【参加者数430名!】14名の登壇者が業界横断でパブリックヘルス人材に求める力を語るPublic Health Career Summit 2025が満足度97%と大盛況で終了しました。
多領域の実務家が初めて“パブリックヘルス人材に求める力”を整理し、キャリアに迷う学習者へ明確な指針を提示

mMEDICI株式会社(以下、当社)は、パブリックヘルス(公衆衛生)を学んだ人々・専門性を持った人材が社会のどこで求められ、何を期待されているのかを業界横断で可視化するイベント『Public Health Career Summit 2025』(以下、PHCS)を開催しました。
公衆衛生学の学位(MPH)を取得する人は年々増加している一方、「MPHを取ったが、どこで活かせばいいかわからない」という声は依然として多く存在します。福祉・企業・政策・データ・DX・介護・スタートアップ……社会の中には、まだ言語化されていない“パブリックヘルスの仕事”が数多くあります。
本サミットは、こうした 未開拓のキャリア領域を可視化し、「私だけのパブリックヘルスキャリア」を切り拓くための道筋を示すこと を目的として開催しました。当日は、行政、製薬企業、スタートアップ、医療DXベンチャー、シンクタンク、コンサルティングファーム、福祉領域など14名の登壇者が講演。430名の参加者へ「パブリックヘルスのキャリアがどこで、どのように社会と接続しているのか」を共有しました。
特別講演①「元大手外資のシニアマネージャーが語る 活躍するパブヘル人材になるために必要なこと」
mMEDICI代表の廣瀬直紀は、外資製薬での国際プロジェクト経験をふまえ、パブリックヘルス人材が社会で価値を発揮するために必要な“3つの基盤” を提示しました。
廣瀬はまず、エビデンスを正しく読み解き、論文・データを根拠に議論を進められる「専門性」の重要性を強調。さらに、仮説を立て、検証し、現場で成果につなげる一連のプロセスをやり切る「実装力」、そして医療・行政・企業など、文化や言語体系の異なるステークホルダーの間に立って意味を翻訳する「翻訳力」が不可欠だと語った。
廣瀬は講演の中で「MPHはスタート地点にすぎない」と繰り返し述べ、“より良い問いを立てる力” がキャリアを大きく左右する と指摘した。パブリックヘルスを軸にキャリアを築くうえでは、専門性を磨くだけでなく、多職種との協働や実装まで見据えた“越境”的な視点が求められるとし、参加者へ「問いを持ち続けてほしい」とエールを送りました。
特別講演②「ビジネスマンのための本当に伝えたい SPHの活かし方」
大出幸子教授 聖路加国際大学大学院 公衆衛生学研究科教授(疫学分野)
公衆衛生とは、集団の未来を設計する技術である
大出教授は、公衆衛生の領域が疫学・政策・行動科学・医療経済・統計・環境など多岐に渡ることを示しつつ、パブリックヘルス人材のコアとして以下を挙げました。
・構造を見抜く力
・人と社会の“健康を決める要因”を把握する力
・介入→評価→改善の循環を回す力
「パブリックヘルスは職種の名前ではありません。“集団を守るための思考技術”です。」

協力講演 業界別:「パブリックヘルス人材に求めること」
協力講演の登壇者12名には「パブリックヘルス人材に求めること —○○業界編」のテーマで講演を依頼。従来見えづらかった “業界別パブリックヘルス人材の要件” が初めて整理されました。
◆ 障害福祉業界編
榎本 大貴(株式会社LITALICO)
求めるパブリックヘルス人材:健康格差と社会的障壁を見抜き、構造に介入できる人材
・障害を“個人”でなく“社会構造”として捉える視点
・教育・就労・生活支援を横断する調整力
・ICF/社会モデルの深い理解
◆ 製薬業界編(メディカル・Value Access・HEOR)
秋本 純芽(ノバルティスファーマ株式会社)
求めるパブリックヘルス人材:医薬品を“社会に届ける”プロセスを理解した原価者
・Value Access/政策/アドボカシーの全体構造理解
・RWE・医療経済・アウトカム評価の基礎
・行政・患者団体・医療者をつなぐ翻訳力
馬場 俊介(グラクソ・スミスクライン株式会社)
求めるパブリックヘルス人材:科学的対話と価値伝達を担うメディカル人材
・医療者との科学的コミュニケーション
・エビデンス解釈×社会実装の視点
・患者アクセスへの構造理解
◆ 行政編
穴田 周吾(官公庁)
求めるパブリックヘルス人材:現場理解と政策理解を橋渡しする“越境行政人材”
・医療・介護・福祉を横断する政策的視座
・多職種の業務理解と構造分析
・行政と現場のギャップを埋める翻訳力
佐藤 大輔(官公庁)
求めるパブリックヘルス人材:科学的根拠に基づいて制度を設計・改善できる人材
・EBPM(根拠に基づく政策形成)の実践
・リスク分析・影響評価
・社会的弱者への配慮を含めた政策判断
◆ CRO編(臨床開発)
樋口 拓哉(株式会社リニカル)
求めるパブリックヘルス人材:臨床開発の“専門性 × ハブ機能”を担える人材
・疫学 × バイオスタ × HPM × 行動科学の専門性
・PPI(患者参画)など質的理解 × 量的分析の両立
・多職種連携プロジェクトの中核としての調整力
◆ データ基盤・社会保障DX編
高橋 舞(株式会社NTTデータ)
求めるパブリックヘルス人材:国家データを社会課題解決につなぐ分析者/翻訳者
・医療・介護・保険・健診など縦割りデータの統合理解
・社会保障・地域医療など構造課題の把握
・データ可視化を通じた政策・事業提言力
◆ ヘルスケア戦略コンサル業界編
重信 卓哉(フォーティエンスコンサルティング株式会社)
求めるパブリックヘルス人材:分析に留まらず“実装”まで伴走できる人材
・医療政策・制度・産業構造の理解
・データ分析→戦略→実行の一貫推進
・多様なステークホルダーを巻き込む推進力
◆ シンクタンク編(共生社会・介護政策)
北島 未菜(株式会社日本総合研究所)
求めるパブリックヘルス人材:高齢社会の課題を構造的に理解し、政策提案できる人材
・地域包括ケア・介護政策の理解
・健康決定要因の分析
・住民×行政×企業をつなぐハブ人材
◆ スタートアップ編
守屋 祐一郎(Ubie株式会社)
求めるパブリックヘルス人材:越境し、事業成長と社会価値を同時に作る人材
・医療者×技術者×生活者の翻訳
・課題定義 → プロダクト改善の接続
・仮説検証の高速PDCA
◆ 医療DX・RWD編
舛賀 康祐(株式会社イノシア/三井物産子会社)
求めるパブリックヘルス人材:現場データ(RWD)を安全性・効率改善につなげる人材
・多職種業務 × データ生成の理解
・RWD生成→改善→再設計のループ構築
・医療安全・効率・政策の接続
◆ 産学連携・社会実装編
渡邊 磨由子(株式会社電通総研)
求めるパブリックヘルス人材:エビデンスと社会の“文化差”を橋渡しする実装翻訳者
・学術×行政×企業の文化差理解
・Evidence → Implementation の接続
・科学的妥当性と社会的実行可能性の両立
参加者の声
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面白かったです。パブリックヘルスという専門性をどう捉えるのか視野が広がったように思います。
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とても楽しく学びになるイベントでした!参加してよかったです!
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さまざまな分野の方からお話を伺えてとても興味深く聞かせていただいた。
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オープニングで廣瀬さんがおっしゃった「授業の内容は忘れても、その熱は忘れない」という言葉、本当にそうだと思いました。登壇者の先生方それぞれのパブヘルの歩み、キャリア形成、そして圧倒的な熱量に心打たれました。登壇者の皆様、司会を務められた廣瀬さん、そしてこの企画を支えた運営の皆様に感謝申し上げます。素晴らしい熱量の企画でした!
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公衆衛生というのはやはり理論や研究を背景に、現場で実践してしていくもので、それを今回のそれぞれの講演者の立場から。いろんな介入の余地があるのだなという実感が沸きました。また、この領域ではいかにビジネスとしてお金を稼いでドライブしていくのかが必要不可欠なんだなとも思いました。
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時間の都合上途中までの参加でしたが、様々な業界からいろんな視点でパブリックヘルスの活躍の方向があることを学ぶことができました。また、運営としてもスムーズに進行されており、聞きやすく学びの多いイベントであったと思いました
パブリックヘルスキャリア市場は、いま静かに立ち上がっている
本サミットは、これまで不透明だったパブリックヘルスキャリアの全体像に対して、初めて業界横断で“求められる力”を提示しました。未開拓だからこそ、可能性がある。
mMEDICIは今後も、パブリックヘルスを学ぶ人々が「私だけのパブリックヘルスキャリア」を切り拓けるよう、学び・実践・仲間の場づくりを続けます。
mMEDICI株式会社について

mMEDICIは一流の知のプラットフォームを創ることを目指して研究者・医療職のスペシャリストによって設立されました。だれでも、いつでも、どこでもアクセスできる形で一流の学びを届け、一流の知の価値を最大化すると共に、教育格差の打破を実現します。
ウェビナー事業mERASMUSは「100年燃える学びの熱を、あなたの胸に」をモットーに、全世界から一流の研究者を講師に招聘し、広報費ゼロ円で毎月1,000名前後を集客、1年間の総動員数は12,193人、平均講師報酬は1講演あたり185万円、そして102名の経済的困難を抱える学生を招待しました。
オンラインスクール事業mJOHNSNOWは「パブリックヘルスを、生き様に」をモットーに、スペシャリスト監修の臨床研究やパブリックヘルスに関する講座やチャットコンサルを「いつでも・どこでも」アクセスできる形で定額制かつ入会審査制で提供しています。2024年9月ローンチ時から1年で累計登録者数は1350名を越え、フェロー満足度約95.6%・継続率約98.0%。医療機関、企業、大学、そして行政機関等から様々なスペシャリストとその卵が活動しています。
リアルワールドデータ利活用支援事業mNIGHTINGALEは「リアルワールドデータのポテンシャルを、最大化する」をモットーに、グローバル企業の日本・グローバルで疫学専門家として活動したCEOの経験と人脈を活かし、サイエンスとビジネスを調和させ、事業戦略の達成のために最適なリアルワールドデータ利活用支援を提供しています。2024年8月のローンチより既に6社様と提携させて頂いてきました。
転職支援事業mDAVINCIでは企業経験を有する医学研究者・医療職のスペシャリスト自身がエージェントとなり、高い解像度で転職のキャリア相談から求人紹介・内定までを、一気通貫でサポートします。mJOHNSNOWや、mERASMUSと連携しサービスを提供しています。
設立:2024年4月24日
代表者:代表取締役 廣瀬 直紀(保健学博士・公衆衛生学修士)
事業内容:ウェビナー、オンラインスクール、研究支援
当社HP:mMEDICI - 知に繁栄を、辺野に豊穣を
お問い合わせ先:company@mmedici.co.jp
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