喜界島の”今“を記録したサンゴ図鑑完成!

喜界島サンゴ礁科学研究所では、サンゴの分類や地質等が専門の研究者と共同で『喜界島 海と陸の造礁サンゴ図鑑』の制作を行い、2022年7月4日に販売を開始します。
世界でも稀有な隆起サンゴ礁の島である喜界島のサンゴを総合的に理解できる1冊です。
 

 

【喜界島のサンゴ図鑑制作の取り組み】
 喜界島サンゴ礁科学研究所は「100年後に残す」という理念のもと研究・教育・普及を軸に活動しております。サンゴ礁科学研究所にこどもたちから寄せられた「喜界島には何種類のサンゴがいるのだろう」という疑問から今回のサンゴ図鑑制作は始まりました。サンゴの分類や地質が専門の研究者をはじめ、弊所とそのほか喜界島に集まる学生が一緒になってサンゴの種類の把握や標本採取、写真撮影が行われました。

 



喜界島のある海域は亜熱帯と温帯の境界線に位置しています。地球温暖化の影響で日本各地のサンゴの種類が変わり、サンゴが北上していると言われていく中で今後喜界島のサンゴの種類も変わるかもしれません。サンゴ図鑑の制作によって喜界島の今を記録することにより、未来の研究につなげることができるとともに指標として残すことができます。また、図鑑制作に際して標本の作製も行われました。研究のためサンゴを採取し骨格標本を残すことは「本物」を残すことを意味します。100年後には今あるサンゴがいなくなることや、名前が変わることもあるかもしれません。その場合でも、図鑑を作った我々が観察したサンゴそのもの標本として残せば、未来の人が本物を確認することができます。
図鑑制作に際して、クラウドファンディングで多くの方々からご支援をいただいたほか、喜界島のダイビングサービスのご協力や多くの応援をいただきました。この図鑑をより多くの方に活用していただき、我々の想いとともに100年後に残ることを願います。


【書籍内容】
喜界島での調査で見つかった150種以上のサンゴを種類ごとに生時、骨格の写真とともに解説しています。生時の特徴と骨格の特徴が文字によっても解説されているため、サンゴを見分ける際にも非常に分かりやすい構成です。また、喜界島はサンゴ礁が隆起して形成された島であり、陸上でも化石としてサンゴが見られます。本図鑑では喜界島で観察できる化石のサンゴも属ごとに写真とともに解説しております。そのほか、隆起サンゴ礁の島である喜界島の成り立ちや、古くからサンゴを資源として活用してきた島民のサンゴ礁文化を紹介するページ、サンゴの形状や生態に関する解説など喜界島のサンゴの魅力がつまった図鑑です。

 

 


【編者紹介】
深見 裕伸 (ふかみ ひろのぶ)
宮崎大学農学部海洋生物環境学科 教授。東京水産大学大学院水産額研究科博士課程修了、博士(水産)。専門はイシサンゴの生態、分類、系統および進化。主な著書に「サンゴの白化」(分担執筆/成山堂書店)、「新・付着生物研究法」(分担執筆/恒星社厚生閣)など。

佐々木 圭一 (ささき けいいち)
金沢学院大学経済情報学部経済情報学科 教授。金沢大学大学院自然科学研究科地球環境科学専攻博士課程単位取得後退学、博士(理学)。専門はサンゴ礁地域の地形、地質、放射年代学。主な著書に「デジタルブック最新第四紀学」(分担執筆/日本第四紀学会)など。

磯村 尚子 (いそむら なおこ)
沖縄工業高等専門学校生物資源工学科 准教授。東北大学大学院理学研究科博士課程後期修了、博士(理学)。専門はイシサンゴおよび海産無脊椎生物の繁殖生態、進化、分子生態。主な著書に「美ら島の自然史―サンゴ礁島嶼系の生物多様性」(分担執筆/東海大学出版会)、「やわらかい南の学と思想―琉球大学の知への誘い」(分担執筆/沖縄タイムス出版部)など。

北野 裕子 (きたの ゆうこ)
一般財団法人自然環境研究センター 研究員。京都大学大学院理学研究科博士後期課程修了、博士(理学)。学位取得後、宮崎大学、琉球大学、および国立環境研究所で博士研究員として勤務したのち現職。専門はイシサンゴの形態分類、分子系統、集団遺伝。

藤井 琢磨 (ふじい たくま)
公益財団法人鹿児島市水族館公社 技術職員。琉球大学理工学研究科博士後期課程修了、博士(理学)。専門は六放サンゴ類の分類、系統、生物地理。主な著書に「大浦湾のいきものたち―琉球弧・生物多様性の重要地点、沖縄島大浦湾」「奄美群島の水生生物―山から海へ 生き物たちの繋がり―」(主に分担執筆・編集/南方新社)など
 



●サンゴ図鑑は喜界島サンゴ礁科学研究所もしくはネットショップでお求めいただけます。
https://sangocafe.base.shop/



NPO法人喜界島サンゴ礁科学研究所は、国際的にも稀少な隆起サンゴ礁から成り立つ鹿児島県喜界島を拠点として海洋・地質に関る生物に関する調査・研究事業を行い自然科学の発展と普及に寄与することを目的とし、2014年から活動をはじめました。サンゴ礁サイエンスキャンプ・サンゴ塾・サンゴ礁文化の伝承などの教育啓蒙活動、サンゴの飼育・リーフチェック・観測などの学術調査を含め行政・研究者・大学と連携した活動を展開しています。

2014年7月:任意団体喜界島サンゴ礁科学研究所を設立し、研究調査活動を始める
2015年10月:特定非営利活動法人認証
2019年9月:研究機関登録(科学研究費補助金取扱規定第2条第4項に規定する研究機関)

 
  1. プレスリリース >
  2. NPO法人喜界島サンゴ礁科学研究所 >
  3. 喜界島の”今“を記録したサンゴ図鑑完成!