one buildingの「省エネ検討WEBサービス」、断熱メーカー製品データベースと連携開始。「計算」から「リアルな建材選定」まで一気通貫で行える、新たな省エネ検討機能を搭載。
フクビ化学工業、日本パフテムなどの断熱材メーカーの製品を新たに追加しサービスを拡張。YKK APの窓と組み合わせ、実際の建材仕様での外皮性能の確認がWeb上で完結。省エネ設計のDXをさらに推進します。

Web省エネ設計支援サービスを展開する株式会社one building (本社:東京都目黒区)は、無料で使える非住宅向け『省エネ検討WEBサービス』において、既存のYKK AP株式会社(本社:東京都千代田区)の開口部製品データベース連携に加え、新たに建材専門商社として多様な断熱材製品を取り扱っている高島株式会社(本社:東京都千代田区)の取り扱い断熱材データ(フクビ化学工業株式会社、日本パフテム株式会社など)との連携を開始しました。
これにより、設計者は省エネ計算(外皮性能 BPIm ※1)を行う際、建物性能を左右する「窓」と「断熱材」の双方について、実在する製品の正確な性能値に基づいてサービス上で直接比較・選定することか可能になります。 従来の「計算」と、カタログ検索を伴う「仕様選定」を別々に行う必要があったワークフローを統合し、設計品質の向上と大幅な業務効率化を実現します。
■ サービス開発の背景・目的
【市場動向と課題】連携の背景・設計現場の課題
2025年4月の省エネ基準適合義務化、さらに2030年の基準引き上げを見据え、設計の初期段階から高精度な省エネ検討を行う重要性が一段と高まっています。これまでも本サービスでは、YKK APの窓製品を選定しながら外皮性能を検討できる機能を提供してまいりましたが、壁や屋根に使用する「断熱材」については、設計者自身がカタログ等で実在の製品を探し、性能値を手動で入力・比較する必要がありました。私たちは、2030年に新築・非住宅建築でZEB水準を実現するには、高い外皮性能で「建物の必要エネルギー」を下げる設計手法が不可欠であると考えており、より実務に即した断熱材の選定環境が求められていると考えていました。
実際の設計現場では、施工性やコストと性能のバランスを踏まえながら最適な仕様を検討する必要がありますが、各メーカーのカタログを個別に確認する作業は多大な手間と時間を要します。
「高性能な窓を採用したが、断熱材との組み合わせでコストが跳ね上がった」「設計が進んだ段階で想定していた断熱材が見つからず手戻りが発生した」といったリスクを常にはらんでいました。
さらに今回連携した高島株式会社は、1931年創業の建材・産業資材商社として多様な断熱材製品を取り扱っており、メーカー横断で幅広い選択肢を提供できる点に強みを持っています。こうした商社の情報が統合されることで、複数メーカーの断熱材を一つのプラットフォーム上で比較できる環境が整い、実務に沿ったリアルな仕様検討がより容易になりました。
【課題解決】異なる特徴の断熱材で、省エネ性能をシミュレーション

1. 外皮性能の「リアルな」最適化
断熱材の選定に際しては、施工可能な部位、材料区分、必要熱抵抗値(R値)、断熱厚などの複合条件が関係します。今回の連携では、断熱入力画面で下記の技術的絞り込みが可能となりました。
・施工部位に適した断熱材の絞り込み(外壁・屋根・床など、部位固有の施工制約に対応)
・断熱材の種類による絞り込み(フェノールフォーム、押出法ポリスチレンフォーム、吹付硬質ウレタンフォームなど)
・製品名での絞り込み(キーワード検索で、特定製品の選定が容易)
・厚みによる絞り込み(必要熱抵抗値への適合性を素早く確認)
これにより、BPIm計算に入力する断熱仕様が「実務で採用可能な製品と整合したパラメータ」になるため、外皮性能の評価精度と現場適合性が同時に担保されます。
2. ワークフローの劇的な効率化(仕様選定のワンストップ化)
窓や断熱材を入力する画面からワンクリックで「窓(YKK AP製品)」と「断熱材(各社製品)」が一覧表示されます。メーカーを横断した比較といった反復作業から解放され、より創造的な設計検討に集中できます。
3. 信頼性の高い「手戻りのない」設計
各メーカーが提供する性能値に基づき、使用可能な製品のみを抽出してシミュレーションできるため、
「想定した製品が部位に使用不可だった」
「必要断熱厚に対応する製品が存在しない」
「実際のカタログ値と設計値に差異がある」
といった後工程の仕様変更リスクを極小化できます。
初期段階から“実在製品ベースの外皮仕様”で検討できることで、提案内容と性能の整合性と説得力が高まり、技術的な手戻りを抑制する設計プロセスが構築できます。
4. 最新の製品情報に常にアクセス
今回の連携により、高島株式会社が取り扱う複数メーカーの断熱材更新情報が迅速に反映されます。
・新製品や、厚みなどのラインナップの変更
・性能値の更新
・法改正に伴う仕様変更
これらを設計者自身が追いかける必要がなく、常に現行仕様に即した断熱材候補のみを前提に外皮計算を行うことができます。
■ 無料の非住宅向け『省エネ検討WEBサービス』の特長
〜省エネ計算の知識も、BIMも不要!設計案の作成段階から使えるスピード概算ツール〜

本サービスは、非住宅建築の省エネ計算をサポートする無料のWebサービスです。BIMや専門的な省エネ計算の知識がなくでも利用できるように、入力画面がデザインされています。設計案の作成段階でWebブラウザに建物情報を入力するだけで外皮性能(BPIm)をシミュレーションでき、省エネ適判申請に必要なExcelファイル(WEBPRO入力シート)の作成まで支援します。設計案の作成段階で性能を「見える化」することで、手戻りを大幅に抑えられます。

【特長1】無料なのに、計算回数もプロジェクト作成数も制限なし
プロジェクト数や計算回数に制限はありません。コストを気にせず、複数プロジェクトで、複数の案を納得いくまで何度でも検討できます。

【特長2】Webブラウザだけで簡単にシミュレーション
専用ソフトの購入やダウンロードは一切不要です。インターネットに接続されたパソコンがあれば、いつでもどこでも利用でき、法改正にも自動で対応します。

【特長3】簡単入力で詳細な検討も可能
省エネ計算が初めての方でも、画面のガイダンスに沿って入力するだけで簡単に操作できます。
さらに、省エネ計算に必要な建材情報は事前登録済みで、各メーカーの製品スペック情報を基に精度の高いシミュレーションが行えます。

【特長4】チームでの共同利用が可能
招待機能により、プロジェクトメンバーや省エネ計算会社を簡単に招待でき、複数メンバーでスムーズに検討を進められます。
▼非住宅向け『省エネ検討WEBサービス』の詳細はこちら
https://bimsustainaforenergy.jp/solutions/tekihan/kentoweb
■新機能や利用シーンもご紹介「省エネ検討WEBサービス」オンライン説明会

サービス概要や使用方法を、デモを交えて分かりやすく解説します。さらに今回は、断熱材の製品スペック参照機能をはじめとした新機能や、「省エネ設計あるある」のお悩みを本サービスで解決する活用シーンも解説いたします。
開催日:2025年12月10日、12月16日、2026年1月15日
開催形式:Zoomによるオンラインウェビナー
参加費用:無料(事前登録制)
参加上限:1,000名
▼セミナーのお申し込みはこちら
https://link.bimsustainaforenergy.jp/4oitVl0
※上記リンクよりお申込み後、Zoomより視聴URLを記載したメールが届きます。
■ 今後の展開
本サービスは今後も機能を拡充し、モデル建物法での省エネ適判に必要な設備情報(空調、照明、換気、他)など、省エネ性能に関わる製品データベースを順次拡大します。これにより、より多様な条件でのシミュレーションが可能となり、設計初期から現実的かつ包括的な省エネ検討を支援します。
※1 外皮性能(BPIm / Building Performance Index for the envelope):建物の外皮(外壁・屋根・窓など)の断熱・気密性能をもとに算出する外皮性能指標。なお、省エネ適合判定(省エネ適判申請)では、外皮性能に加えて設備や一次エネルギー消費量も含めた BEIm(Building Energy Index for model building) が正式な評価指標として用いられます。
※2 WEBPRO入力シート:国土交通省が提供する建築物省エネ法の一次エネルギー消費量算定プログラム(WEBPRO)用の入力ファイル。建築物の外皮仕様・設備仕様などを入力して、省エネ性能(BEImなど)を算定・申請するために用いられます。
*本プレスリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
*本プレスリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像
