性を補完・強化する存在として位置づけ、業務プロセスを再設計する必要があります。
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変化に適応し続ける組織文化の醸成
AI導入を単なる取り組みとして終わらせず、学習や改善を前提とした文化を組織に根付かせることで、変化に継続的に対応できる体制を構築することが重要です。
上記の要素は、AI導入だけでなく、人材、組織、業務の在り方を一体で見直す必要性を示しています。企業が今から学習と適応の仕組みに投資することで、AIによる急速な変化を持続的な成果や競争優位へとつなげていくことが可能になります。
レポート全文(英語)は、以下よりご覧いただけます。
https://www.cognizant.com/us/en/aem-i/ai-and-the-future-of-work-report
コグニザントについて
コグニザント(Nasdaq-100: CTSH)は、企業の近代化を実現します。お客様がこの急速に変化する世界で競争優位性を発揮できるよう、テクノロジーの近代化、プロセスの再構想、CXの実現に向けてご支援いたします。米国に本社を置き、Fortune 500の185位にランクするコグニザントは、Fortune誌上においても「世界で最も賞賛される企業」として高い評価を獲得しています。詳細な会社情報につきましては、https://www.cognizant.com をご参照ください。
コグニザントジャパン株式会社 (Cognizant Japan KK)について
コグニザント ジャパンは、Fortune 500 企業に入る世界有数のデジタルソリューションカンパニーです。ヘルスケア、金融、自動車、通信、製造業などの業界向けに、ITコンサルティング、カスタマーエクスペリエンスの変革、データサイエンスの支援、ビジネスアプリケーション開発の提供をしています。世界中から集められたナレッジと先端のエンジニアリングを活用しながら、戦略策定から開発までをスピーディに実行することで、企業の事業成長にブレークスルーを起こします。
創立:2008年4月
代表取締役社長:渡辺宣彦
資本金:3億円
本社:東京都千代田区麹町2₋1PMO半蔵門7階
社員:1,000名
国内顧客数:80社
主な顧客業界:保険、医薬、医療機器、金融、製造、流通、テクノロジー
事業内容:
・デジタルビジネスコンサルティング
・BPO
・ビジネス基盤開発、保守運用
・データ分析、データマネジメント
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