セルフ式ガソリンスタンドの人手不足をAIでサポートするための実証実験を実施
~実運用に向けて、AIによる給油許可判定や給油完了までの監視などを検証~
■背景:人手不足によりガソリンスタンド(SS)が半減、今後も生活に欠かせない供給網の維持が必須
人手不足等により、国内のガソリンスタンド数は2023年度末に約2万7000店と、1994年度のピーク時に比べて半減※2し、特に過疎地域を中心に深刻な課題となっています。電気自動車(EV)の普及が見込まれる今後も、政府のEV・PHEV※3販売目標は2030年に20~30%であり、また2035年には電動車※4 100%とされる※5一方で、100%に切り替え後もガソリン車の利用が許容される予定であることから、供給網の維持が引き続き求められます。
また、2018 年に「エネルギー基本計画」等※6が閣議決定されて以降、AI・IoTなどの新たな技術を活用し、人手不足の克服、安全かつ効率的な事業運営や新たなサービスの創出に向けて、業界全体で安全確保を前提とした規制のあり方について検討が進んでいます。セルフ式ガソリンスタンドにおいても、現状法令義務であるスタッフによる顧客の給油作業の監視および許可に、AIを活用することが検討されています。
これを受けELEMENTSは、人間の行動特性を学習し、行動の予測を行うELEMENTSの基盤技術や、画像認識技術を活用して、2018年より業務負担の軽減や省人化の実現を目指す本システムの開発に着手し、コスモ石油マーケティングとタツノとともに、実運用に向けた実証実験などを行ってきました。
※1 総務省消防庁 顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所における条件付自動型AIシステムの導入に向けた実証実験の実施について
https://www.fdma.go.jp/laws/tutatsu/items/6823e1ff87bb380c0eb3cd246d8689f10512ded9.pdf
※2 資源エネルギー庁
令和5年度末揮発油販売業者数及び給油所数を取りまとめました(令和6年7月)
https://www.enecho.meti.go.jp/category/resources_and_fuel/distribution/hinnkakuhou/240729.html
揮発油販売業者数及び給油所数の推移(登録ベース)(平成29年7月)
https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11098489/www.enecho.meti.go.jp/category/resources_and_fuel/distribution/hinnkakuhou/data/20170704_ss28fy.pdf
※3 PHEV:プラグイン・ハイブリッド自動車
※4電動車:電気を動力源として使う自動車で、「電気自動車(EV)」「ハイブリッド自動車(HV・HEV)」「プラグイン・ハイブリッド自動車(PHV・PHEV)」「燃料電池自動車(FCV・FCEV)」がある
※5 経済産業省「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略/自動車・蓄電池産業/主な今後の取組」
https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/ggs/05_jidosha.html
※6 資源エネルギー庁「エネルギー基本計画」(平成30年7月)
https://www.enecho.meti.go.jp/category/others/basic_plan/pdf/180703.pdf
■実証実験について
・概要
実施日:2024年10月中開始
実施場所:セルフ&カーケアステーション日野南など
内容:2024年3月の消防庁通達で求められている仕様に対して追加開発をした機能や、既存機能の改善の検証
例)AIによる給油許可判定、給油完了までの監視の検証など
本システムは、給油者がガソリンの給油や灯油の注油をする際に、ノズルを計量機から外して給油や注油を開始する際の許可判定、および給油や注油が完了しノズルを計量機に戻すまでの監視をAIが行います。ガソリンスタンドのレーンにカメラを設置し、カメラから取得された画像情報などから AIによる画像認識技術で、正常な給油姿勢であれば給油の許可を、給油の際に火気の疑いや、ポリタンクや携行缶への給油の疑いがある際は、給油の不許可/停止及びSS従業員への警告を自動で行います。
現在SS従業員が行っている業務の一部をAIに代替させ、店舗における省人化や既存SS従業員の高付加価値販売へのシフトのほか、AIのサポートでヒューマンエラーなどによる事故やトラブルを防ぐなど現状以上の安全確保の実現を目指します。
・各社の役割
コスモ石油マーケティング:管轄消防への説明、石油連盟との調整、実証実験の推進、実験場所の提供
タツノ:給油の許可や停止を行う機器の連携システム開発、設備やカメラの設置工事
ELEMENTS:プロダクト設計、マネジメント、AI開発/判定システム開発
■コスモ石油マーケティング株式会社について
コスモ石油マーケティングの役割は、エネルギー・サービスなどグループ商品の販売を通じ、法人・個人のお客様のお役に立つことです。グループ内では最もお客様と繋がった身近な存在と言えます。「ココロも満タンに」のスローガンを掲げ、先進性・革新性を持ったお客様とのお付き合いを目指して20年以上が過ぎました。環境負荷軽減・自動化・サービス化・電動化など、今後も大きな事業環境の変化や技術革新が予想されます。私たちは従来に増してお客様と密接に繋がり、時代とお客様のニーズにマッチした「ココロも満タンに」を追求することで、企業・事業としての持続的成長を目指して参ります。
所在地:東京都港区芝浦1-1-1
代表者:森山 幸二
設立:2015年2月
Webサイト:https://com.cosmo-oil.co.jp/company/overview.html
■株式会社タツノについて
ガソリンスタンドで使用される計量機をはじめ、各種危険物施設で使用される機器をサポートする、総合エネルギーインフラ機器メーカー。全国78ヵ所の販売拠点を完備し、設計施工からメンテナンスまで一貫したサポート体制を構築。燃料供給分野において国内外で培った広範な経験を活かし、車両向け高圧水素供給設備やBCP対策機器、土壌浄化修復など社会の環境づくりに貢献します。
所在地:東京都港区三田三丁目2番6号
代表者:龍野 廣道
設立:1911年5月
Webサイト:https://tatsuno-corporation.com/jp/
■株式会社 ELEMENTS について
「Know You ! Fit You ! 〜自分だけの要素を知ることで、より自分らしい生き方を選択できる世界に〜」をビジョンに掲げ、個人認証、個人情報管理、個人最適化の 3 つのソリューションを展開する会社です。金融犯罪や大量生産・大量廃棄などがもたらす社会課題の解決を目指しています。現在の主力サービスであるオンライン本人確認サービス「LIQUID eKYC」は、金融や通信など幅広い業界で 200 社以上に導入されています。
所在地:東京都中央区日本橋本町3-8-3 日本橋ライフサイエンスビルディング 3 5 階
代表者:代表取締役会長 久田 康弘
代表取締役社長 長谷川 敬起
証券コード:東証グロース市場 5246
設立:2013 年 12 月
Web サイト: https://elementsinc.jp/
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