フェリス女学院大学を国内8大学目となるフェアトレード大学に認定
フェアトレード大学・タウン認定事業を行う一般社団法人日本フェアトレード・フォーラム(以下、「FTFJ」)(所在地: 東京都渋谷区、代表理事: 内山大志)は、フェリス女学院大学(所在地: 神奈川県横浜市泉区緑園、学長:小檜山ルイ)を国内8大学目となるフェアトレード大学に認定いたしました。
フェリス女学院大学は、「フェリス女学院大学フェアトレード憲章」を定め、フェアトレード品の販売といった普及活動に加え、フェアトレードに関する勉強会の開催、写真展や講演会の開催といった教育活動を行い、フェアトレードの理解浸透に取り組まれています。
FTFJは、「フェリス女学院大学フェアトレード憲章」中で謳われる、「フェアトレードへの参画を通して、多くの人が公平な条件のもとで、より豊かな生活を送れるようになることを願い、そのために活動に励」むことを支持し、今後、フェリス女学院大学と、共にフェアトレードの普及に取り組んでまいります。

フェアトレードの理念に賛同した大学が、 フェアトレードへの取り組みを促進させる仕組み
「フェアトレード大学」とは、大学としてフェアトレードの理念に賛同し、推進活動に取り組んでいる大学を、イギリスなどの基準を準用した日本独自の基準に基づき、認定する仕組みです。
世界で初めてフェアトレード大学に認定されたのは、イギリスのオックスフォードブルックス大学で、その後、欧米を中心に286大学(2022年)がフェアトレード大学に認定されています。
日本では2014年に「フェアトレード大学」の認定制度が作られ、2018年2月に静岡文化芸術大学が一件目に認定されました。
その後、2019年10月に札幌学院大学と北星学園大学が同時に認定され、2021年5月に⻘山学院大学、2023年4月に千葉商科大学、2024年11月に新潟国際情報大学、2025年2月に立命館アジア太平洋大学、そして2025年7月にフェリス女学院大学が8大学目のフェアトレード大学として認定されました。
この度のフェリス女学院大学のフェアトレード大学認定が、多くの未来の消費者にとって、フェアトレードのことを知るきっかけとなることを期待しております。

フェリス女学院大学 小檜山ルイ学長
本学学生、教職員の取組みにより、日本の女子大としては初めてフェリス女学院大学が認定されたことに、心から感謝申し上げます。本学は、ジェンダーの観点からもフェアトレードをさらに推進する立場にあると考えております。世界フェアトレード連盟(WFTO)の10基準のうち、基準の6番目でも「公正な男女関係」に対する項目(*1)があります。この点は、発展途上国のみならず、日本でもSDGsの5番目のジェンダー平等(*2)が最も遅れていると国際的にも指摘されているからです。学生の皆さんには誇りに思ってもらい、また意義と役割を感じてほしいと願います。
*1:世界フェアトレード連盟(WFTO) 10原則
https://wfto.com/our-fair-trade-system/our-10-principles-of-fair-trade/
第6原則:差別の禁止、ジェンダー平等と女性の経済的エンパワーメント、結社の自由へのコミットメント
男女にスキルを磨く機会を提供し、空きポストや組織内の指導的地位への女性の応募を促す。妊娠した女性や、母乳で育児をする母親特有の健康・安全面のニーズに配慮し、便益の利用に関する決定に女性が全面的に参加できるようにする。
*2:持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)
https://sdgs.un.org/partnerships
目標5.ジェンダー平等を達成し、すべての女性および女児の能力強化を行う

日本フェアトレード・フォーラム 代表 内山大志
フェアトレード大学としてのご認定、誠におめでとうございます。
このたびの認定は、フェリス女学院大学の皆様が「For Others」の精神のもと、学生・教職員・大学当局が一体となって、フェアトレードの普及と実践に誠実に取り組まれてきた成果にほかなりません。
KTS(Keep The Smile)をはじめとする学生団体の皆さんの主体的で創造的な活動、また国内外の現場を訪れての実践的な学びには深く感銘を受けました。加えて、フェアトレード大学憲章の策定にあたり、学長をはじめとする大学全体の力強い後押しがあったことも、本制度の理念を見事に体現するものです。
女子大学として日本で初めての認定となった貴学の取り組みが、国内におけるエシカル消費推進の観点からも、大きな意義を持つことを確信しております。
今回の認定を新たな一歩として、今後さらにフェアトレードの価値が広がっていくことを願っております。
フェリス女学院大学の今後のますますのご発展を、心よりお祈り申し上げます。
フェアトレード大学認定基準について
フェアトレード大学認定基準は以下の5基準とそれを計る指標に沿って、FTFJ役員と兼任しない委員で構成された「認定委員会」によって審査・認定され、理事会で承認されます。
認定には、継続的なフェアトレードへの取組に加え、学生による主体的な活動や「憲章」の策定、ならびに全学的な意思決定機関における承認など、多くの大学関係者による実直な活動が必要です。
認定基準の詳細は日本フェアトレード・フォーラムのウェブサイトをご覧ください。
==
基準1. フェアトレードの普及を目指す学生団体が存在する。
【指標】
(1)フェアトレードの普及を図る学生団体(以下、FT普及学生団体と略す。)が大学から公認されている、ないし公認の申請を行っている。
(2)FT普及学生団体に顧問の教員がいる。
基準2. フェアトレードの普及活動、並びにフェアトレードに関する研究・教育活動がキャンパス内外で行われている。
【指標】
(1)FT普及学生団体は2年以上にわたって継続的にフェアトレードの普及活動を行っている。
(2)フェアトレードに関する研究・教育活動が推進・推奨されている。
基準3. 大学当局がフェアトレード産品を購入し使用している。
【指標】
大学当局が1年以上にわたって継続的にフェアトレード産品を購入し、利用している、ないし1年以内の購入・使用を計画している。
基準4. 複数のフェアトレード産品がキャンパス内で購入可能となっている。
【指標】
キャンパス内の食堂・売店やカフェなどで、2品目以上のフェアトレード産品(食品・衣類・文具・手工芸品など)が1年以上にわたって継続的に販売され、購入可能となっている。
基準5. フェアトレードの理念を支持し、その普及をうたったフェアトレード大学憲章を策定し、FT普及学生団体、学生自治会(ないし学友会などそれに準ずる組織)、大学当局の三者が同憲章に賛同している。
【指標】
(1)策定されたフェアトレード大学憲章は、フェアトレードの理念を支持し、その普及および推進をうたっている。
(2)同憲章の策定には学生が主体的に参画している。
(3)同憲章が大学の理事会あるいは全学教授会、ないし過半数の教授会などの全学的な意思決定機関において承認され、理事長ないし学長が同憲章へのコミットメントを公に表明している。
フェアトレードとは
フェアトレードとは、対話、透明性、敬意を基盤とした、より公平な条件下で国際貿易を行うことを目指す貿易パートナーシップのことです。
弱い立場にある生産者や労働者に対し、より良い貿易条件を提供し、かつ彼らの権利を守ることにより、フェアトレードは持続可能な発展に貢献します。
FTFJでは、コミュニティを通じて、あらゆる「フェアトレード」を推進し、国内外を問わず、経済的・社会的に弱い立場に置かれた人々が人間らしい自立した生活を送れるようにするとともに、経済および社会そのものを公正かつ持続的なものへ変革することを目指しています。
一般社団法人日本フェアトレード・フォーラムについて
一般社団法人日本フェアトレード・フォーラム(Fair Trade Forum Japan = FTFJ)は、フェアトレードタウン(世界2,029都市(2024年))及びフェアトレード大学(268大学(2024年))の日本国内での認定を始めとするフェアトレード推進事業を行う組織で、世界30カ国の組織でつくるグローバルネットワークの一員です。
これまで日本国内において、フェアトレードタウン7都市及びフェアトレード大学8大学を認定してきました。
【一般社団法人日本フェアトレード・フォーラム 組織概要】
組織名 :一般社団法人日本フェアトレード・フォーラム
Web :https://fairtrade-forum-japan.org/
設⽴⽇ :2011年4月 (前身組織「フェアトレード・タウン・ジャパン」として)
所在地 :東京都渋谷区神宮前4丁目26-28-2階
代表者 :代表理事 内山大志
本プレスリリースに関するご連絡・ご質問は以下よりご連絡ください。
https://fairtrade-forum-japan.org/contact
すべての画像