NPO法人クリーンオーシャンアンサンブル、初の海上マイクロプラスチックの回収に成功
自然の力を使った海洋ごみ回収
第7回目となる風や潮流等の自然の力を活用した海洋ごみ自動回収の実証実験は、2024年5月19日〜2024年6月8日までの21日間、小豆島東側の海洋ごみが溜まるホットスポット海域にて設置しました。
設置日の翌日から経過観測を記録し、天候等の条件から海洋ごみの流れ方・量を調査しながら5日ごとの回収を行い、合計回収量は約1.21kgの海洋ごみ回収と観測史上初となる71個の海洋マイクロプラスチックの回収に成功しました。
マイクロプラスチックの影響
マイクロプラスチックとは、直径5ミリメートル以下の非常に小さなプラスチックの断片を指します。
プラスチック製品の分解や摩耗、化粧品や洗浄剤などに含まれるマイクロビーズから発生し、マイクロプラスチックは環境中に既に広く分布しており、特に海洋環境において深刻な問題となっています。
マイクロプラスチックは食物連鎖全体が汚染され、海産物等の食物を通じて人体に取り込まれる可能性があり、健康被害が懸念されています。
マイクロプラスチックは物理的に消化器官を刺激し、炎症や損傷を引き起こす可能性や、その表面に有害な化学物質(海中に放出された発癌性のある農薬等)を吸着しやすく、これらの化学物質が体内に取り込まれるリスクがあります。
参考資料:
・https://www.nature.com/articles/d41586-024-00650-3
・https://www.niehs.nih.gov/research/supported/translational/peph/podcasts/2020/june22_microplastics
マイクロプラスチック回収の仕組み
海洋ごみの流れ方や溜まり方の知見を活かし、漁網を活用した海洋ごみ回収技術開発を行ってきました。
海上で浮遊するのはプラスチックごみだけではなく、魚やプランクトン、海藻も混ざるため、海に有害なプラスチックだけを回収する方法を試行錯誤しており、魚は逃げ場の動線確保、プランクトンは網の目を大きくすることで対応してきました。
しかし、海藻だけはごみと同じ流れ方をするため、分離が難しく、回収時点で海に再放流するという対応を取ってきました。
今回、海藻にマイクロプラスチックが付着していることが判明し、マイクロプラスチックを除去してから海に再放流することでマイクロプラスチックのみの回収に成功しました。
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組織概要
・名称:NPO法人クリーンオーシャンアンサンブル(NGO Clean Ocean Ensemble)
・住所:香川県小豆郡小豆島町坂手甲985番地
・設立:2020年12月
・代表理事:江川 裕基
・主な活動国:日本、モザンビーク、ベトナム
・公式サイト:https://cleanoceanensemble.com/
・公式SNS:https://lit.link/cleanoceanensemble
団体の名前は、Clean(綺麗な)Ocean(海を)Ensemble(より多くの人と一緒に)というメッセージを込めています。
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