ナティクシス・インベストメント・マネージャーズの調査で、プロのファンド投資家は2021年にリスクは高まると予想しているものの、市場の投資機会に関しては楽観的であることが判明

  • 主なポートフォリオ・リスク要因としては、ボラティリティ、低・マイナス金利、信用収縮が挙げられる 
  • プロのファンド投資家の8割が、個人投資家は新型コロナウイルスの感染拡大前と比べて、より不用意にリスクをとっていると回答
  • 6割超がバリュー株は成長株をアウトパフォームすると予想するなど、バリュー投資が注目されている
  • 過半数の回答者が、新興国市場の魅力がコロナ禍前より高まったと回答

ナティクシス・インベストメント・マネージャーズが実施した世界のファンド投資家を対象とした調査では、不安定な市場やマイナス金利環境が続く中、プロのファンド投資家は、2021年に予想される市場の上昇機会を捉えるためにポートフォリオを調整していることが判明しました。

同調査は、世界中の独立系金融アドバイザー、登録投資顧問業者、保険会社、運用プラットフォーム、プライベートバンク、ファミリーオフィスなど、資産規模総額12兆7,000億米ドルを占める400のファンド投資家を対象に、2020年11月と12月に実施されました。

リスクを抱える世界はコロナと苦闘し続ける
2020年末におけるファイザー社とモデルナ社の新型コロナウイルスワクチンの承認を受けた楽観論の台頭にも関わらず、ファンド投資家の6割が、コロナ禍の「ニューノーマル(新常態)」は定着すると予想しており、また、3分の2が2021年内に世界経済がコロナ禍から回復することはないと見ています。

新型コロナの感染拡大や政治に対する大きな懸念は、必ずしも市場に対する否定的な見解へとはつながっておらず、大多数(回答者の8割)が、再び景気が悪化した場合には中央銀行が市場を支援すると確信しています。

回答者は、世界のファンド投資家が直面する2021年の最も大きなリスクとして、ボラティリティ(49%)とマイナス金利(39%)を挙げています。それ以外のリスクとしては、インフレ(37%)、信用収縮(34%)、流動性問題(25%)などが考えられています。

今後も政策立案者による追加的な財政・金融政策が実施される可能性が高いことから、ファンド投資家は2021年に株価は更に上昇する余地があると見ており、投資機会を求めて世界中に目を向けていくと答えています。2020年第4四半期末時点では、リスクオン戦略が選好されており、2021年に関しては、回答者の61%が小型株による大型株のアウトパフォーム、60%が新興国市場による先進国市場のアウトパフォーム、そして、66%が積極的なポートフォリオがディフェンシブなポートフォリオをアウトパフォームすると予測しています。また、困難な市況下において明るい材料の可能性を見極めることに力を注ぐ意向であり、7割が2021年にはアクティブ運用がパッシブ運用をアウトパフォームすると予想しています。

ナティクシス・インベストメント・マネージャーズの機関投資家・個人投資家営業部門統括者でエグゼクティブ・バイス・プレジデントを務めるマシュー・シェファーは次のように述べています。
「2020年は、気候変動や自然災害、政治的緊張、史上最速の市場の調整など、世界的な感染症拡大をも上回る大きな課題が市場に浮上した年となりました。不透明要因は依然払拭されておらず、金融市場がバブルの領域に入ったのではないかという懸念も高まっています。しかしながら、調査の対象となったファンド投資家は市場リスクを投資機会として捉えており、その一方で、お客様にアルファをもたらす機会を見いだすためには、綿密な分析が必要であることも認識しています」

希望の光が投資機会を照らす
調査結果によると、楽観論はセクターに対する見解にも反映されています。プロの投資家は、特にヘルスケアに対して強気で、回答者の56%がヘルスケアセクターは市場をアウトパフォームすると予想しています。次いで、一般消費財(46%)、IT関連企業(45%)、エネルギー(44%)、金融(44%)と続きます。

ESG投資は、世界のファンド投資家が依然として継続的に注目している分野です。ESG戦略は、2020年の市場の混乱時においても強さを見せた実績があり、回答者の57%が、2021年もアウトパフォーマンスが続くと予想しています。市場の幅広い機会を捉えるために、半数以上のファンド投資家は、ESGやテーマ別投資に特化した戦略をモデル・ポートフォリオに追加し、ラインナップを充実させたいと考えています。

資産配分の適応
低金利からマイナス金利、成長の鈍化という環境下において、本調査は、2021年にはバリュー投資が復活することを明らかにしました。2020年に向けて、ファンド投資家は持続的な成長を促す要素を備えたセクターに注目していましたが、2021年では逆に、63%のファンド投資家が、バリュー株が成長株をアウトパフォームすると予想しています。

回答したファンド投資家の内、36%が米国株の保有を減らし、その他地域の市場動向がもたらす機会を捉えようと考えており、55%がアジア太平洋地域の株式の取得を計画しています。

継続的な市場のボラティリティを背景に、ファンド投資家はポートフォリオを再構築し、アジア以外の新興国市場での機会を捉えるために模索しています。回答者の65%が、コロナ禍前よりも新興国市場の魅力が増したと述べています。さらに、52%が新興国市場への投資を増やすことを決めています。

投資家のリスク選好度に関する懸念
ファンド投資家は、ボラティリティは上昇する可能性があり、バリュー株が成長株をアウトパフォームすると予想していることから、83%が、2021年にはアクティブ投資が市場に選好されると見ています。アクティブ戦略に対するコミットメントは2020年に増強された可能性が高く、3分の2が市場の下落時にはアクティブ投資がアウトパフォームしたと回答しています。

プロのファンド投資家の間では、個人投資家が2021年に直面するリスクを上手く乗り切ることができるのかという懸念が高まっています。コロナ禍を通して市場が堅調に推移したことが、個人投資家がコロナ禍前よりも不用意にリスクを取る原因となっている可能性が高く、ファンド投資家の78%が、ボラティリティの上昇により個人投資家が時期尚早な段階で投資を清算してしまうことを懸念しています。

そのため、ファンド投資家は、顧客ニーズへのより良い対応を目指し、顧客のポートフォリオ全般の一貫性を高めるために、提供する投資商品を改革しており、80%が量より質を重視していると回答しています。よりリスクが高く、変動の大きい資産への関心が高まっていることに加えて、清算の可能性に対する懸念から、顧客にモデル・ポートフォリオを提供している295社のプロの投資家の54%が、2021年にはより多くの顧客をモデル・ポートフォリオに移行させることを考えています。

ナティクシス・インベストメント・マネージャーズの北アジア代表を務める加藤欣司は、次のように述べています。
「コロナ禍の『ニューノーマル(新常態)』に適応し、コロナ禍の市場とお客様の新たなニーズに対応するために、ファンド投資家は資産配分戦略と提供する投資商品の双方を修正しています。ファンド投資家は2021年内に世界経済がコロナ禍前の水準まで回復するとは考えていないかもしれませんが、今後数年間の基盤となる、明確で綿密な計画をもって、この『前例のない』時代に挑んでいます」

「Headed for the light(希望の光に向けて)」と題するナティクシス・インベストメント・マネージャーズによるファンド投資家調査2021年の全文(英語)はこちら(https://www.im.natixis.com/intl/research/professional-fund-buyer-survey-2021-outlook)よりご覧いただけます。

調査方法
ナティクシス・インベストメント・マネージャーズの「プロのファンド投資家のグローバル調査」は、2020年11月および12月に調査会社CoreData Researchにより実施されました。同調査では、アジア、北米、中南米、英国、欧州大陸、中東、アフリカを含む世界の23ヵ国・地域の400人からの回答を得ました。

ナティクシス・センター・フォア・インベスター・インサイトについて
投資は複雑です。事象リスクは大きく、発生頻度も高い傾向にあります。また、市場は上昇する場合でも、常にボラティリティがつきものです。投資商品はさらに複雑です。様々な要因が投資家の心理を圧迫し、態度や見解を形成し、最終的に投資決定に影響を与えます。センター・フォア・インベスター・インサイトは、リスクに対する感覚、市場に対する態度、投資に対する見解を把握するために、世界の投資家を対象に調査を実施しています。

ナティクシス・インベストメント・マネージャーズについて
ナティクシス・インベストメント・マネージャーズは、ポートフォリオ構築に対する鋭い洞察力に裏付けられたアプローチを通じて金融プロフェッショナルにサービスを提供しています。世界の20社を超える投資運用会社の専門能力を結集して、Active Thinking®のもと、あらゆる市場でより良い成果を追求するお客様をサポートする先見的なソリューションを提供しています。ナティクシスは世界トップクラスの資産運用会社のひとつ(1)で、運用資産総額(2)は1.389兆ドル超(1.135兆ユーロ)に達します。

パリとボストンに本社を置くナティクシス・インベストメント・マネージャーズは、ナティクシスの子会社です。パリ証券取引所に上場しているナティクシスは、フランス第2位の銀行グループBPCEの子会社です。ナティクシス・インベストメント・マネージャーズの関連資産運用会社は次の会社が含まれます。AEW; Alliance Entreprendre; AlphaSimplex Group; DNCA Investments;(3) Dorval Asset Management; Flexstone Partners; Gateway Investment Advisers; H2O Asset Management; Harris Associates; Investors Mutual Limited; Loomis, Sayles & Company; Mirova; MV Credit; Naxicap Partners; Ossiam; Ostrum Asset Management; Seeyond; Seventure Partners; Thematics Asset Management; Vauban Infrastructure Partners; Vaughan Nelson Investment Management; Vega Investment Managers;(4) and WCM Investment Management。 投資ソリューションは、ナティクシス・アドバイザーズおよびナティクシス・インベスト・ソリューションを通じても提供されます。管轄地区によりご提供できない運用戦略もございます。詳細は、当社ウェブサイト(im.natixis.com )およびLinkedIn(linkedin.com/company/natixis-investment-managers)をご覧ください。

ナティクシス・インベストメント・マネージャーズは、ナティクシス・ディストリビューションL.P.ならびにナティクシス・インベストメント・マネージャーズS.A.(ルクセンブルク)、ナティクシス・インベストメント・マネジャーズ・インターナショナル(フランス)、およびその傘下の欧州およびアジアにおけるすべての販売関連のサービス会社を含みます。ナティクシス・ディストリビューションL.P.は、ナティクシス・インベストメント・マネージャーズの関連会社がアドバイザリー・サービスを提供するさまざまな米国登録投資運用会社のための限定目的のブローカー・ディーラーおよび関連サービス会社です。
  1. Cerulli Quantitative Update: Global Markets 2020によれば、ナティクシス・インベストメント・マネージャーズは2019年12月末時点の受託運用資産(AUM)規模で世界第17位となっております。
  2. AUMは2020年12月末現在の数値(1兆3,897億ドル)。これには、想定資産、資産運用サービスを提供している資産、グロス資産、少数持分関連会社の資産、ナティクシス・インベストメント・マネージャーズの関連会社が資産運用サービスを提供しているその他の規制対象外のAUMが含まれている可能性があります。
  3. DNCA Financeのブランド。
  4. ナティクシス・ウェルス・マネジメントの完全子会社。

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会社概要

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業種
金融・保険業
本社所在地
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電話番号
03-6635-4020
代表者名
井上 真司
上場
未上場
資本金
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設立
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