経済産業省の令和5年度ヘルスケア産業国際展開推進事業に採択された「カンボジア・ネパール・コンゴ民における新生児蘇生法教育デバイス・導入支援サービスの基礎調査プロジェクト」において基礎調査を完了
基礎調査が完了し、ネパールで新生児蘇生法シミュレーション教育普及プロジェクトを開始しました。
本事業では、エレコムが提供する新生児蘇生法訓練用シミュレーターおよび研修プログラムの普及を目的とし、対象3カ国のうちネパールにて、実践されている医療教育の制度・実施状況、ニーズ・規制の有無、市場動向、競合動向などについて基礎調査を担当し、2024年3月に完了しました。
今回の調査結果を基に、今年度より①既存研修へのシミュレーション教育の組み込み、②現地の医療者向け講師養成・訓練およびサポート、③新生児蘇生法におけるシミュレーション教育の効果評価およびデータ収集を目的とした実証プロジェクトを開始します。
関連リンク:
・令和5年度ヘルスケア産業国際展開推進事業 最終報告会:
https://medicalexcellencejapan.org/jp/all/detail/629/
・エレコム株式会社 ニュースリリース:
https://www.elecom.co.jp/news/release/20230822-01/
■ネパールにおける新生児死亡率と改善に向けた課題
世界的に5歳未満児死亡率は大幅に低下しているものの、新生児死亡率は5歳未満児死亡率のうち最大数を占め、その減少は緩慢です。UNICEF(2024)によると、ネパールにおける新生児死亡率(推定)は出生数1,000人あたり16人と、日本の1,000人あたり0.8人と比較すると非常に高い状況です*1。新生児死亡の主な要因として、早産や感染症に加え出生時の呼吸循環不全(新生児仮死)があげられます*2。新生児仮死により亡くなる新生児は、世界の新生児死亡数のうち約23%を占めていますが*3、その多くは適切な新生児蘇生法によって救命できると言われています。
多くの途上国では、新生児蘇生法に熟練した医療従事者が不足していることや、実践的な教育の機会が不足していることが大きな課題となっており、ネパールも同様の課題を抱えています。
出典:
*1 Levels and trends in child mortality. UNICEF DATA. (2024, March 13). https://data.unicef.org/resources/levels-and-trends-in-child-mortality-2024/
*2 World Health Organization. (n.d.). Newborn mortality. World Health Organization. https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/newborn-mortality
*3 Yitayew, Y. A., & Yalew, Z. M. (2022). Survival status and predictors of mortality among asphyxiated neonates admitted to the NICU of Dessie comprehensive specialized hospital, Amhara region, Northeast Ethiopia. PloS one, 17(12), e0279451. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0279451
■事業目的
今回の事業では、ネパール国内で新生児蘇生法の知識と技術を広く普及させることで、新生児死亡率の低下を目指します。現地の医療従事者や医学生・看護学生に対して、実践的なシミュレーション教育を提供し、臨床現場で直面するさまざまな状況に対応する能力向上に貢献します。
■実証プロジェクト概要
本プロジェクトでは、ネパールにおける「新生児蘇生法訓練用シミュレーター」を活用した実践研修の導入に向けて、研修プログラムおよびその効果の検証を行います。第1フェーズでは現状分析とトライアル研修、第2フェーズでは現地研修プログラムへの組み込みの実証を予定しています。
第1段階:現状分析とトライアル研修
ネパールにおける研修プログラムの現状やニーズを把握するために、国際機関へのヒアリングを実施するとともに、現地での研修を視察し必要なデータを収集します。さらに、日本人の専門家によるシミュレーション教育のトライアルレクチャーを実施し、その効果と受容性を評価します。
第2段階:現地研修プログラムへの組み込み
第1段階のフィードバックを基に、ネパールでの研修プログラム実施に向けた具体的な提案を行います。また、現地の医療者向けの研修プログラムを提供し、講師養成・訓練を行うことで、現地の医療者だけで研修を実施できるようにサポートを行います。研修の前後には、アンケートによる自己評価や実技試験で新生児蘇生法に関する知識・技術を測定・評価し、研修プログラムの効果測定を行います。
■ASHAの主な事業内容
ネパールの地域住民が基本的な健康や応急処置に関する知識を身につけることによる、住民参加型のプライマリ・ヘルスケアを推進しています。その取り組みとして①「コミュニティ」と「テクノロジー」の力を活用した医療を頼れる仕組みづくり、②ネパールの中学生を対象とした健康教育に注力しています。従来からあるネパールのリソースを活用することで、生まれ育った地域で暮らしながら、その地域の中で健康でいられる仕組みづくりを目指しています。
■ご寄付のお願い
ASHAは、コミュニティ×テクノロジーの力で、今、医療を必要としている人に 医療を届ける“しくみ”をつくる、専門知識を持つプロボノで構成された日本のNPOです。世界中の誰もが、健康でいる権利を享受できる世界を実現するために、私たちの活動へのご参加をお願いします。(寄付は1,000円から受け付けております。)
寄付ページ:https://www.asha-np.org/donate
■団体概要
・団 体 名:特例認定非営利活動法人 ASHA
・所 在 地:東京都港区浜松町2丁目2番15号 浜松町ダイヤビル2F
・代 表 者:任喜史、サッキャ・サンディープ(代表理事)
・創 立:2015年10月1日
・主な活動内容:ネパールの地方医療現場における医療の質向上及び効率化の支援
・メンバー数:日本:50名、ネパール:10名
・公式サイト:https://www.asha-np.org/
・Instagram:https://www.instagram.com/npo_asha_nepal/
【東京都より特例認定の認定を受けました】
特定非営利活動法人ASHAは「特例認定NPO法人」として東京都より認定されました。そのため、当法人への寄付は寄附金控除の対象になり、確定申告で「所得控除」または「税額控除」を受けることができます。
ASHAへの寄付はこちらから: https://www.asha-np.org/donate
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像