【広島・長崎被爆75年】 国際赤十字:核の脅威再燃で各国に核兵器の時代の終焉を呼び掛ける

ICRC

核兵器使用のリスクは冷戦終結以降かつてない水準にまで高まっている ©ICRC核兵器使用のリスクは冷戦終結以降かつてない水準にまで高まっている ©ICRC


※被爆75年に際し、赤十字国際委員会(ICRC)と長崎県、長崎市は、今週日曜日の8月9日、「核兵器が存在することは人類にとって何を意味するのか ~コロナ危機の最中に考える」と題したオンラインイベントを開催します。ノーベル平和賞を受賞した組織(ICAN、ICRC)と、国連の軍縮部門を率いる中満泉氏、前事務総長の潘基文氏など錚々たる顔ぶれでお届けします。参加方法についてはこちら: http://jp.icrc.org/event/75-years-after-hiroshima-and-nagasaki-nuclear-threat-returns/

75年前の1945年8月6日朝、米軍の爆撃機B29が広島に恐ろしい新兵器を投下しました。


核兵器によって広島の街は壊滅しました。瞬時に約7万人もの命を奪ったとされ、それ以上に多くの人々が凄まじいケガを負いました。3日後の8月9日には、二つめの核爆弾が長崎市を破壊し、3万9千人が亡くなったとされています。


1950年までに、放射線による病気など原爆の影響で命を落とした人々は34万ともいわれています。赤十字国際委員会 (ICRC) と日本赤十字社は当時、厳しい状況下にある現場に入り人道支援を提供。瀕死の人々や負傷者の救助に当たり、計り知れない苦しみと荒廃を目の当たりにしています。
 

原爆が投下される前後の広島原爆ドーム ©広島平和記念資料館原爆が投下される前後の広島原爆ドーム ©広島平和記念資料館


広島・長崎への原爆投下から75年の節目を迎える今年、核兵器使用のリスクは冷戦終結以降かつてない水準にまで高まっています。核保有国とその同盟国を巻き込んだ軍事事件が頻発し、核武装国は核兵器の使用をちらつかせ、あからさまな威嚇を繰り返しています。

 その上、現存する核兵器を廃絶するための国際協定は反故にされ、新しい核兵器が開発されています。世界は新たな核軍拡競争という危険な道をたどっているのです。こうした動きを踏まえて、国際社会は、この決して受け入れられない兵器の禁止と廃絶に向けて早急に取り組む必要があります。核兵器の影響が壊滅的であることが明白となった今、国際人道法に則った形で使用することも可能であるという主張は極めて疑わしいものになりました。
 
ICRC総裁ペーター・マウラー: 「核爆発の恐怖は遠い昔の出来事に感じられるかもしれません。しかし今日において、核兵器が再び使用されるリスクは高まっています。核兵器の保有と拡散のリスクを削減する国際協定はとん挫したままで、新型の核兵器が製造されています。私たちは深刻な脅威にさらされているのです。これは核軍拡競争であり、おぞましい状況です。私たちはすべての国家に対して、核兵器禁止を促すとともに、核保有国には廃絶に向けた交渉を真摯に行うよう働きかけなければなりません」

 国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)フランチェスコ・ロッカ会長 : 「国際社会は核爆発後に人々に支援を届けることはできないでしょう。放射線被ばくによる病気や、食料生産の減少、甚大な規模の破壊と汚染に対して、どんなに手を尽くしたとしても十分な人道的対応は望めないでしょう。核を用いた争いごとに対処する準備ができている国はありません」

 2017年7月、核のない世界の実現への幅広い支持が形となり、122カ国が核兵器禁止条約を採択しました。発効には50カ国の批准が必要ですが、これまでに批准したのは40カ国です。この条約は、核兵器の開発、実験、製造、貯蔵、配備、移転、使用、威嚇を禁止しています。核武装国が加入する際は、定められた期限までにすべての核兵器事案を放棄し、そのことを立証しなければなりません。

 マウラー総裁とロッカ会長は、核兵器禁止条約の加入国を称賛し、1945年の惨事を二度と繰り返さないためにも、未加入国にはこれに続くよう促しました。2人のリーダーは、同条約が国際人道法の新たな規範になることが重要だと述べています。

 「冷戦終結以降、核兵器の壊滅的被害とそもそもの非人道性に関心を持つよう、これほど緊急性をもって訴えられたことはありません。私たちは、どんな状況下にあっても核兵器の使用は人道的、道徳的、法的に受け入れられない、と明確に伝える必要があります」と、ロッカ会長は言います。

 世界には1万4000を超える核爆弾が存在し、多くは長崎と広島に投下されたものに比べて数十倍の破壊力を有します。そのうち、数千発はすぐに使えるよう配備されています。

 マウラー総裁は次のように語ります。「人道上壊滅的な被害を与える兵器を、安全保障の手段として解釈することは到底できません」。

 核兵器禁止キャンペーンの詳細についてはこちらをご覧ください:www.notonukes.org
新作の動画も掲載しています。

 ICRC、IFRC、国際赤十字・赤新月運動についてはこちら:http://jp.icrc.org/movement/

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財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都港区赤坂1-11-36 レジデンスバイカウンテス320
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03-6628-5450
代表者名
榛澤 祥子
上場
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資本金
-
設立
1863年02月