【期限延長】 設備投資で即時償却又は税額控除、有機物系廃棄物の再資源化で中小企業経営を強化
家畜糞尿・食品残渣・植物残渣・汚泥等をERSで急速発酵乾燥
1.税制優遇期間中のERS導入を推進
中小企業経営強化税制とは、中小企業者等が認定を受けた経営力向上計画に基づき一定の設備を新規取得し、指定事業の用に供した場合、即時償却または法人税(所得税)の取得価額の10%(資本金3000万円超1億円以下の法人は7%)の税額控除を選択適用できるものです。2023年4月、適用期限が2023年3月31から2年間の延長となり、2025年3月31日までとなりました。JETは急速発酵乾燥資源化システム「ERS」の取得に係る申請を支援します。
2.事業課題を解消しながら経営基盤の強化を
急速発酵乾燥資源化システム「ERS」は、有機物系廃棄物を微生物のはたらきで発酵処理(好気性発酵)します。その成果物として、肥料、堆肥、飼料、燃料、または家畜舎の敷料に再資源化されます。 これまでの導入実績や実施試験での対象物は、下記のように多岐に渡ります。
畜産業界: 動物や家畜の糞尿
食品業界: 加工食品残渣、魚介加工残渣
木材業界: 植物残渣、伐採木質材
電力業界: バイオマス発電所のメタン発酵消化液
自治体: 一般廃棄物、都市ごみ、埋立ごみ、排水・河川汚泥、有害獣処理(ジビエ) 等
これらの業界で特に深刻な事業課題は「悪臭」でした。 ERSは、たった数時間の処理で対象物の悪臭を取り除き、減容化し、その過程で排水も発生させません。これによって事業現場と周辺地域での環境改善を実現します。さらに、作業時間短縮による効率的な人員配置、複合的な事業の拡大や収益増、地域との関係強化なども含めた経営基盤の強化を図ることができます。
3. ERS導入における税制優遇の事例
地域 | 北海道 |
業種 | 畜産農家 |
事業規模 | 肉牛および乳牛 13,000頭 |
対象物 | 家畜糞尿 |
成果物 | 堆肥・敷料 |
処理量 | 1日あたり75トン |
設備 | ERS 5型 3台 |
導入時期 | 2022年3月 |
補助金 | 畜産クラスター補助金事業 (令和 2 年補正予算 畜産環境対策総合支援事業のうち 畜産・土づくり堆肥生産流通体制支援事業 畜産・土づくり施設等導入支援事業) |
北海道の畜産農家では、肉牛および乳牛の糞尿を、ERSで殺菌・発酵・乾燥して処理しています。一般的な堆肥化である自然発酵では3~6か月間かかりますが、ERSでは数時間で発酵処理を終えるため、堆肥化に要する時間と温室効果ガスの排出量を大幅に削減しました。糞尿処理において大腸菌及び種子などの有害菌を死滅させ、排水・悪臭を出さず衛生的な環境を保ちながら、低含水率(約35%)の高品質な堆肥をわずか一日で製造しています。また、成果物は再生敷料としても活用し、敷料の購入コストを大幅に低減しました。
さらに、既設の堆肥舎も継続して使用することから、ERSによる成果物の堆肥と現行の堆肥(含水率約 60%)を混ぜ合わせることにより、含水率を抑えた堆肥を安定供給できます。そのため、地域外への堆肥販売の拡大による収益増加が期待されます。
このような経営改善が見込まれることから、本事例では畜産クラスター補助金事業(設備購入費の約50%の補助)および中小企業等経営強化法に基づく税制措置(法人税の即時償却または設備購入価格の10%税額控除の選択適用)の対象となりました。
4.今後の展開
▶ 酪農業界においてERSの普及を目指す
・水分の多い乳牛糞尿から、臭いも排水も出さない好気性発酵の液肥を製造。
・耕作農家からのニーズが高い好気性発酵肥料で販売増益。
・たった数時間で乳牛糞尿を処理して、人員配置を牛の増頭に配備。
・液肥を未完熟堆肥と混ぜることで悪臭のない完熟堆肥を製造。安定供給。
▶ 液肥生成に特化したERSを発売予定
・小型化で初期投資を抑える。
・普及が早まれば、好気性発酵の液肥を地域内で大量生産。
・液肥の散布で、地域や観光の課題となる臭いを解消。
▶ 「感染症発生時の防疫措置(殺菌処理装置)」としてERSを実証する。
・迅速な感染症拡大防止および発生農家における経営的ダメージの最小化に繋げる。
5.システム概要
ERS は、設置場所の周辺に生息する土着菌を活用し、対象物を1日で殺菌・発酵・乾燥して資源に変えるシステムです。また、ERSの資源化処理により生成した成果物は、含水率の低い良質な燃料や堆肥、肥料、飼料、敷料として利用できます。ゼロエミッションの実現に、ERSをご活用ください。
▶ ERSのコア技術=環境微生物の選択利用
① 設置現場周辺の土壌から普遍的にいる環境微生物を選択的に培養。
② 微生物を本体に定着させ、設置以後、補充や交換は不要。
③ 運転停止・再開後も菌の補充等不要。
▶ 特徴
① 装置がシンプル。複雑な前工程(水分調整等)、臭い対策、後工程(熟成等)が不要
② 環境微生物使用で、菌の持ち込み、補充が不要(菌床交換なども不要)
③ メンテナンスが楽(構成要素が少なく、故障が少ない。耐久性も高い)
④ 省スペース(施設維持に費用がかからない)
⑤ 無排水(排水処理に費用がかからない)
⑥ ごみの大幅な減容化が可能(運搬費用の節約可)
⑦ ごみの乾燥によってハンドリングも楽
⑧ 栄養価の高い飼料又は肥料が製造可能(販売対価を得られる)
⑨ CO2の削減、既存設備への適合など発展性や応用性が高い
▶ ERS 5つのサイズ展開と最大処理能力
▶ ERS に実装している主な特許技術
l 微生物、微生物含有組成物、並びに、該微生物を用いた有機肥料の製造方法
[日本]特許第4153685号(2008年7月11日登録)
l 処理対象物の発酵乾燥による燃料化装置及び燃料化方法
[日本]特許第6763575号(2020年9月14日登録)
[中国]ZL2018 8 0052014.4(2021年9月10日登録)
[フィリピン]1-2020-500383(2022年4月19日登録)
l 装置に使用する微生物も特許微生物
装置を設置する現場周辺から採取した環境微生物のうち、特定の3種類をERSでの発酵・乾燥に利用します。これらの微生物は、特許微生物として独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の特許微生物寄託センター(IPOD)に寄託しています。
6.関連プレスリリース
2022年12月16日
【1日で牛糞を発酵液肥に変える】山口県酪にて液肥化来年4月スタート
~畜産クラスター事業で悪臭・排水の出ない糞尿資源化装置ERSを導入~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000085654.html
2022 年 4月7日
『畜産クラスター補助金事業』活用による急速発酵乾燥資源化
~装置 ERS の導入先 2 件、 3 月設置工事竣工のお知らせ~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000085654.html
2022年3月7日
敷料再生装置、寒冷地で発酵熱70℃の安定処理を実証
~零下でも凍結なく病原菌等を死滅させ、肉牛糞尿を完熟堆肥に~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000005.000085654.html
2021年12月28日
【 畜産業界が注目 】急速発酵乾燥資源化装置ERSに新・特許技術導入
~1台で「日常時の家畜糞尿処理」「感染症発生時の死畜処理」共に堆肥化可能に~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000085654.html
2021年10月13日
肉牛糞尿の高速資源化で、おが粉購入費42%削減を達成
~敷料再生装置の稼働後1年経過、畜産農家の効率経営を支援強化~
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000085654.html
【会社概要】
会社名:株式会社JET
所在地:東京都千代田区一番町19 全国農業共済会館4階
代表者:片山智之
設立:平成25年8月
資本金:50,000,000円
事業内容:急速土着菌増殖乾燥システムERSに関する以下の事業
-開発・製造・販売・輸出入・管理
-適用・導入に関するコンサルティング
-原料の輸出入
Webサイト: https://jet-e.jp/
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