類設計室 建築設計で環境デザイン推進 3大学と共同研究を発表
~「学校建築で省エネ」「気候風土を活かす」「環境シミュレーションを学習に」~
建築は環境とどう共生するのか――いわゆる「環境デザイン」の在り方を求め、弊社は多くの大学やその研究室と、共同で研究を進めています。
たとえば東京大学とは、学校建築でどれくらい省エネが達成されるかを共同研究。それに関連したシンポジウムも先日開催しました(後日プレスリリース予定)。
滋賀県立大学とは、琵琶湖からの風をやわらげる伝統の「大和塀」など、地域の気候風土と上手に付き合ってきた先人の知恵をどう建築に活かすのかを研究しています。
信州大学との共同研究では、最近注目されているZEB(ゼブ=ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の観点から、それまでの校舎とZEBによる新校舎でどれほど快適性に違いが生まれるかを、実際に生徒の皆さんに参加していただき、その結果を環境教育にも活用できるよう取り組む予定です。
弊社はこれらかも大学をはじめ、多くの共創パートナーとともに建築における環境デザインの研究をさらに進めてまいります。
【共同研究の概要】
〈1.東京大学との共同研究で「快適な学習環境をつくる省エネ建築」~木造校舎の省エネ改修〉
学校教育施設は公共施設で最大面積を占め、脱炭素化に大きく関わります。また、子供の学びと成長を支える施設として、省エネだけでなく、快適性も重要です。今後増加が期待される木造校舎を照準に、竣工物件の環境データと運用条件を測定。新築・改修設計の条件へのフィードバックとともに、運用への提案を行っています。
環境の実測と最適化分析においては、東京大学 大学院工学系研究科 前真之研究室と共同研究を行っています。設備の運転時間、設定温度、窓開けとの連関などを測定し、設計での想定と比較検証を行いました。学校における快適環境の高度化に向けて今後も取り組んでいくため、自治体・NPO・地域住民らが各地で実践されている断熱・省エネ改修について情報を共有し、連携していくために「学校建築脱炭素化研究会シンポジウム」を開催しました。
〈2.滋賀県立大学との共同研究で「地域の気候風土を活かす環境デザイン」~立地環境を省エネと快適性に活かす〉
エネルギーを使わない真のZEB建築の実現には地域の風土や資源などの自然利用の高度化が不可欠です。その第一歩は敷地周辺の自然環境の把握にあります。
弊社では、滋賀県東北部工業技術センターの設計にあたり、滋賀県立大学・環境科学部環境建築デザイン学科の金子尚志研究室と協働で、計画地周辺の集落調査を行いました。
実地調査の結果、湖風を和らげる大和塀など、地域の風土に即した先人の知恵が発掘できました。敷地周辺の気候やそれに適応した建築的な工夫などの考え方を現代建築に活かし、滋賀県の環境建築モデルの構築をめざしていきます。
〈3.信州大学との共同研究で「生徒が学び育てる省エネ校舎」~環境シミュレーションを活用した学習カリキュラム〉
社会的な環境意識を高めるために、学校建築においては「学び」として環境共生を実践することが重要です。そこで、宇治市西小倉地域小中一貫校の設計において、信州大学・工学部建築学科 中谷岳史研究室との共同研究を行っています。
竣工後の校舎において、「エネルギー低減」と「快適な環境づくり」について、生徒自らが考え、行動へ移すきっかけとなる取り組みを始めました。現地建替えならではの特性を活かし、児童・生徒が参加する形で既存校舎群と新校舎の環境を実測し、その違いをデータ(見える化パネルなども含む)と体感により把握、分析します。実測では、ルーバーの角度や塗装の違いによる効果も分析しており、得られた最適解を、設計仕様や運用改善、環境教育につなげていきます。
今後は、既存校舎の対象範囲を広げていくとともに、新築においても運用段階の実測を行います。これにより、エネルギー低減と健康や快適性という領域を両立させ、最適化した建築設計仕様を確立していき、その成果を環境省に提言する予定です。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像