タイムアウト東京、グローバル調査『Time Out Index』の2021年版から世界のベストシティランキングを発表。東京は10位に選出。アジアでは1位に。
東京は「新たな発見がある場所」「車なしで移動できる」などで、高評価を獲得
2021年、世界のベストシティランキング
https://www.timeout.jp/tokyo/ja/things-to-do/2021-best-cities-in-the-world
世界328都市58ヶ国13言語で展開するタイムアウトは、そのグローバルネットワークを活用したしたグローバル・サーベイ『Time Out Index』を毎年実施しています。本調査では世界の27,000人の都市生活者に、各都市のフードシーンや文化的多様さ、住みやすさ、幸福度などを尋ねたものです。それに加え、今回はコロナ禍におかれていた過去18カ月に各都市が達成してきたことを評価するため、コミュニティープロジェクトやグリーンスペース、サステナビリティなども調査項目に含められました。
その結果、東京は10位にランクイン、アジアでは1位となりました。東京が評価された理由としては、82%がヴェニューやアトラクションなど「新たな発見がある場所」と回答しており、これはロンドン、ニューヨークに続いて3番目。また、公共交通機関の発達も高評価であり、73%が車なしで移動できる点を評価しています。デザイン性に優れた公衆トイレも、ほかの都市が参考にすべき取り組みとして挙げられました。
一方で、改善すべき点も顕になりました。コミュニティーとしての意識は31%、東京のサステナビリティに至ってはわずか9%しか好意的に評価されませんでした。2030年までの再生可能エネルギーの割合増加といった政府目標などを見据え、今後に期待していきましょう。
2021年、世界のベストシティランキングから、トップ10を紹介
1. サンフランシスコ(アメリカ)
街の素晴らしさ:サンフランシスコは、常に独自の道を切り開いてきた。新型コロナウイルスによる厳しい規制の中、企業は経営を維持するために工夫を凝らし、レストランの従業員が困っている人々のために食事を作るなど、街中がお互いを支え合っている。
他の街にはない魅力:屋外の駐車スペースを歩道の延長として活用した「パークレット」が何百も建てられたことにより、街は巨大なストリートパーティーのようだ。1年中屋外で食事ができるような気候に恵まれているのも魅力だ。
評価:かつてヒッピーが住んでいたこの街は、「先進的」部門で1位(73%の住民が回答)、さらに「サステナビリティー」で第2位となった。また、「ウェルカムな街」と呼ばれることが最も多い地域でもある。
2. アムステルダム(オランダ)
街の素晴らしさ:コロナ禍に、アムステルダムは文化や社会生活の欠如をどこよりも痛感することとなった。しかし、この時期を賢く利用し、街の美しさや歴史、コミュニティーに目を向け、外国人観光客の「コーヒーショップ」の利用を禁止する法律を提案するなど対策を行おうとしている。調査では、47%の住民がこの街を「緑があふれる街」と評価し、27%が「サステイナブル」と回答している。昨年のロックダウンから、アムステルダムは環境に配慮した近代的な都市を目指してきたことが功を奏している。
他の街にはない魅力:街の中心部にあるオアシス、フォンデル公園ではジャムセッションや演劇、スポーツなどあらゆるイベントが開催されている。ここは、まさに街の命の源だ。
評価:アムステルダムは「サステナビリティ」部門で3位、「グリーン」部門で3位、「自然の中を散歩する」部門では2位と評価。
3. マンチェスター(イギリス)
街の素晴らしさ:マンチェスターは回復力のある街だ。この1年間、厳しい状況下でもコミュニティーは団結し、成功を収めてきた。調査では住民の71%がこの街を「クリエイティブ」と評した。マンチェスターはファクトリーレコード、ザ・フォール、ザ・スミスなど有名なバンドの故郷であり、2021年には大規模な文化イベントを開催することで、この街の実力を証明した。よりローカルな出来事としては、中小企業が現場の労働者に無料のメンタルヘルスサポートを提供したり、パブが地元の人に4500食の食事を提供した。
他の街にはない魅力:MIFの恒久的な拠点としてオープンした、新施設「The Factory」。ここでは、ワールドクラスのアートやパフォーマンスが1年中楽しめる。
評価:マンチェスターは、「ナイトライフ」「創造性」「コミュニティーの精神」「親しみやすさ」「近所付き合い」などの項目でトップに選ばれた。
4. コペンハーゲン(デンマーク)
街の素晴らしさ:デンマークは世界で最も幸せな国の一つと言われている。今回の調査で住民の66%が「リラックスできる」と回答したのも当然だ。生活の質が高く、革新的な環境保護活動が行われていることも、市民の安心感につながっているのだろう。さらに、回答者の60%は「自然にあふれた街」だと考えている。この街の魅力は「ヒュッゲ」や、廃棄物エネルギープラントのコペンヒルだけではない。実際、住民の82%が、「刺激的で新しいもの」を簡単に見つけられると回答した。
他の街にはない魅力:住民の通勤時間を短縮するサイクリングインフラが発達していること。
評価:コペンハーゲンは、「環境にやさしい都市」ランキングでトップに。さらには「持続可能性」部門でトップ、「グリーン」部門では2位となった。
5. ニューヨーク(アメリカ)
街の素晴らしさ:ニューヨーカーを象徴するものといえば、ある種の生意気なまでの回復力だ。今年の調査でニューヨークがその質の高さを評価され、北米全都市の中で「最も回復力のある都市」に選ばれたことは驚きではない。歩道を使ってレストランなどの営業を許可する「オープン・レストラン・イニシアチブ」の成功や、ワクチン接種の動機付けを行う「Key to NYCプログラム」など、この12カ月間成功を収めてきた。規制に対して創造的な解決策を見いだし、今では街に再び活気が戻っている。
他の街にはない魅力:ニューヨークのハドソンリバーパークに2021年にオープンした、人口の浮島リトルアイランド(Little Island)。ここでは、無料で参加できる文化的なイベントを多数開催している。
評価:ニューヨークは、世界で最も「エキサイティング」な都市に選ばれ、「新しいものを発見できる」という点でも2位にランクインした。
6. モントリオール(カナダ)
街の素晴らしさ:コロナ禍でモントリオール市民は団結した。この街はコミュニティのつながりが強いことで有名だが、今回の試練も誇りに思えるほどの精神力を見せた。住民の73%が「多様性がある」と評価し、さらに多くの人が「自分らしさを表現するのが簡単」と回答。永遠に続く抗議活動や、厳しい気候など厳しい状況でも、少なくとも互いのサポートで守られている街なのだ。
他の街にはない魅力:使い捨てプラスチックの使用を禁止したり、ダウンタウンの大通りを都市の森に変えたりする計画など、革新的なグリーンプロジェクトを豊富に進める野心があること。
7. プラハ(チェコ)
街の素晴らしさ:プラハの街はロックダウンの状況下でも、目を見張るような美しさは損なわれていない。今年の調査では、住民の約82%が街の美しさを称賛している。カレル橋を独り占めしたり、旧市街広場で小鳥のさえずりを聞いたり、人通りの少ない小道でコーヒーを飲んだりと、パンデミック以前には考えられなかったシンプルな楽しみ方が、徐々に再開している。加えて、89%の人が車なしで移動できると回答しており、世界で最も住みやすい都市の一つであることは間違いない。
他の街にはない魅力:プラハ6区の広大な緑地は、ジョギング、読書、ピクニック、フリスビー、そり遊びなど、一年中楽しめる遊び場だ。
評価:プラハは、住民から「美しい街」と評価されることが最も多い街だった。「リラックス」部門でも2位である。
8. テル・アビブ(イスラエル)
街の素晴らしさ:テルアビブの人々は頑強な集団だ。新型コロナウイルスが観光業を襲ったことで、「止まらない街」は必要な休息をとることになった。ディゼンゴフ広場やハメシラ公園などでは、ピクニックやライブ、上映会、講演会などが行われた。ロックダウンの後、イスラエルは予防接種競争をリードし、やがて地元の人々はカフェでカプチーノを飲み、ビーチでヨガをするようになった。調査では住民の81%が自分たちの街は「楽しい」と評し、84%が「自分を表現できる」と回答している。実際、ショッピングモールのTLVでは地域最大のプライドパレードが開催され、ビーガンの選択肢が最も豊富で、ナイトライフでは常に本物のオルタナティブを提供している。
他の街にはない魅力:カーメル・マーケットでは、地元の人々がスパイスやフムス、ファラフェルなどの新鮮なオーガニック食材を販売しており、ビールやアラックなども販売している。
評価:さまざまな分野でテルアビブは世界をリードしている。2年連続で「世界で最も楽しい」と評価され、「自分のような人に合う街」と評されたこともある。また、「食べ物と飲み物」のカテゴリーでは、上海に次いで2位となった。
9. ポルト(ポルトガル)
街の素晴らしさ:ポルト市民の約73%が、自分たちの街は「文化」に適していると答えている。昨年、ポルトの伝説的なグラフィティアーティストたちは、これまで以上に忙しく、街に必要な色を与えてきたし、多数のギャラリーも驚くほど活発だ。また、歩行者天国やサイクリングインフラの整備、コミュニティガーデンの新設など、市民に公共空間を提供する動きも活発になっている。公園でのコンサートに参加したり、地元のビジネスを支援したりしている。また、家でパンやケーキ、クッキーを焼き始め、プロになった人も多い。
他の街にはない魅力:パンデミックの間、人々を支えた温かいアートスペースMaus Hábitos。ほとんどのバーが閉まっている中、音楽ライブや上映、展示会、詩の朗読会、スタンダップコメディなどが行われ、おいしいピザやクラフトビールも楽しめる文化のオアシスだった。
評価:ポルトはマンチェスターに次いで、「新しい友達を見つける」のに世界で2番目に適した場所に選ばれた。地元の人々の62%が友達を作ることは「簡単だ」と答えている。
10. 東京(日本)
街の素晴らしさ:コロナ禍の典型的なアイテムであるマスクは、新型コロナウイルスが発生するずっと前から、東京の人々の間では一般的だった。住民の82%が「新しいものを発見する」のに適していると回答。確かに、この1年半の間に新施設やアトラクションが次々と登場している。また、約73%が「車を使わずに移動する」のに適していると回答している。効率的な公共交通機関が整備されているため、誰もが気軽に街の魅力を楽しむことができるのだ。
他の街にはない魅力:アートな公衆トイレ。1年の間に一流の建築家がデザインした最新式のトイレが街中に出現した(「THE TOKYO TOILET」というプロジェクト)。スター建築家、隈研吾による木製デザインのアートなものや、音声で操作できるほどハイテクな佐藤和夫による真っ白なドーム型トイレなどだ。
【調査概要】
調査期間:2021年3月12日~2021年4月2日
調査対象者:27,000人 18歳〜75歳 (25歳-34歳の回答者が多数)
調査対象都市:27都市
パリ/ ロンドン / テルアビブ / リスボン / メルボルン / ニューヨーク / シカゴ / 香港 / バルセロナ / マドリッド / 東京 / ロサンゼルス / シドニー / シンガポール / イスタンブール / ポルト / バンコク / モスクワ / サンクト・ペテルブルグ /ドバイ / 上海 / メキシコシティ / モントリオール / 北京 / ボストン / チューリッヒ / アブダビ
質問数:56問
調査方法:インターネット調査
タイムアウト東京について
タイムアウトは、1968年にロンドンで創刊されたシティガイド。ローカルエキスパートが編集するガイド手法が支持を集め、現在は、世界328都市58ヶ国13言語に展開している。地域密着のガイドでありながらグローバルブランドというユニークな立ち位置となっている。
2014年にポルトガル、リスボン市の築150年の公共市場をリノベーションし、フードとカルチャーの融合した巨大なフードマーケット、『タイムアウトマーケット』をオープン。2019年には年間約430万人が訪れるなど、観光都市リスボンの#1デスティネーションとなった。同年、『Best the city under one roof』のコンセプトを掲げ、マイアミ・シカゴ・モントリオール・ブルックリン・ボストンの5都市にタイムアウトマーケットをオープン。2021年4月には中東エリア初のタイムアウトマーケットをドバイにオープンし、連日人気を博している。
タイムアウトは、歴史あるメディアブランドでありながら、大胆なピボットにより、タイムアウトマーケットビジネスを展開していることが評価され、Fast Company社の “The 10 most innovative media companies of 2020”に選出されている。
2009年に事業を開始したタイムアウト東京は、日本のインバウンド市場をリードするメディアとしてのポジションを確立。日本語・英語のバイリンガルで、東京はもちろんのこと、地方も含めた日本の魅力を国内外に発信している。
https://www.timeout.com/tokyo
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