BPO放送倫理検証委員会が、 鹿児島テレビ 「他局取材音声の無断使用」に関する意見を公表
鹿児島テレビが自社制作番組3本で、高校の男子新体操部を紹介し、生徒を指導する監督の声を放送した際、他局が監督につけたワイヤレスマイクの音声を無断で受信し使用した事案について、放送倫理・番組向上機構[BPO] の放送倫理検証委員会(川端和治委員長)は、2014年2月10日(月)記者会見し、「放送倫理に違反していると判断した」との意見を公表しました。
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■ 概要
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鹿児島テレビが夕方の情報系番組「ゆうテレ」(2013年6月と8月)と、ミニ番組「チャンネル8」(2013年6月)で、高校の男子新体操部を紹介した。その際に、生徒を指導する監督の声を放送したが、これは、他局が監督につけたワイヤレスマイクの音声を無断で受信し、使用したものだった。
※電波法59条は、特定の相手方に対して行われる無線通信を傍受して窃用することを禁じている。放送局が取材で使うワイヤレスピンマイクの周波数は一定の範囲内に限定されており、容易に傍受できる仕様になっている。
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■ 委員会の判断
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NHKと日本民間放送連盟が定めた放送倫理基本綱領は、「放送人は、放送に対する視聴者・国民の信頼を得るために、何者にも侵されない自主的・自律的な姿勢を堅持し、取材・制作の過程を適正に保つことにつとめる」と定めている。
本件事案には、取材の過程で他局の無線通信を傍受し録音した音声を無断で使用した点で、電波法違反があった。取材クルーに電波法に違反しているという認識はなかったにせよ、他局の取材成果を無断で使用してはならないということは、むしろ放送人としての常識といえるだろう。そこには、競争相手である他局への敬意や独自取材の大切さへの認識が欠けていたといわざるを得ない。また、編集過程でも音声の無断使用をチェックすることができなかった制作体制にも問題があろう。したがって、他局の音声を無断で受信・録音し、そのまま放送してしまった取材・制作の過程は「適正」とはいえず、委員会は、本件事案の3本の番組が放送倫理に違反していると判断した。
なお、視聴者への公表が遅れた点については、特段の悪意や矮小化の意図は感じられなかったが、監督官庁への対応を優先した結果、視聴者への対応が遅れたことに問題がなかったとは言い切れない。放送倫理基本綱領が「万一、誤った表現があった場合、過ちをあらためることを恐れてはならない」と定めていることも念頭に、今後は、より主体的かつ積極的な、視聴者重視の姿勢を望みたい。
■委員会決定の全文はこちら http://www.bpo.gr.jp/?p=7276&meta_key=2013
<参考資料>
「放送倫理検証委員会」運営規則 http://www.bpo.gr.jp/?page_id=903
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■ 放送倫理・番組向上機構 概要
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名称 : 放送倫理・番組向上機構[BPO]
放送事業の公共性と社会的影響の重大性を踏まえて、正確な放送と放送倫理の高揚に寄与することを
目的とした非営利・非政府の団体。言論・表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護するため、
放送への苦情や放送倫理上の問題に対応する独立した第三者機関で、民放連およびNHKによって設置され、
以下の三委員会から構成される。
委員会: 放送倫理検証委員会
放送と人権等権利に関する委員会(放送人権委員会)
放送と青少年に関する委員会(青少年委員会)
住所 : 東京都千代田区紀尾井町1-1 千代田放送会館
理事長: 飽戸 弘
URL : http://www.bpo.gr.jp/
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■ 概要
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鹿児島テレビが夕方の情報系番組「ゆうテレ」(2013年6月と8月)と、ミニ番組「チャンネル8」(2013年6月)で、高校の男子新体操部を紹介した。その際に、生徒を指導する監督の声を放送したが、これは、他局が監督につけたワイヤレスマイクの音声を無断で受信し、使用したものだった。
※電波法59条は、特定の相手方に対して行われる無線通信を傍受して窃用することを禁じている。放送局が取材で使うワイヤレスピンマイクの周波数は一定の範囲内に限定されており、容易に傍受できる仕様になっている。
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■ 委員会の判断
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NHKと日本民間放送連盟が定めた放送倫理基本綱領は、「放送人は、放送に対する視聴者・国民の信頼を得るために、何者にも侵されない自主的・自律的な姿勢を堅持し、取材・制作の過程を適正に保つことにつとめる」と定めている。
本件事案には、取材の過程で他局の無線通信を傍受し録音した音声を無断で使用した点で、電波法違反があった。取材クルーに電波法に違反しているという認識はなかったにせよ、他局の取材成果を無断で使用してはならないということは、むしろ放送人としての常識といえるだろう。そこには、競争相手である他局への敬意や独自取材の大切さへの認識が欠けていたといわざるを得ない。また、編集過程でも音声の無断使用をチェックすることができなかった制作体制にも問題があろう。したがって、他局の音声を無断で受信・録音し、そのまま放送してしまった取材・制作の過程は「適正」とはいえず、委員会は、本件事案の3本の番組が放送倫理に違反していると判断した。
なお、視聴者への公表が遅れた点については、特段の悪意や矮小化の意図は感じられなかったが、監督官庁への対応を優先した結果、視聴者への対応が遅れたことに問題がなかったとは言い切れない。放送倫理基本綱領が「万一、誤った表現があった場合、過ちをあらためることを恐れてはならない」と定めていることも念頭に、今後は、より主体的かつ積極的な、視聴者重視の姿勢を望みたい。
■委員会決定の全文はこちら http://www.bpo.gr.jp/?p=7276&meta_key=2013
<参考資料>
「放送倫理検証委員会」運営規則 http://www.bpo.gr.jp/?page_id=903
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■ 放送倫理・番組向上機構 概要
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名称 : 放送倫理・番組向上機構[BPO]
放送事業の公共性と社会的影響の重大性を踏まえて、正確な放送と放送倫理の高揚に寄与することを
目的とした非営利・非政府の団体。言論・表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護するため、
放送への苦情や放送倫理上の問題に対応する独立した第三者機関で、民放連およびNHKによって設置され、
以下の三委員会から構成される。
委員会: 放送倫理検証委員会
放送と人権等権利に関する委員会(放送人権委員会)
放送と青少年に関する委員会(青少年委員会)
住所 : 東京都千代田区紀尾井町1-1 千代田放送会館
理事長: 飽戸 弘
URL : http://www.bpo.gr.jp/
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