光の殺菌力 ~成型できる紫外線透過ガラス~
医療・殺菌分野の活躍に期待
半導体製造に欠かせない露光装置やレーザー加工技師の目を守る保護メガネ用ガラス等、高機能な光学ガラスフィルターを開発・溶解(製造)する株式会社五鈴精工硝子(本社:大阪府泉佐野市、代表取締役社長:西川貴生、以下「五鈴精工硝子」)。当社の製品は光を利用する様々な企業でご採用いただいており、当社もガラスの可能性の追求を続けております。
そのなかに、これからの医療や殺菌分野での活躍が期待される、高い加工性をもった紫外線を透過するガラス「IHU200」という製品がございます。

●成型可能な紫外線透過ガラス
紫外線の透過率で最も優れていると言えば石英ですが、その硬さにより、成型加工しづらいことが難点でもあります。当社の紫外線透過ガラス「IHU200」はUV-Cを透過させるだけでなく、石英の弱点である加工性の低さを克服する製品です。加工性が高く、非球面レンズ、レンズアレイや異形状レンズなどに成型可能なため、用途に応じた形状に変化させることができます。また、原材料に有害物質を使用していないことから医療や殺菌分野においても安心してご利用いただけます。

インゴット材

ブロック材

ボールレンズ

レンズアレイ
●紫外線殺菌に効果的な波長
紫外線と聞くと、日焼け・シミなど「肌に良くないもの」といったイメージを思い浮かべる方が多いと思います。太陽光を浴びた際に体に入った紫外線は細胞を破壊します。その破壊を防ぐために、シミの原因となるメラニン色素が作られます。
紫外線殺菌は、紫外線が細胞を破壊する特性を使い、細菌やウイルス細胞のDNAを不活性化させるしくみを利用した殺菌方法です。直射日光の紫外線が350nm程度、細菌などのDNAがよく吸収するとされる紫外線は260nm付近だと言われています。紫外線殺菌灯に使われる波長は260nm前後が多く、細菌やカビ、ウイルスなどを短時間で死滅させる力があります。
当社の紫外線透過ガラス「IHU200」は、従来のUV-LED殺菌で主流とされていた365nm(UV-Aの波長域)よりも短い、UV-Cの波長域において高い透過率を有しているため高い殺菌力が期待できます。
【紫外線の種類】
紫外線A波(UV‐A):波長315nm〜400nmと長く、オゾン層を通り抜けやすい
紫外線B波(UV‐B):波長280nm〜315nmで、地上の全紫外線量の約10%
紫外線C波(UV‐C):波長100nm〜280nmと短く、オゾン層に吸収され、地上にほとんど届かない

●紫外線殺菌の可能性と光の可能性
紫外線殺菌は有害な副生成物を作らず、薬剤なども不要なため、比較的安全であり、加熱や薬剤を用いた殺菌と比較しても低コストで実現が可能です。さらに当社は、レンズの特性を活かして照射域の増幅や、光を強くすることで、消費電力が少ないUV-LEDを用いて無駄なくUV光を活用する事が可能であるうえ、水銀灯に近い強さの光を作り出すことができます。また、当社が製造するガラスには有害物質が含まれていないため医療分野はもちろん、食品、水、空気などの殺菌、ペットの消臭など幅広い分野において活用いただけます。
新型コロナウイルスの世界的流行により、全世界で多くの人々がウイルスによる脅威に晒されました。衛生環境が整わない国や地域においても光を使った技術貢献は可能であると思っております。
4月7日はWHO(世界保健機構)が制定した「世界健康デー」です。本年のテーマは、妊産婦と新生児の死亡をなくすための取り組みの強化を目指した「Healthy beginnings, hopeful futures (健やかなはじまり、希望のある未来へ) 」。

記事に関するお問い合わせ・連絡先
会社名:株式会社五鈴精工硝子
本社所在地:〒598-0048 大阪府泉佐野市りんくう往来北1-53
電話番号:072-458-6680(営業)
担当部署:営業部
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