新基準対応の高エネルギー落石防護柵で“国内初”の第三者認証を取得-----ベルテクスの「ループフェンス」、最大1,500kJ対応で斜面防災の新たなスタンダードへ

~実物実験×数値解析で総合信頼性を実証。設計・施工・修復を網羅したワンストップ技術で国土強靭化を牽引~

株式会社ベルテクスコーポレーション

ループフェンス(杭構造として設置)
ループフェンス(基礎構造物に設置)
実物実験:中間スパン捕捉状況
実物実験:端末スパン捕捉状況

ベルテクス株式会社(本社:東京都千代田区、社長:山本譲、以下「ベルテクス」)が展開する高エネルギー吸収型落石防護柵「ループフェンス」は、一般財団法人土木研究センターによる「建設技術審査証明(建技審証第2602号)」を取得しました。

実物大実験と数値解析による性能検証基準が導入された「落石対策便覧(平成29年12月改訂版)」以降、高エネルギー吸収型落石防護柵としての同審査証明取得は、国内初となります。

ベルテクスは本技術を斜面防災の次世代スタンダードと位置づけ、調査・設計・施工から維持管理に至る一貫したライフサイクル支援を通じて、激甚化する自然災害に対する国土インフラの強靭化を力強く牽引してまいります。

建設技術審査証明書            構造概要図

 開発の背景

日本には、道路や鉄道、住宅地などの周辺に、落石の危険がある斜面が数多く存在します。

落石対策は、大きく次の2つに分けられます。

•落石予防工-----岩を固定するなどして、落石の発生や岩の動き出しを防ぐ対策

•落石防護工-----発生した落石を防護柵などで受け止め、道路や建物への到達を防ぐ対策

落石防護工の一つである従来型の落石防護柵は、比較的低コストかつ短期間で設置できることから、全国で広く採用されています。

一方、一般的な従来型落石防護柵は、50kJ程度までの比較的小規模な落石を主な対象としています。より大きな落石に対しては、道路を屋根のように覆って守る「ロックシェッド」など、大規模な構造物による対策が必要とされてきました。

しかし、ロックシェッドなどの大規模構造物には、次のような課題があります。

 1.建設コストが大きい

 2.工期が長く、工事に伴う交通への影響が大きい

 3.将来的に道路の付け替えや路線変更が予定されている場合、計画や設計が難しい

こうした背景から、全国の落石危険箇所では、大規模な落石に対応できる性能と、施工しやすさや経済性を両立した防護柵が求められてきました。

ベルテクスは、この社会的ニーズに応えるため、大きなエネルギーを持つ落石を効率的に受け止める「ループフェンス」を開発しました。

 「ループフェンス」とは

「ループフェンス」は、支柱、緩衝装置、メインケーブル(ワイヤロープ)、ひし形金網などで構成される、高エネルギー吸収型の落石防護柵です。

隣り合う支柱の間にメインケーブルをループ状に配置し、ケーブルが重なる部分に緩衝装置を取り付けています。落石が衝突すると、メインケーブルが緩衝装置の中を滑ることで摩擦が生じ、その摩擦によって落石の衝撃エネルギーを吸収します。さらに、支柱や金網なども変形しながら力を受け持つことで、構造全体が段階的に衝撃を吸収し、落石を停止させます。

また、隣接する2本の支柱の間を、一つの独立した捕捉区間とする構造を採用しています。これにより、落石がどの区間に衝突した場合でも、安定した捕捉性能を発揮します。

 ループフェンスの特長

1.実物大衝突実験と数値解析で性能を検証

「落石対策便覧(平成29年12月改訂版)」に示された性能検証条件に適合する、実物大の衝突実験を実施しています。さらに、防護柵や落石の動きをコンピューター上で再現する「数値解析」を組み合わせることで、実物実験だけでは確認が難しい条件についても検証しています。実物大実験と数値解析の両面から性能を確認することで、高い信頼性を確保しています。

2.最大1,500kJの高エネルギー落石に対応

落石の衝撃を支柱だけで受け止めるのではなく、ワイヤロープ、緩衝装置、支柱、金網など、構造全体で段階的かつ効率的に吸収します。これにより、従来型の落石防護柵では対応が難しかった、大きなエネルギーを持つ落石を捕捉できます。

3.独自のループ構造で衝撃を分散

独自のループ状ワイヤロープ構造により、落石が衝突した際に発生する大きな力を、複数の部材へ分散します。一つの部材に力が集中することを防ぎ、構造全体で衝撃を受け止めることで、落石の突き抜けを抑え、高い捕捉性能を発揮します。

4.落石捕捉後の張り出しを抑制

ループ状のワイヤロープを採用することで、一般的な単線タイプと比べて、落石を受け止めた際の防護柵の谷側への張り出しを抑えることができます。これにより、落石捕捉後の防護柵の変形を抑え、道路や周辺空間への影響を低減します。

 第三者機関が総合的な信頼性を確認

今回の建設技術審査証明では、落石を受け止める性能だけでなく、材料性能、施工性、修復性などについても確認が行われました。

主な確認項目は、次のとおりです。

 • 構造性能:大きなエネルギーの落石を安定して受け止められること

 • 材料性能・耐食性:使用する部材が必要な性能を備え、さびなどへの対策が講じられていること

 • 施工性:現場で適切に設置できる構造や施工方法であること

 • 修復性:落石を受け止めた後に、損傷した部材を確認・交換できること

 • 維持管理性:設置後の点検や補修を行いやすいこと

「ループフェンス」は、実物大衝突実験や数値解析による性能検証に加え、第三者機関による厳正な審査を経ることで、安全性・耐久性・施工性・修復性を含めた総合的な信頼性が確認された、落石防護技術です。

 ベルテクスの取り組み

ベルテクスは、高エネルギー落石への対策という社会的課題に対し、現地調査、解析、設計、施工から設置後の維持管理まで、一貫した技術力で対応しています。今回の建設技術審査証明取得を契機に「ループフェンス」の普及を進め、全国の落石危険箇所における安全性の向上に貢献してまいります。

今後も、安全性、耐久性、施工性、維持管理性に優れた防災インフラを提供し、人々の暮らしと社会基盤を守ることで、持続可能な社会の実現を目指します。

 今後の展開

今後は、「ループフェンス」で培った落石エネルギーの捕捉・吸収技術をさらに高度化し、1,500kJを超える高エネルギー落石への対応を目指します。

また、すでに設置されている落石防護施設の高性能化や更新など、新たな分野への展開を進めてまいります。さらに、実物大実験や数値解析を通じて蓄積した技術と知見を、落石対策だけでなく、土砂災害をはじめとするさまざまな斜面防災分野へ応用し、総合的な防災インフラ技術の発展に貢献してまいります。

【審査証明書授与式について】

審査証明書授与式の詳細は、一般財団法人土木研究センターのWebサイトをご覧ください。

【用語解説】

■ 建設技術審査証明

新たに開発された建設技術の性能や適用範囲、施工方法などを、専門家で構成される第三者機関が客観的に審査し、その結果を証明する制度です。企業による自己評価だけでなく、第三者の立場から技術の内容が確認されるため、技術を採用する際の判断材料となります。

■ 落石対策便覧

道路などにおける落石対策の調査、設計、施工、性能検証などの基本的な考え方をまとめた技術資料です。平成29年12月の改訂では、実物大実験と数値解析を組み合わせ、防護施設の性能を確認する考え方が導入されました。

■ kJ(キロジュール)

「ジュール」は、物体が持つエネルギーの大きさを表す単位です。「k(キロ)」は1,000倍を意味するため、1kJは1,000Jです。1,500kJは150万Jに相当し、単純換算すると、質量10トンの物体が時速約62kmで移動するときの運動エネルギーと同程度です。ただし、実際の衝撃は、落石の形状や回転、衝突角度などによって異なります。

■ 数値解析

防護柵の構造や落石の衝突条件をコンピューター上に再現し、衝突時にどのような力や変形が生じるかを計算する方法です。実物実験の結果を再現できるか確認したうえで、さまざまな形状や衝突位置などの条件を検証するために活用します。

■ 高エネルギー吸収型落石防護柵

ワイヤロープや緩衝装置などを用いて、落石の大きな衝撃エネルギーを構造全体で吸収し、落石を受け止める防護柵です。

■ 捕捉性能

落石を防護柵で受け止め、道路や住宅地など、防護柵の向こう側へ到達させない性能を指します。

【本件に関する問合わせ先】

 ベルテクス株式会社 斜面防災事業部

 TEL:03-3556-0464  E-mail:sales-support@vertex-grp.co.jp

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会社概要

URL
https://www.vertex-grp.co.jp
業種
製造業
本社所在地
千代田区麹町五丁目1番地 麹町弘済ビルディング
電話番号
03-3556-2801
代表者名
山本 譲
上場
東証スタンダード
資本金
30億円
設立
2018年10月