かくれフードロスに向き合うASTRA FOOD PLAN、シリーズAで累計2.2億円の資金調達

食品ざんさのアップサイクルで、循環型フードサイクルの構築へ

ASTRA FOOD PLAN株式会社

 「サスティナブルな社会の実現」をミッションに掲げるフードテックベンチャーのASTRA FOOD PLAN株式会社(埼玉県富士見市、代表取締役:加納 千裕 以下ASTRA FOOD PLAN )は、新たにPE&HR株式会社(埼玉りそな創業応援投資事業有限責任組合)をリード投資家として、アグリビジネス投資育成株式会社、三菱UFJキャピタル株式会社、並びにシードラウンドからの既存投資家であるIDATEN Venturesを引受先とするシリーズAラウンドの資金調達を実施しました。なお、累計の資金調達額は2.2億円となります。
当社は、循環型フードサイクルの構築を目指して「かくれフードロス」削減に取り組んでおり、独自開発した『過熱蒸煎機』で、食品ざんさ等をアップサイクルした高付加価値パウダー『ぐるりこⓒ』を提供しています。

今回調達した資金は、主に『過熱蒸煎機』の販売およびレンタル拡大とビジネスモデルの確立、多種多様な『ぐるりこⓒ』の商品開発およびブランディング、これらを実現させるための人材採用と組織づくりの強化に充てる予定です。

  • 今回の引受先​

・PE&HR株式会社(埼玉りそな創業応援投資事業有限責任組合)

・アグリビジネス投資育成株式会社

・三菱UFJキャピタル株式会社

・IDATEN Ventures 


  • サービス提供背景

一般的な食品ロスの約4倍。年間2000万トンにおよぶ「かくれフードロス」の実態

現在コンビニエンスストアや量販店の売れ残りなど、本来食べられるのにも関わらず廃棄される「食品ロス」が問題となっています。しかし、一般的に認知されている「食品ロス」の量には野菜の芯や皮、ヘタなどの食品ざんさや産地で発生した規格外農作物や余剰農作物などの未利用農作物が含まれていません。


「食品廃棄物等の利用状況等(平成30年度推計)」によると、2019年における日本国内の食品ロスは、約570万トンと推計されていますが、農林水産省がまとめた「食品廃棄物等の利用状況等(平成30年度推計)」(※1)では、食品ざんさや未利用農作物などの不可食部分も含めた「食品由来の廃棄物等」の食品ロスが2531万トンにおよぶことがわかっており、大きな社会課題となっています。
ASTRA FOOD PLANは、この一般的な食品ロスの約4倍となる年間2000万トン(※2)の食品廃棄を「かくれフードロス」と呼び、その削減とアップサイクルに取り組んでいます。

(※1)

農林水産省『~食品ロス量(令和元年度推計値)を公表~』(2021年11月30日)

https://www.maff.go.jp/j/press/shokuhin/recycle/211130.html

消費者庁『食品ロスについて知る・学ぶ』

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/education/

(※2)

「年間2000万トンのかくれフードロス」=「2531万トン(食品由来の廃棄物等)」-「約570万トン(本来食べられるのにも関わらず廃棄される食品ロス)」



  • ASTRA FOOD PLANのこれまでの歩み

「かくれフードロス」を新商品『ぐるりこⓒ』に変え、循環型フードサイクルの構築を目指すASTRA FOOD PLANは、2020年に創業し、過熱水蒸気技術を用いた食品乾燥機『過熱蒸煎機』を独自開発しました。従来は費用対効果が悪く実現できなかった、乾燥技術による「かくれフードロス」問題の解決に取り組んでいます。

『過熱蒸煎機』は従来の乾燥機とは異なり、5~10秒で乾燥と殺菌を同時に行うことができるため、高い生産効率を生み出します。この圧倒的なスピードを持つ食品乾燥装置は、当社の相談役、加納勉(※3)が約20年間におよび研究を行なってきた過熱水蒸気技術を応用して開発しています。

また、この『過熱蒸煎機』を利用して食品ざんさをアップサイクルし、風味や栄養価の減少を抑えた高付加価値パウダー『ぐるりこⓒ』として提供しており、𠮷野家とポンパドウルとの実証実験や「埼玉 食のサーキュラーエコノミープロジェクト」などの産学官連携も行ってきました。

(※3)

代表取締役社長 加納千裕の父。過熱水蒸気技術の第一人者。過熱水蒸気オーブンを開発。元セブン‐イレブンジャパン常務取締役。


  • 主な実績

1.『過熱蒸煎機』の開発、特許出願

熱風乾燥機に過熱水蒸気を組み合わせた『過熱蒸煎機』を2021年に開発。特許を出願しました。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000099210.html



2.𠮷野家とポンパドウルとの実証実験 

2023年2​​月に𠮷野家の玉ねぎ端材から生まれた『タマネギぐるりこ©』を使用したオニオンブレッドをポンパドウルと開発・販売しました。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000009.000099210.html


3.産学官連携「埼玉 食のサーキュラーエコノミープロジェクト」が始動

ASTRA FOOD PLANが本社を置く埼玉県富士見市の自治体をはじめ、県内大学や商工会、地域JAなど複数の団体と連携したプロジェクトを始動しました。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000099210.html


4.本社内に「AFPラボ」を開設 

2022年9月に『過熱蒸煎機』のショールーム兼テストルームを設立。すでに100品目を越える食材のテストを実施し、ノウハウを確立しています。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000099210.html


5.『過熱蒸煎機』導入実績

2023年9月現在、『過熱蒸煎機』は、しいたけの生産を行う有限会社妙義ナバファーム、オリーブ栽培を行う農業生産法人オキオリーブほか、計3社に導入されています。

  • 資金調達の目的・背景

1.未利用農作物をアップサイクルし、生産者課題を解決するスキーム作り

これまで、規格外農作物や出荷調整によって発生する余剰農作物などの未利用農作物は活用方法がなく、生産者側にとって大きな負担になっていました。農作物の廃棄にも時間がかかるため抜本的な解決が難しかったのですが、今回株主となったアグリビジネス投資育成株式会社と連携することで、JAグループへの『過熱蒸煎機』の導入など、生産者課題を解決するスキームの構築を目指します。

 

2.循環型フードサイクルを構築する実証実験を各地域で展開

当社は、2024年2月まで「埼玉 食のサーキュラーエコノミープロジェクト」を実施しています。今回株主となったPE&HR株式会社(埼玉りそな創業応援投資事業有限組合)と連携することでプロジェクトの推進を加速させ、今後は埼玉県に留まらず各地域に展開し、循環型の地域モデルを構築していく方針です。


3.世界中の「かくれフードロス」をゼロにするための、本格的な社会実装

「かくれフードロス」の課題は、海外でも大きな課題となっています。いちはやく社会実装のためのスキームと体制を整え、国内外での事業展開に向けて取り組みを加速させていきます。


  • 今回調達した資金の用途

1.『過熱蒸煎機』の販売およびレンタル拡大とビジネスモデルの確立

「かくれフードロス」の削減には『過熱蒸煎機』の普及が必要です。『ぐるりこ©』の用途開発や導入事例を増やし、装置の普及拡大とビジネスモデルの確立を目指します。

 

2.高付加価値パウダー”ぐるりこⓒ”のブランディング

栄養価・風味・用途・使い勝手など優位性を証明して いくほか、ブランディングにも注力していきます。食品メーカー等と商品開発を行い、『ぐるりこⓒ』を使用した商品にはマークを付与していく構想です。

3.事業拡大に向けた人材採用とチーム作りの強化

『過熱蒸煎機』『ぐるりこⓒ』の販売拡大ならびにビジネスモデルの構築のため、人材の採用を強化します。経験豊富な人材を確保し、組織づくりをしていきます。

採用情報の詳細ページ:https://www.astra-fp.com/recruit/


  • 食品ざんさや規格外農作物など「かくれフードロス」の有効活用をしたい事業者さまへ

ASTRA FOOD PLANでは本社ラボにて食品ざんさ等を粉末化するテストを行っております。

ご相談も承っていますので、お気軽にお問い合わせください。

URL:https://www.astra-fp.com/contact/


  • SDGs文脈で商品開発をご検討の食品メーカー様へ

未利用資源からアップサイクルで生まれた高付加価値パウダー『ぐるりこⓒ』を使い、新たな食品を開発していただける食品メーカー様を募集しています。お気軽にお問い合わせください。

URL:https://www.astra-fp.com/contact/


  • ASTRA FOOD PLANでは仲間を募集しています

ASTRA FOOD PLANで働くメンバーを募集しています。『過熱蒸煎機』や『ぐるりこⓒ』の提案営業をはじめ、オープンポジションでも採用を強化中です。少しでも興味を持った方、お話を聞いてみたいという方は、下記よりご連絡ください。

■募集ポジション

・営業

・オープンポジション


採用情報の詳細ページ:https://www.astra-fp.com/recruit/


  • 各投資家からのコメント​

PE&HR株式会社(埼玉りそな創業応援投資事業有限責任組合)代表取締役 山本 亮二郎氏

最初にお会いしたのは、昨年4月に埼玉りそな創業応援ファンドが組成されてすぐの頃です。

過熱蒸煎機の仕組み、かくれフードロス削減への思いと合わせ、当社の前身であるお父様が創業した会社のこと、製造業ベンチャーにおける開発や資金、資本政策における様々な困難についても語られました。食品会社の商品開発職を辞し自ら身を投じた理由を問うた際、「いつも父のために何とかして役に立ちたかった」と言われた時には深い感動に包まれました。

鶴瀬駅前のラボでは、刻まれた大量のネギで涙まみれの中、投入され攪拌されると一瞬で軽やかな野菜パウダーが舞い上がる姿に、同社と加納さんの未来を重ねました。ますますのご発展をお祈り致します。



アグリビジネス投資育成株式会社 取締役代表執行役 松本恭幸氏

この度はASTRA FOOD PLAN様のパートナーとなれたこと、心から嬉しく思います。

ASTRA FOOD PLAN様の“かくれフードロス”を解決し、新たな価値を創造する取り組みは、持続可能な食のバリューチェーン構築の実現に向けた大変意義深い事業と評価し、この度出資を決定いたしました。弊社の食と農林水産業に関するネットワークを活かしながら、ASTRA FOOD PLAN様の成長に向けて最大限に支援していく所存です。






三菱UFJキャピタル株式会社  上席執行役員投資第三部長 清水孝氏

ASTRA FOOD PLANは、「かくれフードロス」の削減で世の中に貢献する企業です。ボイラーを使わないという発想の転換により、性能・コストの両面の課題を解決した画期的な過熱蒸煎機を独自開発。今では数十社の企業がテストを行い、過熱蒸煎パウダーの商品化に至るものも出てきています。加納代表は、食の世界に興味を持ち、いずれはこの世界で起業することを目標とし経営の勉強も含め準備をしっかり行ってきました。非常に努力家で覚悟をもった期待の女性経営者です。弊社は、MUFGとしての強みを活かし、加納代表を中心とした一体感のある「ASTRA FOOD PLANチーム」の成長に貢献して参りたいと考えています。




IDATEN Ventures  代表パートナー 足立健太氏

2022年5月、ASTRA FOOD PLANのビジョンそして技術力にほれ込んでシード投資をいたしました。それから1年、自社ラボの設立による過熱蒸煎機の社会実装促進、過熱蒸煎パウダー”ぐるりこⓒ”によるアップサイクル実現、食のサーキュラーエコノミープロジェクト始動など、ビジョンの実現に向けたステップを確実にのぼり続けてきたチームASTRA FOOD PLANの実行力には目を見張るものがあります。
「ものづくり・ものはこび」の変革を支えるスタートアップへの投資・支援を使命とするIDATEN Venturesとして、食品ざんさ問題の解決、ざんさ廃棄物流問題の解消、ざんさアップサイクルを通じたサステナビリティ実現を目指すASTRA FOOD PLANを、これからも力強く応援していきます。


  • 代表メッセージ

ASTRA FOOD PLAN株式会社 代表取締役社長 加納千裕

創業から3年が経ち、4年目に突入しました。過熱蒸煎機の開発、100回以上の実験の繰り返し、ビジョンミッションの設定、PoC…と駆け抜けた3年間。振り返ると苦労といえば資金不足で、資金繰りに奔走した時期もありました。

今回資金調達を実施し、素晴らしい投資家の皆様の心強いサポート体制ができたことで、事業の推進に集中し、アクセルを踏むことができます。 

今後は採用と社内外の組織づくりを行い、過熱蒸煎機と『ぐるりこ©︎』の本格的な社会実装、販売拡大に取り組みます。

日本、世界中の「かくれフードロス」をゼロにするという壮大なミッションの実現には、多くの人と組織との連携が必要です。今後もご協力と応援をいただけるように、邁進していきたいと思います。


  • 『過熱蒸煎機』について

『過熱蒸煎機』は、食品の風味の劣化と酸化、栄養価の減少を抑えながら、乾燥と殺菌を同時に行うことが可能な装置です。以下の3つの特徴により、野菜の不可食部分や、米ぬか、果物の搾りかす、飲料ざんさにいたるまで、高付加価値化した食材にアップサイクルすることが可能です。




1.食材の風味の劣化と酸化を防止

数百度の高温スチーム 過熱水蒸気を用いることで食材の酸化を抑え、栄養価の損失と風味の劣化を防ぎます。食材によっては旨味成分が増加し、ビタミンE、β-カロテンや葉酸などの栄養価が、熱風乾燥を用いた場合と比較して高いことも分かっています。


2.低コスト、高い生産効率を実現

ボイラーレスの過熱水蒸気発生装置を開発し、熱風と併用することでエネルギー効率が極めて高い乾燥・殺菌技術を実現。連続式で生産効率が高く、従来型乾燥技術のコストの課題をクリアしました。


3.スピード殺菌乾燥

過熱蒸煎機での食材への加熱時間はわずか5~10秒。短時間加熱で食材の劣化を抑えながらも、過熱水蒸気の効果でしっかりと殺菌ができるので安全に加工できます。



製品名:過熱蒸煎機

発売日:2022年4月4日

※『過熱蒸煎機』カタログダウンロード

https://www.astra-fp.com/download/


  • 『ぐるりこⓒ』について

『ぐるりこⓒ』(※4)は、『過熱蒸煎機』によって風味、栄養価の減少を抑えながら製造される高付加価値パウダーの総称で、素材別には”タマネギぐるりこ”、”キャベツぐるりこ”などとなります。サスティナブルで循環型のフードサイクルを目指していることと、『過熱蒸煎機』内で原料をぐるぐると回転させながら乾燥殺菌する製造工程の様子を表したキーワード「ぐるり」と、Collaborate、Cooperation、粉の「こ」を組み合わせた造語です。


(※4)

『ぐるりこⓒ』は特許庁商標登録済み商標です。登録商標第6723114号


  • ASTRA FOOD PLANについて

ASTRA FOOD PLANは、過熱水蒸気技術を用いた食品乾燥装置『過熱蒸煎機』(※5)を開発・販売しているフードテックベンチャーです。

『過熱蒸煎機』は、高い生産効率とコストパフォーマンスを実現したことから、従来コストの問題で有効活用できなかった野菜の芯や皮、ヘタをはじめとする食品ざんさ等を付加価値の高い食材にアップサイクルすることができます。食品ざんさ廃棄の課題を抱える事業者に『過熱蒸煎機』を販売すると同時に、本装置で作られる新たな食品原料『ぐるりこⓒ』の用途開発を食品メーカーと協力して行うことで、フードロス問題の解決を目指しています。


(※5)

「過熱蒸煎」は特許庁商標登録済み商標です。登録商標第 6534112 号


■会社概要

ASTRA FOOD PLAN株式会社

URL:https://www.astra-fp.com/

本社所在地:埼玉県富士見市鶴瀬東1-10-26

代表取締役:加納千裕

設立:2020年8月

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会社概要

ASTRA FOOD PLAN株式会社

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URL
https://www.astra-fp.com/
業種
製造業
本社所在地
埼玉県富士見市鶴瀬東 1-10-26
電話番号
049-293-2654
代表者名
加納千裕
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2020年08月