「活動しているのに、相談につながらない」を変える――地域福祉の担い手を“見える化”する研修を横須賀市で実施

――民生委員・児童委員を経て、主任児童委員の「当事者」×福祉マネジメントの専門知で、地域の「つなぎ役」を住民から見える存在へ

一般社団法人 未来創造連携機構

 一般社団法人 未来創造連携機構 (所在地:神奈川県)の代表理事 斉藤和琴は、2026年7月31日、横須賀市内の主任児童委員および各地区民生委員児童委員協議会児童部会代表者を対象とした研修「横須賀の親子を支えるー主任児童委員の役割と広報ー」を実施しました。

 本研修では、制度創設から30年を経た主任児童委員について、改めて「主任児童委員とは何をする人なのか」という問いから出発し、役割の言語化、活動の整理、住民に伝わる情報発信、継続可能な広報の仕組みづくりまでを一体的に扱いました。

主任児童委員研修実施_未来創造連携機構_斉藤和琴

全国的に珍しい「主任児童委員当事者」による研修

 研修を担当した斉藤和琴は、自身も民生委員・児童委員として地域活動を経験した後、主任児童委員として活動する当事者です。一方で、福祉マネジメント修士として、保育・福祉分野の組織マネジメント、研修設計、地域連携、現場の暗黙知の言語化にも取り組んでいます。

 「現場を知る当事者」と「福祉マネジメントの専門家」という二つの視点を掛け合わせ、現場の実践を言葉にし、地域で共有できる仕組みに変えていくことが、本研修の大きな特徴です。

 当機構は斉藤の今回の取り組みをモデルケースとして、今後、全国の自治体、民生委員児童委員協議会、社会福祉協議会、子育て支援団体等に向け、地域の実情に応じた研修・ワークショップ・伴走支援を展開していきます。

研修概要

  • 研修名:横須賀の親子を支える 主任児童委員の役割と広報

  • 実施日:2026年7月31日(金) 14:00ー16:00

  • 会 場:横須賀市総合福祉会館

  • 主 催:横須賀市民生委員児童委員協議会 児童部会 役員

  • 対 象:横須賀市内の主任児童委員、各地区民生委員児童委員協議会児童部会代表者

  • 講 師:斉藤和琴(主任児童委員・横須賀市民児協 児童部会 役員/一般社団法人未来創造連携機構 代表理事)

  • 形 式:対面講義・グループワーク 

「活動しているのに、相談につながらない」という地域福祉の課題 

 研修の冒頭、参加者に投げかけたのは、

「主任児童委員って何をする人? 30秒で説明できますか?」

という問いでした。

これは、制度への理解不足を指摘するためのものではありません。

 主任児童委員は、学校訪問、地域活動、子育て支援、関係機関との連携、見守りなど、さまざまな活動を担っています。

だからこそ、長年活動を積み重ねるほど、

「自分たちは何の活動しているのか」
「住民に何を伝えればよいのか」

を一言で説明することが難しくなることがあります。

 実際に研修資料でも、自身の理解を言語化することで、主任児童委員の役割にある「曖昧さ」に気づくことを、学びの出発点として設定しました。

 この課題は、実際に民生委員・児童委員、そして主任児童委員として地域活動に携わってきた斉藤自身も、現場の課題として捉えてきたものです。こうした「活動しているのに、その役割が地域から見えにくい」状態を、地域福祉における重要な課題の一つと捉えました。

 

主任児童委員の役割

主任児童委員は、学校、保育所、児童相談所、行政、地域団体など、子どもと家庭を支えるさまざまな資源をつなぐ「ハブ」として重要な役割を担っています。研修では、区域を担当する民生委員・児童委員が個別支援を担う一方、主任児童委員は関係機関や地域資源をつなぐハブ・コーディネーターとして機能することを図解し解説しました。

 一方、地域住民から見たとき、

 主任児童委員が何をしている人なのか どんなことなら相談してよいのか どこに相談すればよいのか 

が分からなければ、支援が必要な家庭が相談にたどり着くことも難しくなります。

そこで研修では、

「知らない」

「相談できない」

「深刻化する」

という状態に対して、

「情報発信」

「存在・役割を知る」

「相談につながりやすくなる」

「早期発見・早期支援」

という地域支援の流れを提示しました。

これは単なる「広報の強化」ではありません。

住民が「相談していい」と知り、必要なときに地域の支援につながる環境を、地域の側からつくっていく取り組みです。

 横須賀市の活動実態から見えた「5つの役割」 

 研修では、横須賀市の全主任児童委員へのアンケート結果をもとに、実際の活動内容を整理しました。

横須賀市 主任児童委員 活動実態2026

その結果、活動を大きく次の5領域に整理しました。

横須賀市 主任児童委員アンケート_活動の分類2026

個々の活動を単発の「行事」や「活動」として捉えるのではなく、

「地域を知る」
→「地域をつなぐ」
→「子育て家庭を支える」
→「必要な支援につなぐ」
→「子どもを支える地域そのものを育てる」

という一連の役割として捉え直す機会としました。

 これにより、日々の活動を「何をしたか」だけで振り返るのではなく、「その活動は、地域や子ども・家庭にどのような意味を持っているのか」という視点から捉えることを目指しました。

 「伝える」から「伝わる」へ。住民に届く広報を考える 

 研修後半では、主任児童委員の活動を地域住民に知ってもらうための情報発信についても扱いました。

 特にInstagramを題材に、何を発信するのか 誰に届けるのか どのような言葉なら伝わるのか どうすれば無理なく継続できるのかを具体的に検討しました。

 「広報研修」で終わらせない。続けられる仕組みまで考える 

 SNSは、始めることだけでなく、無理なく続けられる仕組みをつくることが重要です。

そこで研修では、「まずはミニマムに、やれる人がやる」という考え方を提示しました。マニュアル作成から立ち上げ、運用までトータルに斉藤がサポートし、複数人での管理が可能となるまで伴走します。

 重視しているのは、SNSの操作方法そのものではありません。

目指しているのは、

「活動する」
→「知ってもらう」
→「顔が見える」
→「相談してもらう」
→「必要な支援につなぐ」

という地域支援の循環です。

研修資料でも、学校訪問やサロン開催などの「活動そのもの」を目的とするのではなく、その先にある「顔の見える関係」を築くことを主任児童委員活動の目的として整理しています。

 当事者だから見える。専門家だから言葉にできる。 

 今回の研修の特徴は、主任児童委員の制度や活動を外側から解説するだけではなく、現場を経験している当事者の視点と、福祉マネジメントの専門知を組み合わせて研修を設計したことにあります。

 斉藤は、民生委員・児童委員として地域福祉に携わった後、主任児童委員として現在も活動しています。

 そのため、現場で感じる「分かりにくさ」「伝えにくさ」「続けにくさ」を当事者として理解しながら、一方で福祉マネジメントの視点から、それらを個人の経験だけに留めず、言語化し、整理し、組織や地域で共有できる形へ変換することを目指しています。

ワイ!フェスタおっぱまで追浜地区の民生委員の広報誌を配る斉藤

講師コメント

 「私自身、民生委員・児童委員として地域福祉に携わり、その後、主任児童委員として活動しています。

だからこそ、主任児童委員の仕事が、外から見える以上に多岐にわたり、一言では説明しにくいことも実感しています。

 一方で、福祉マネジメントを学び、保育・福祉のさまざまな現場に関わる中で感じるのは、現場にはすでにたくさんの知恵や工夫があるのに、それが言葉になっていないために、本人にも周囲にも十分に共有されていないことが少なくないということです。

 今回の研修では、主任児童委員の皆さまと一緒に、まず『自分たちは何をする人なのか』を言葉にしました。そして、その言葉を住民に届け、相談につなげるところまでを考えました。

 私は、当事者だからこそ分かる現場のリアルと、福祉マネジメントの専門知識、そして研修という形で人や組織の学びをつくる力。この三つを組み合わせることで、地域福祉の現場にある『もったいない』を、言語化と仕組み化によって変えていきたいと考えています。」(一般社団法人 未来創造連携機構 代表理事 斉藤 和琴) 

 「役割が伝わらない」「活動が見えない」を、仕組みで変える 

 今回の横須賀市での研修をモデルケースとして、当機構では今後、全国の自治体、民生委員児童委員協議会、社会福祉協議会、子育て支援団体等を対象に、地域の実情に合わせた研修・ワークショップ・伴走支援を展開します。

例えば、

  •  地域福祉の担い手が「何をする人なのか」説明しにくい

  • 長年の活動が個人の経験や勘に頼っている

  • さまざまな活動をしているが、全体像が見えない

  • 地域住民に活動や役割が十分伝わっていない

  • 「どこに相談したらいいのか分からない」という住民がいる

  • SNSや広報を始めたいが、継続できる仕組みがない 

といった課題に対し、

  1. 現状を知る

  2. 役割を言語化する

  3. 活動を整理する

  4. 地域住民への伝え方を考える

  5. 情報発信の仕組みをつくる

  6. 「相談につながる地域」をつくる

という流れを基本としながら、各地域の課題に合わせて内容を設計します。

 本事例は斉藤の日々の活動のひとつとして行った研修ですが、主任児童委員に限らず、民生委員、地域福祉活動、子育て支援、地域包括ケアなど、「活動しているのに、地域に十分伝わっていない」という課題を抱える団体への支援にも当機構は対応します。

 当機構が目指すのは、単に知識を伝える研修ではありません。

現場にある実践を見つけ、言葉にし、参加者自身が意味を捉え直し、地域で実践できる仕組みに変えていく参加型の研修と伴走支援です。

講師プロフィール:斉藤 和琴(さいとう わこと) 

民生委員・児童委員を経て、主任児童委員として地域福祉の現場に携わる。

現場の当事者としての経験と、福祉マネジメントの専門知、研修設計のノウハウを組み合わせた研修・伴走支援を行う。

  • 一般社団法人未来創造連携機構 代表理事

  • これからの保育研究所 所長

  • 福祉マネジメント修士

  • 保育士

  • 防災士

  • 横須賀市民生委員児童委員協議会 児童福祉部会 役員

保育・福祉分野における組織マネジメント、研修設計、地域連携、現場の暗黙知の言語化等を専門とする。園長検定(正式名称:保育施設運営管理士検定1級)・主任検定(保育施設運営管理士検定2級)を企画運営し、保育の質の向上を推進。

現場ですでに生まれている実践知を「見える化・言語化」し、組織や地域で共有できる「仕組み」へ変えていく支援に取り組んでいる。

一般社団法人 未来創造連携機構 これからの保育研究所

一般社団法人 未来創造連携機構 これからの保育研究所

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会社概要

URL
https://hoiku-lab.com
業種
医療・福祉
本社所在地
神奈川県川崎市高津区溝口1-9-7 長谷川ビル5F
電話番号
-
代表者名
斉藤 和琴
上場
未上場
資本金
-
設立
2024年08月