【福祉従事者が考える心理的サポートの必要性に関する実態調査】99.1%の方が福祉従事者として心理面でのスキルアップが必要と回答!
利用者との関わりで困ること第1位は「拒否的な態度への対応」
日本インストラクター技術協会(本社所在地:東京都千代田区)は、高齢者に関わる福祉に従事している全国20〜60代の男女108名を対象に「福祉従事者が考える心理的サポートの必要性」に関する実態調査を実施しました。
福祉の現場では、利用者の身体的な支援だけでなく心のケアも重要です。
福祉従事者が利用者に対しての心のケアが行き届く環境を整えることは、介護施設の責務といえます。
そこで今回、福祉心理アドバイザー資格検定試験(https://www.jpinstructor.org/shikaku/fukushishinri/)を主催する日本インストラクター技術協会(https://www.jpinstructor.org/)は、全国の男女108名を対象に「福祉従事者が考える心理的サポートの必要性」に関する実態調査を実施しました。
福祉従事者が利用者との関わりにおいて心理面で困ること、「拒否的な態度への対応」が53人で最多
はじめに「現場での利用者との関わりにおいて、心理面で困ることはありますか?(複数回答可)」と質問したところ、
最も多く挙げられた回答は「拒否的な態度への対応」で、53人が課題を感じていることがわかりました。拒否的な対応を取る利用者への対応は、福祉従事者にとって大きな負担となっていることがわかります。
次に「気分の波が激しい方への対応」と「怒りを表に出しやすい方への対応」がそれぞれ48人で並び、感情の起伏や怒りに対処するむずかしさが、現場での課題となっているようです。
「過度な要求への対応」は41名が回答しており、利用者の度を超えた要求が、福祉従事者の心理的負担となっていることがわかります。「本人の意思や要望の理解が難しい」(35人)も、利用者の意思を正確に汲み取る難しさを示しています。
「家族間の関係調整」に困難を感じる方は34人で、利用者本人だけでなく、家族との調整にも心理的な課題がある現場の状況が浮き彫りになりました。
さらに「帰宅願望への対応」は25名が挙げており、利用者の帰りたい要求に応える困難さが浮き彫りになっています。「非言語コミュニケーションの理解が難しい」(18名)や「うつ状態の方への対応」(18人)も課題として挙げられており、利用者の心の状態に寄り添った対応の必要性があります。
「その他」の項目には、「暴言や暴力」(50代女性・介護職員)といった意見も挙げられました。回答数は少ないものの、現場の多様な状況を反映した重要な事例と言えます。
福祉の現場で特に必要だと感じる知識・スキル、第1位は「高齢者特有の心理変化の理解」
福祉従事者の悩みが多いことがわかりました。福祉の現場で一番大事なことは何なのでしょうか。
次に「福祉の現場で特に必要だと感じる知識・スキルは何ですか?(複数回答可)」と質問したところ、福祉従事者にとって最も重要とされているのは「高齢者特有の心理変化の理解」で、53人の回答者がいました。これは、高齢者の心理の特徴や変化を正しく理解し、適切に対応する知識が不可欠であることを示しています。
次に「心理的安定を促す環境づくり」が52人とほぼ同数で挙げられ、利用者が安心して過ごせる居住環境を整える必要性が明らかになりました。
また「わかりやすい説明の仕方」(43人)や「傾聴の技法」(40人)といった、利用者との効果的なコミュニケーションを図るスキルも多く必要されていることがわかります。さらに「ストレスケアの方法」(39人)や「非言語コミュニケーションの読み取り方」(37人)も重要なスキルとして挙げられており、利用者の気持ちや状態を適切に把握することが求められています。
「家族関係の調整方法」(32人)や「不安やうつ状態への対応」(31人)といった、利用者本人だけでなくその家族や心理状態への対応に関する知識も重要視されています。
また、「緊急時の心理的サポート方法」(27人)が挙げられており、突発的な事態に冷静かつ適切に対応できるスキルが求められていることがわかりました。
その他の具体的な回答には、「相手との共通の話題や娯楽の共有」(1人)や「アンガーマネジメント」(1人)が含まれており、個別の状況に応じた対応力も必要とされています。
利用者から受ける相談(心理面)で多いもの、55人の方が「体調の変化への不安」と最多回答数
施設の利用者側にはどのような悩みがあるのでしょうか。
次に「利用者から受ける相談(心理面)で多いものは何ですか?(複数回答可)」と質問したところ、最も多く挙げられたのは「体調の変化への不安」で、55人が回答しています。利用者の多くが加齢や病状の進行による健康状態の変化に対して大きな不安を感じています。次に「身体機能の低下への不安」が51人の回答者数に上り、身体活動の制限や日常生活の自立への影響が、心理的な負担となっている現状がみられます。
「帰宅できないことへの不安」(46人)も多く挙げられ、特に施設入所者や長期療養者にとって、慣れ親しんだ環境から離れることへの心理的影響が大きいことがわかります。「食事や睡眠の悩み」(42人)も多く報告されており、これは利用者の日常生活の質に直接影響する問題であることがわかります。
精神的な悩みとしては、「孤独感」(37人)や「生きがいの喪失感」(31人)が挙げられています。これらの結果から、利用者が社会的つながりの喪失や自身の存在意義に不安を感じているようです。また「環境変化への不安」(27人)は、慣れない環境に対する心理的ストレスが、利用者にとって重要な課題であることを示しています。
さらに「家族へ迷惑をかけていることへの罪悪感」(21人)は、利用者が家族に対して負担をかけていることを気にしており、家族との関係が心理面に大きな影響を与えていることを示しています。「他者との関係性の悩み」(13人)など、対人関係に関する特定的な問題も少数ながら挙げられています。
その他、「物を取られたという相談」(1人)も報告されており、個別の心理的なケアが必要な場合もあるようです。
利用者の家族から受ける相談(心理面)で多いもの、第1位は「介護疲れ・疲労感」
利用者の悩みが多岐にわたることが明らかになりました。では、利用者の家族が抱える悩みはあるのでしょうか。
次に「利用者の家族から受ける相談(心理面)で多いものは何ですか?(複数回答可)」と質問したところ、最も多かった相談内容は「介護疲れ・疲労感」で、59名が回答しました。家族が介護に伴う身体的・疲労的な疲労を強く感じており、支援が必要な状況であることが浮き彫りになっています。
次に多いのは「介護に関する家族間の意見調整」(36人)で、家族間の意見の違いが心理的負担となり、調整の難しさが課題となっていることが明らかです。
また「利用者との要望の違い」(32人)や「介護に対する不安や自信のなさ」(31人)も多く挙げられており、利用者に期待されることへのプレッシャーや、介護に対する自己評価が低いことを表しています。「利用者とのコミュニケーションの取り方」(29人)や「将来への漠然とした不安」(28人)も頻繁に相談内容として挙げられています。
さらに「利用者の面会や外出に関する調整」(23人)は、施設や外部との調整が心理的負担があることを示しており、特に外出や面会における柔軟な対応が求められて「自分の時間が待てない悩み」(20人)や「家族としての罪悪感」(18人)も少なくありません。家族が介護に追われることで自分の時間を確保できない現状や、家族としての責任を果たせていないと感じる心理の負担が浮きぼりになっています。
68.5%の方が福祉従事者として、心理面でのスキルアップはとても必要と回答
利用者側には三者三様の悩みがあることが明らかになりました。福祉従事者はこれらの悩みを解決するために、どんなことができるのでしょうか。
次に「福祉従事者として、心理面でのスキルアップは必要だと感じますか?」と質問したところ、
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とても必要:68.5%
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やや必要:30.6%
-
あまり必要ない:0.9%
-
まったく必要ない:0.0%
と「とても必要」と回答した方は68.5%に達し、心理的なスキル向上を強く求めている様子が伺えます。
また「やや必要」と回答した方は30.6%で、これを合わせて全体の99.1%が心理面でのスキルアップが必要と感じていることが明らかです。
一方、「あまり必要ない」と回答した方はわずか0.9%で、「まったく必要ない」と回答した方は0%でした。
福祉現場では、心理面でのスキルアップが非常に重要であることがわかります。
福祉心理に関する資格取得に興味がある方は91.7%
最後に「福祉心理に関する資格取得に興味はありますか?」と質問したところ、
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ぜひ取得したい:36.1%
-
どちらかと言えば取得したい:55.6%
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あまり興味がない:7.4%
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まったく興味がない:0.9%
「ぜひ取得したい」と回答した方は36.1%に達し、福祉心理の専門知識やスキルを強く求めている人が多いことがわかります。また「どちらかと言えば取得したい」と回答した方は55.6%に上り、資格取得に前向きな姿勢を示している人が過半数を占めています。これらを合わせると、全体の91.7%が資格取得に関心を持っていることが明らかです。
一方で「あまり興味がない」と回答した方は7.4%、「まったく興味がない」と回答した方はわずか0.9%にとどまり、福祉心理に関する資格取得に関心が低い層はごく少数であることがわかります。
【まとめ】福祉従事者にとって、心理的なスキルアップは急務
以上の調査結果から、福祉現場における心理的サポートの重要性と、それに伴う課題が解消されました。
利用者対応では、「拒否的な態度への対応」や「気分の波が激しい方への対応」、「怒りを表に出しやすい方への対応」が多く挙げられており、感情的な場面に適切に対応する必要性が強調されています。また、必要な知識やスキルとして、「高齢者特有の心理変化の理解」や「心理的安定を促す環境づくり」が特に重視されており、利用者の心理状態を深く理解し、安心感を考慮した環境を整える能力が求められています。
さらに、利用者からは「体調の変化への不安」や「身体機能の低下への不安」といった健康面での相談がたくさん寄せられており、家族からは「介護疲れ・疲労感」や「介護に関する家族間の意見調整」の相談が多く、介護に関わる家族の心理的負担もあることがわかりました。
また、福祉従事者の99.1%が心理面でのスキルアップが必要だと感じており、また68.5%が「とても必要」と強く認識しています。資格取得に対する関心も高く、91.7%の方が「資格を取得したい」と回答しており、心理的なサポート能力を高めることへの強い意欲があらわれています。
施設の利用者やご家族に対してより良い支援を提供するために、ぜひ福祉心理に関する資格取得にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
通信講座・資格のJIA日本インストラクター技術協会
『JIA日本インストラクター技術協会』(https://www.jpinstructor.org/)は、教える力を中心とした技術の水準の向上、各スキルの社会的地位の確立を目標とした資格認定制度を実施しております。
認定資格を取得することで、教える力を中心とした技術の各スキルの水準が一定以上であることを認定し、各スキルの技術者の社会的地位の確立を図ることを目的としています。
また、福祉心理学資格では、『福祉心理アドバイザー資格』(https://www.jpinstructor.org/shikaku/fukushishinri/)を取得いただけます。
福祉心理学資格の福祉心理アドバイザー資格とは、福祉についての基本的な知識や心理学に関する知識を持ち、教える能力が一定以上である方を認定します。
高齢者の心理、障がい者の心理、カウンセリングなど、幅広い理解が求められます。
資格取得後は、自宅やオンライン、カルチャースクールなどで講師活動ができます。誰かの役に立ちたい、福祉に関わる仕事がしたい、高齢者の家族を介助できるようになりたいと思われている方は、福祉に関する知識を身に付けて、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
■日本インストラクター技術協会:https://www.jpinstructor.org/
■お問い合わせ:https://www.jpinstructor.org/mail/
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調査概要:福祉従事者が考える心理的サポートの必要性に関する実態調査
【調査期間】2024年11月21日(木)~26日(火)
【調査方法】インターネット調査
【調査対象】高齢者に関わる福祉に従事している全国20〜60代の男女
【調査人数】108人
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【福祉心理資格についての掲載情報】
福祉心理アドバイザー資格取得講座
https://www.saraschool.net/mentality/f_shinri/
福祉心理カウンセラーW資格取得講座
https://www.designlearn.co.jp/fukushijyuukankyo/
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