国連大学:ボトル飲料水に関する新報告書
ボトル飲料水は、世界が安全な水をすべての人に届けられていない現状を隠し、持続可能な開発を妨げ得る
カナダに所在する国連大学の水・環境・保健研究所(UNU-INWEH)から、ボトル飲料水に関する報告書が発表されました。報告書の詳細は下記および別添をご参照ください。
報告書:『世界のボトル飲料水産業:影響と傾向の評価(Global Bottled Water Industry: A Review of Impacts and Trends)』
著者: UNU-INWEHゼイネブ・ブーレル、同ジミー・コプケ、同ヴラディミール・スマッティン、マクマスター大学マリアム・ミーナ
要点:
- ボトル飲料水産業は、信頼のおける飲料水をすべての人に届けるという重要なSDGsターゲットにおいて公共システムが失敗している、という世界の重大問題を覆い隠すことに貢献している。
- 一部の民間企業は、公共財である水をわずかなコストで入手し、処理し、お金を払える人に売り戻している。40カ国における事例で、皮肉なことに、完成した製品は必ずしも安全ではないことが示された。公共水道事業者と比べて民間企業はほとんど監督されていない。
- ボトル飲料水によって発生するプラスチックごみの問題は急拡大している。毎年発生するごみの総重量は40トン・トラック625,000台分に相当し、縦列させたら、ニューヨークからバンコクを繋げられる距離。
- 世界のボトル飲料水の総売上高は2030年までに倍加して0.5兆ドルに達することが見込まれる中、産業全体の規制を強化することが今まで以上に重要となる。
- 産業の成長が示すのは世界的な不平等、そして、基本的な人権として安全で十分で安価な水を普遍的に供給することの必要性。
報告書のダウンロードはこちらから:http://inweh.unu.edu/wp-content/uploads/2023/03/UNU_BottledWater_Report_F.pdf
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