[開催報告]地域のワークダイバーシティを促進する岐阜エリアの企業×NPOの会議体【第2回雇用施策検討会】を開催
岐阜県内の14社の企業と、地域の6か所の支援機関が集まり、就労困難者の雇用拡大に向けた提言内容を検討

内閣府の将来推計では、日本国内の15~64歳の生産年齢人口は、2050年に5,275万人に減少(2021年から約29%減)すると見込まれている中、 ひきこもり・ニート・LGBTQ+・がんサバイバー・難病者・生活困窮者・グレーゾーンといった、働きづらさを抱えながらも公的な就労支援の制度を受けられていない人は1,500万人(※1)にのぼります。岐阜県は、今年9月の有効求人倍率が全都道府県において4番目に高い状況である一方(※2) 、2060年頃には30万人の労働力が不足すると推計されています(※3)。また、推計値で岐阜市民のおよそ4.8万人が働きづらさを抱えているとされ、「働きたいけど、働けない」という状況にありながら既存の制度では支援対象とならない方々が存在しています。
しかし、法的に雇用義務のある障害者とは違い、こうした就労困難者の雇用はなかなか進んでいない現状があります。
この課題を解決しようと日本財団の助成により全国6自治体で実施しているのがワークダイバーシティ実証化モデル事業です。
就労困難者の抱える課題や働きづらさの背景にある要因は多様であることが、本事業での取り組みを通じて明らかになってきました。困難さが多様であるがゆえに、企業における就労困難者の受け入れには多くの課題がある一方で、そうした課題に対する議論・検討の機会は十分ではありません。就労困難者への支援・訓練の充実だけでなく、企業の理解や受け入れ体制の整備などを通じて、真の意味でワークダイバーシティを推進していく必要があります。
そのため、岐阜市におけるワークダイバーシティ実証化モデル事業『ワークダイバーシティプロジェクトin岐阜』では、働きづらさを抱える人々の多様で柔軟な働き方を実現するために、企業における就労困難者の雇用創出にむけた課題・必要な対応策や企業支援の在り方について議論する会議体『雇用施策検討会』を2024年11月に発足しました。
最終的には、岐阜市等の自治体へ企業支援の拡充にむけた提言を行うことを目的としています。
※1 出所:「就労困難者に関する調査研究」(日本財団)
※2 出所:「有効求人倍率(令和6年9月)都道府県ランキング」(funjob)
※3 出所:中部圏社会経済研究所「人口減少と将来の労働力不足について(岐阜県)
本会議の概要
この度下記日程において、岐阜県内の企業14社と支援機関6か所が集まり、第2回雇用施策検討会を実施。就労困難者の雇用拡大にむけた提言内容について、どのような視点・提言内容が重要か、議論を深めました。
日時:2025年3月10日(月)13:00~15:00
会場:みんなの森 ぎふメディアコスモス かんがえるスタジオ (岐阜県岐阜市岐阜県岐阜市司町40−5)
参加者:岐阜県内の企業、地域の就労支援機関、学校・教育機関、NPO団体、自治体等の行政機関等 33名
プログラム:オープニング/趣旨説明
岐阜市におけるワークダイバーシティ実証化モデル事業の実践
ワークダイバーシティ実証化モデル事業の制度化にむけた動き
グループディスカッション
エンディング/閉会のご挨拶
岐阜市におけるワークダイバーシティ実証化モデル事業の実践

初めに、当モデル事業の概要や、岐阜市における実施体制を参加者の皆様に共有しました。
続いて、2022年から実践してきた結果について、様々な角度から分析した結果や利用者の就職事例を共有しました。
ワークダイバーシティ実証化モデル事業の制度化にむけた動き
続いて、公益財団法人日本財団 公益事業部 国内事業開発チーム リーダー 今尾武嗣 氏より、ワークダイバーシティ実証化モデル事業の制度化にむけた動きについて、政策実現会議の内容などお話いただきました。

グループディスカッション
第1回の議論の振り返りと、整理した分析内容を説明しました。
それを踏まえて、「就労困難者の雇用拡大にむけた提言内容について、どのような視点・提言内容が重要か」をテーマとし、議論を行いました。



参加者の感想
参加された方からは
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企業にも当事者にもチャレンジする際のハードルがあると思います。このハードルを下げるための具体的な内容を吟味できるといいなと思います。今日ずいぶん具体的な意見があってよかったです。もっと聞きたい。
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今回のとりくみ自体賛成ですが、一方でこうした方を創ってしまっている根本原因を無くしてゆくことも、同時に考えていかないといけないと考えました。
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初めて雇用施策検討会に参加させて頂き、企業がどのようなことを考えているか聞くことができ、大変勉強になりました。特にグループワークでは受け入れ側である企業のワークダイバーに対する熱い思いや前向きな意見を交わされていることに感銘を受けました。今回参加させていただいて、支援者側と受け入れ側の垣根を取り払うという意味合いで、交流会などできると良いのかなと感じました。
などの感想、意見が寄せられました。
今回のディスカッションの内容を集約し、次回の雇用施策検討会に向けて提言内容をまとめていく予定です。
今後の予定
2025年5月頃
第3回雇用政策検討会を実施し、提言内容を決定
2025年夏頃
岐阜市をはじめとする関係機関への提言を予定
企画・運営について ーーー 企業×NPOの協働モデルによる体制
本会議は、企業とNPOの協働により企画・運営されています。
共同発起人である、サンメッセ株式会社 代表取締役社長 田中信康氏、株式会社リーピー 代表取締役 川口聡氏とともに、本会議の企画・設計を行っています。
共同発起人の呼びかけにより、岐阜県内上場企業6社(金融、メーカー、物流、印刷 / グループ会社含む)、岐阜市内企業11社(IT・住宅・製造・人材・福祉など)の計17社が参画しています。
今回参加された企業は下記のとおりです。
株式会社OKB総研
カンダまちおこし株式会社
社会福祉法人慶睦会
株式会社サン・テンポラリー
サンメッセ株式会社
株式会社十六総合研究所
新世日本金属株式会社
太平洋工業株式会社
株式会社鷲見製材 ひだまりほーむ
西濃印刷株式会社
セイノーホールディングス株式会社
株式会社ディマンシェ
株式会社文化社
株式会社リーピー
ワークダイバーシティ実証化モデル事業の概要
本モデル事業は、既存の支援制度の対象となっていない、ひきこもり・ニート・LGBTQ+・刑余者・がんサバイバー・難病者・生活困窮者等、「働きたいのに働けない」状況にある多様な就労困難者を対象に、就労支援を行うものです。
基本的なスキームは、地域の「ダイバーシティ就労支援拠点」(本事業の目的に賛同した就労移行支援事業所、就労継続支援A型/B型事業所等の障害者就労支援施設)にて、障害者手帳を持たないひきこもり等の就労困難者も受け入れ、就職に向けた訓練を提供します。
岐阜市では、一般社団法人サステイナブル・サポートが日本財団と岐阜市の助成・補助を受け、2022年9月に始まりました。
2025年2月末時点で47名が利用開始し、13名が一般企業に就職しています。
また、地域連携体制の構築も行っています。
多様な就労困難者を支えるために「ダイバーシティ就労推進プラットフォーム会議」を開催し、ネットワークを構築する試みです。行政や就労支援機関のほか、医療や教育、企業等の連携をはかり、領域を超えて顔の見える関係性作りを目指しています。
今年度は、企業向けの「雇用施策検討会」と支援機関向けの「就労支援検討会」の2部制とし、福祉と経済の両輪で岐阜市におけるワークダイバーシティを促進するべく連携体制の構築を行っています。

一般社団法人 サステイナブル・サポート
「誰もが自分らしく生きることのできる社会」を目指し、多様な働きづらさを抱えた人を対象に就労支援を実施しています。
発達障害・精神障害のある人を対象とした障害福祉サービス(就労移行支援・就労定着支援事業所「ノックス岐阜」、鵜飼で有名な岐阜長良川沿いにある町家を改装した宿屋「帰蝶」も運営する就労継続支援B型事業所「アリー」、保護猫カフェ「猫影」で保護猫活動と障害者の仕事のやりがいの両立を目指した就労継続支援B型事業所「シャンツェ」)、「働きたい」と願っているが就職活動に悩んでいる若者・学生を対象としたキャリア支援事業(「キャリプロ」「ぎふキャリ」)、多様な働きづらさを抱えた人の就労支援「WORK!DIVERSITYプロジェクトin岐阜」等、官民で連携しダイバーシティ&インクルージョンの実現に取り組んでいます。
〒500-8175
岐阜県岐阜市長住町2丁目7番地 アーバンフロントビル3階
TEL:058-216-0520
FAX:058-215-1932
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