「このイベントがなければ来なかった」 奈良・室生の地域回遊企画に県外から来訪者来場者分析から見えた「香り」が生み出す新たな来訪動機
約150名の来場者分析から見えた「香りで巡る、室生。」の可能性
2026年6月18日から28日までの11日間、
andground合同会社(奈良県宇陀市)は、奈良県宇陀市室生エリアにて無料回遊企画
「香りで巡る、室生。 室生アートカフェラリー × 宇陀ジンギャラリー」
を開催しました。
期間中の来場者は約150名。
このうち100名以上は宇陀市外からの来訪者でした。
大阪、京都、兵庫、和歌山、滋賀、三重、岐阜、東京など県内外から来訪者が訪れました。
開催後に来場者分析を行った結果、最も印象的だったのは、クラフトジン愛好家ではなく、
「室生を訪れる理由」
を求めていた人たちが数多く存在していたことでした。
来場者からは、
「このイベントがなければ来なかった」
「本当に来てよかった」
「もっと室生を知りたい」
という声も寄せられました。
今回の取り組みは、単なるイベント開催報告ではありません。
香りや植物を入口に地域を巡るという仮説が、実際に人を動かしたのか。その検証結果でもあります。

「どうしても訪れてみたい」
大阪在住の24歳女性は、イベントをきっかけに初めて室生を訪れました。
梅雨時期で天候も不安定だったため、直前まで行くかどうか迷っていたといいます。
それでもInstagramで企画を知り、
「どうしても訪れてみたい」
という気持ちに駆られ、電車で室生へ向かいました。
室生口大野駅からバスに乗り、室生寺、橋本屋を訪れました。
また、別日には徒歩で宇陀ジンギャラリー、龍鎮神社、海神社などを
巡りながら室生で時間を過ごしました。
後日寄せられた感想には、
「本当に来てよかった」
「もっと室生を知りたい」
「次は家族や友人を連れて来たい」
とありました。
期間中に2回も室生を訪れています。
クラフトジン愛好家ではなかった一人の来訪者が、
この企画をきっかけに室生という土地そのものに興味を持った事例です。

「室生という場所を初めて知った」
大阪在住の30代女性フォトグラファーも、
今回の企画をきっかけに初めて室生を訪れました。
自然、カフェ、地域の人との交流を楽しみながら地域を巡り、
「このイベントをきっかけに室生という場所を初めて知りました」
「地域の未来につながっていく様子を間近で感じました」
とコメントしています。
また、
「また訪れたい」
という言葉も残してくれました。
来場者の声から見えてきたのは、イベント会場だけではなく、
室生という地域そのものに興味を持ち、歩き、知り、好きになっていくプロセスでした。

来場者約150名を分析して見えてきたこと
開催期間中の来場者約150名を分析すると、
大きく3つの層に分けることができました。
① 「香りで巡る、室生。」目的来場者
約45〜55名
今回最も特徴的だった層です。
奈良県内だけでなく、
大阪、京都、兵庫、滋賀、和歌山、三重、岐阜、東京
などから来訪しました。
さらにこの層は、
A. キービジュアルや世界観に惹かれて訪れた層
と
B. 室生寺やカフェを巡る中で企画を知り立ち寄った層
に分かれました。
来場者へのヒアリングでは、
「Instagramで見た」
「デザインに惹かれた」
「香りで巡る、室生。という言葉が気になった」
「室生という場所に興味を持った」
という声が数多く聞かれました。
② 地域関係者
約50〜60名
宇陀市長
市議会議員
市役所職員
自治会長
地域事業者
農業関係者
地元集落の住民
など。
地域の将来や観光、まちづくりに関心を持つ人々も多く来場しました。
③ ジン・蒸留酒関係者
約30〜35名
バーオーナーや飲食店関係者
蒸留所関係者
クラフトジン愛好家
関西ジンラリー参加者
など。
宇陀スパイスジンや宇陀蒸留所構想に関心を持つ業界関係者も数多く訪れました。

想定と違った来場者構成
主催者は当初、
「宇陀ジンギャラリー」という名称から、
クラフトジン関係者の来場が中心になると考えていました。
しかし実際には違いました。
最も特徴的だったのは、
「ジンが好きだから来た人」ではなく、
「室生へ行く理由を探していた人」
でした。
来場者分析から見えてきたのは、
ジンが人を呼んだのではなく、
「香りで巡る、室生。」という世界観が人を動かしていた
という事実でした。
今回見えてきたのは、香りそのものが人を呼んだというよりも、
「香りで巡る、室生。」という世界観が来訪動機として機能していたことでした。
来場者が反応していたのは、ジンという商品だけではありません。
香り、風景、植物、寺社、カフェ、人との出会いなどを含めた室生全体の体験価値でした。

地域回遊として機能した11日間
今回の企画は、一つの会場へ集客するイベントではありませんでした。
実際には、
室生寺
橋本屋
melimelou
fufufu
龍穴神社
龍王ヶ淵
龍鎮神社
室生山上公園芸術の森
などを巡る中でギャラリーへ立ち寄る人が多く見られました。
また逆に、ギャラリー来場後に寺社やカフェへ向かう来場者もいました。
来場者の動きを見ると、
「室生アートカフェラリー × 宇陀ジンギャラリー」は地域全体を巡る導線として機能していた
ことが分かります。
また、宇陀ジンギャラリーでは来場者に対して、その日ごとに蒸留した宇陀に自生する植物を使った芳香蒸留水やノンアルコールジン、ノンアルコールジンカクテルなどを無償提供しました。
電車で来場した人や同乗者がいる人の中には、実際にジンを楽しむ人もおり、ギャラリーでありながらカフェやバーのように過ごす来場者も見られました。
その結果、短時間の見学だけではなく、香りや植物、地域文化について会話を楽しみながら長時間滞在する人も少なくありませんでした。
また、期間中に複数回訪れる来場者も見られ、単なる展示企画だけではなく、人と地域をつなぐ交流の場として機能していたことがうかがえます。

キービジュアルが来訪動機になった
今回特に興味深かったのは、キービジュアルや発信そのものが来訪動機になっていたことです。
来場者ヒアリングでは、
「Instagramで見た」
「デザインに惹かれた」
「香りで巡る、室生。という言葉が気になった」
という声が多く聞かれました。
イベント実施前から立ち上げた、Instagramアカウントは約1か月で
閲覧数:約18.7万回
リーチ:約3.9万アカウント
インタラクション:約7,400件
プロフィールアクセス:約4,400件
フォロワー:約1,050人
となりました。
またリーチの約63%はフォロワー外からのものでした。
さらに室生寺五重塔を使用したメインキービジュアルは170件保存されました。
SNSにおける保存は、「後で見返したい」「行ってみたい」と感じた際に行われる行動の一つです。
また、Googleマップ閲覧数も6,400回を超えました。
実際の来場者ヒアリングでも、
「デザインに惹かれた」
「室生という場所が気になった」
という声が多く聞かれました。
結果として、来場者が反応していたのはイベント情報そのものではなく、
「香りで巡る、室生。」という世界観そのものが来訪動機になっていたことが見えてきました。

「香りで巡る、室生。」という仮説
2026年5月、andground合同会社は
「香りから、人と土地を巡らせる。」
という考え方を発信しました。
今回の11日間で見えてきたのは、
香りや植物が観光資源になるということではありません。
香りを入口に、人が地域を知り、歩き、好きになるきっかけをつくれる可能性です。
人はジンを飲みに来たのではありません。
室生を体験しに来ていました。
香りに惹かれ、
風景を歩き、
植物に触れ、
人と出会い、
地域を好きになる。
約150名の来場者が残した行動や言葉は、
「香りで巡る、室生。」
という仮説を裏付ける結果となりました。
今後について
来場者から最も多く聞かれた言葉の一つが、
「このイベントがなければ来なかった」
でした。
私たちは、この言葉こそ今回の成果だったと考えています。
香りに惹かれ、
室生を歩き、
人と出会い、
また訪れたいと思う。
今回の11日間は、
「香りで巡る、室生。」という言葉が実際に人を動かした最初の実証実験
になりました。
室生を訪れる理由をつくる。
香りを入口に、人と土地を巡らせる。
今回の11日間は、その可能性を確かめる最初の一歩になったと考えています。
開催概要
【名称】
「香りで巡る、室生。」
室生アートカフェラリー × 宇陀ジンギャラリー
【開催期間】
2026年6月18日(木)〜6月28日(日)
【開催エリア】
奈良県宇陀市・室生エリア
【内容】
・室生アートカフェラリー
・宇陀ジンギャラリー
・Googleマップ回遊企画
・ボタニカル展示
・香りや植物文化の体験など
【参加費】
無料
【宇陀ジンギャラリー会場】
奈良県宇陀市室生向渕1408
【関連情報】
Instagram
室生アートカフェラリー Instagram
https://www.instagram.com/murou.artcaferally/
「香りで巡る、室生」ランディングページ
https://andground.jp/pages/murou
andground公式サイト
https://andground.jp/
【主催】
andground合同会社(奈良県宇陀市)


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