CO₂を吸収する国産建材『DACストランドボード』を商品化
-地域オープンイノベーションで実現。伐ったあと、建てたあともCO₂を取り込み続ける新しい時間軸を持つ新建材-

■概要
株式会社ベホマル(所在地:滋賀県草津市、代表取締役:西原麻友子)は、株式会社エスウッド(岐阜県)、株式会社桑原組(滋賀県)、株式会社内藤建築事務所(京都府)と4社共同で、CO₂を吸収・固定する新しい国産木質建材『DACストランドボード』を商品化しました。
地域の間伐材を基材に、当社が開発したバイオマス由来のCO₂吸収素材「美環®」を組み合わせることで、伐った木が建築物となったあともCO₂を取り込み続けるという、従来の建材にはない“時間軸を持つ機能”を実現しました。
現在、公共・民間施設への導入に向け、施工・展示・実証フィールドとして協働いただける施設・企業・自治体を募集しています。
■開発の背景 - 国産材の新しい使い道をつくる
日本では森林資源が豊富で、間伐や伐採も定期的に行われています。
しかし、海外産の安価な建材に市場を奪われ、伐った木を活かす場が限られていることが課題です。
その結果、国産材の需要は伸び悩み、地域の林業や木材産業の循環が十分に機能していません。
エスウッド社はこの状況に対し、地域の間伐材を用いた国産ストランドボードの開発に取り組んでいます。
そこにベホマルのCO₂吸収素材「美環®」を加えることで、木材に“炭素を取り込み続ける”という新たな環境価値を与えることに成功しました。
この協働は、国産木材に再び競争力を与える取り組みであり、「国産間伐材 × 吸収素材」による付加価値型の建材開発モデルとして注目されています。

■製品の特徴 - 建てたあともCO₂を少しずつ取り込み続ける建材
DACストランドボードとは
DACストランドボードは、地域の間伐材を基材に使用し、植物由来成分を主とした接着剤にCO₂吸収素材「美環®」を混合して圧着成形した、国産の木質建材です。
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一般的なストランドボードと同等の性能に、新たな機能を付加
一般的なストランドボードと同等の強度・加工性を保ちながら、建築後も大気中のCO₂をゆるやかに取り込み、内部に固定するという新たな機能を備えています。
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木材由来の炭素を長期固定
ストランドボード自体もバイオマス由来であり、木材中の炭素を長期にわたって固定します。標準的なボード(1枚=1800×900×12mm)には、約16kg-CO₂が固定されています。
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「美環®」の付加により、建築後もCO₂を追加で固定
一般的な木質ボードでは機能はここで完結しますが、DACストランドボードは、ここに「美環®」が加わることで、建築後も常温環境下で大気中のCO₂を約7g(2Lペットボトル2本分)追加で固定します。しかも、この吸収は設置後も常温環境で継続します。
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会議室壁面への施工例(約30㎡規模)
仮に一般的な会議室(約30㎡規模)の壁面に本ボードを全面施工した場合、使用枚数は約20枚です。素材内部に固定される炭素量は合計で約320kg-CO₂に達し、これは成長中のスギ約20本が1年間に吸収する量(林野庁データ換算)に相当します。
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炭素除去の時間軸を拡張する建材へ
このように、木材が本来蓄えている炭素に加え、建築後もCO₂を取り込み続けることで、“炭素除去の時間軸の拡張”を実現しました。
DACストランドボードの価値
“伐っても、建てても、CO₂を留める”──それがDACストランドボードの新しい価値です。
※ボード寸法1800×900×12mm、木材中炭素量0.5t-CO₂/m³、間伐材含有比率80%、スギ1本の年間CO₂吸収量を約14kg-CO₂/年。算出条件:林野庁「森林・林業の現状」に基づき換算。ボード1枚あたり約16kg-CO₂固定(木材由来)+CO₂吸収素材「美環®」による追加吸収約7gを加味。


■素材技術 -「美環®」が支える炭素循環
「美環®(びのわ)」は、ナノオーダの孔が多数ある植物由来のCO₂吸収素材で、常温・常圧下でも希薄なCO₂を吸着することができる新素材です。これにより、大気中の低濃度(約400ppm)のCO₂分子を常温・常圧で取り込み、加温や減圧で再放出することが可能です。
毒性や腐食性がなく、プラスチックや木材、塗料などに安全に混ぜ込むことが可能なため、環境に負荷をかけずに身の回りの製品そのものをCO₂吸収型に変えることができます。
「扱える」「混ぜられる」「燃やしても安全」という、日用品レベルの汎用性を備えており、これまで工業的な用途が中心だったCO₂吸収材の常識を変える発想から生まれました。この“扱いやすさ”を活かし、生活に身近な素材へ、CO₂を吸収する機能を転写していくことを目指しています。
今回、この「美環®」を同じくバイオマス系素材である木質建材に混練し、配合条件や成形温度を調整することで、木質繊維との密着性と分散性を最適化しました。従来の製造工程をほとんど変えることなくCO₂吸収機能を付与できることが確認され、この技術から、国産木材の付加価値を高める新しい国産ボードが誕生しました。本件は特許申請済み。今後さらに開発を進め、性能向上を進めていきます。


■開発体制 - 地域オープンイノベーションによる共創
DACストランドボードは、研究開発型スタートアップであるベホマルを中心に、
製造・設計・施工の各分野で地域企業が連携したオープンイノベーション体制によって生まれました。
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素材開発・技術提供:株式会社ベホマル(滋賀県)
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建材製造・販売:株式会社エスウッド(岐阜県)
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設計連携協力:株式会社内藤建築事務所(京都府)
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施工連携:株式会社桑原組(滋賀県)
素材メーカー単独では実現できない社会実装を、
地域の製造・設計・施工の力と結び合わせることで可能にしました。
■循環ストーリー -「伐って終わり」ではなく、「建ててからが始まり」へ
DACストランドボードが描く未来は、木が建物の中で再びCO₂を抱きとめる循環構想です。
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森林の成長とともにCO₂を木が固定
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森林整備の一環として間伐材を伐採
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間伐材を基材に、CO₂吸収素材「美環®」を混合してストランドボードに成形
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建築物に使用され、使われながらさらに大気中のCO₂を吸収・固定
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廃棄後は粉砕して再利用・土壌還元
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森林が成長→1に戻る
「伐って、使って、戻す」という自然の循環に、“CO₂を留める”という新しい機能を加えました。
木材が建築物の中でも時間的に呼吸し続けるという新しい発想です。
■用途と導入シーン
DACストランドボードは、デザイン性と環境性能を両立し、
公共・民間のあらゆる建築分野で活用が期待されています。
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公共施設(学校、図書館、庁舎、環境学習施設など)
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民間施設(オフィス、ホテル、住宅、商業施設など)
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家具、什器、空間デザイン素材としての活用
特に、脱炭素化に取り組む自治体や企業において、「地域材を活かした炭素除去建材」として注目されています。


■今後の展開 - 実証フィールド・施工パートナーを募集
現在、DACストランドボードを活用した施工・展示・実証フィールドを募集しています。
公共施設やオフィス、商業空間、ショールームなど、建材として実際に使用・展示いただける場を通じて、
地域の木材と環境技術がつながる循環型建築モデルを共に実現できるパートナーを求めています。
また今後は、各地域の間伐材を基材とした「地域版DACストランドボード」の展開を予定しています。
地域ごとに異なる木材特性を活かしながら、ベホマルのCO₂吸収技術を組み合わせることで、それぞれの地域に根ざした「ご当地建材」を生み出す構想です。
この取り組みを通じて、建築そのものを“炭素を留める場”へと変える社会実装を進めていきます。
今後は、自治体・企業・設計事務所などとの協働をさらに広げ、CO₂吸収建材を活用した実空間での検証・普及を推進してまいります。
■協業パートナーコメント・会社紹介

株式会社エスウッド(岐阜県各務原市)
会社概要:
国産間伐材を活用した環境配慮型ストランドボードを製造する木質建材メーカー。
代表取締役社長 長田 剛和様
「弊社は、経営ビジョン「森とまちをつなぐ。」の実践として、建材開発を通じた森の循環とまちの循環を実現しています。
地域資源における課題や企業活動における課題について、想いを社会に発信し、共感を創造するため、想いを聴き、伝えることのできる、建材開発や木育等の企画実践をしています。
本取り組みは、カーボンニュートラルの実現に向けて、CO₂を吸着することを可能とした国産OSB(ストランドボード)の開発実践です。私たちは、地球環境問題への意識を持ち、誰もが安心して暮らせる地域社会を目指して、建材開発と製作、そして新たな企画の実践を担っていきます。」
株式会社内藤建築事務所(京都府京都市)
会社概要:
病院・福祉施設や公共施設の設計を得意とし、建築設計・監理を手掛ける京都の組織設計事務所
設計部設計室 チームリーダー 松田 伸之様
「カーボンニュートラル」と「脱炭素」の目標は、建設・設計業界にとっても避けては通れない設計・施工の条件となっています。
日本は「2050年にカーボンニュートラルを目指す」と宣言しました。目標達成のため、各業界では様々な取り組みが行われています。
設計事務所の役割とは、CO₂削減手法を「建材製造メーカー」と「建材使用施工業者」を「最新素材技術」でコーディネートする立場であると考えています。
その意味では「エスウッド」+「桑原組」+「ベホマル」+「内藤建築事務所」の協同作業は、最新技術を試みが可能な枠組みです。
未来のCO2削減に向けた新たな試みこそが、我々に与えられた義務であると考えています。


株式会社桑原組(滋賀県高島市)
会社概要:
土木・道路などのインフラ整備から、公共・民間の建築工事など、どれもが身近にあり欠かせないものです。私たちは、使用する人の気持ちになり、より良い仕事をし、人々が便利で快適な生活を送り、笑顔になる未来を創造することを目指しています。
常務執行役員 落合 智様
滋賀県は2019年に「SDGs未来都市」に選定され、県政全体にSDGsの視点を取り入れた政策を推進しています。
当社も「しがCO₂ネットゼロムーブメント」に呼応し、地域住民・自治体・企業と連携しながら、琵琶湖をはじめとする豊かな自然環境を守るため、「建設業の枠を超えた環境貢献」が必要と考えています。
「i-Construction」などの先端技術を導入し、施工効率の向上と資材の最適利用によってCO₂排出量の削減に取り組み、建設現場での環境負荷を抑えつつ、高品質なインフラ整備を進めています。
今回の取り組みは、カーボンニュートラル実現への大きな前進であり、地域企業として、より脱炭素に貢献してまいります。
■代表コメント -株式会社ベホマル代表取締役 西原麻友子
CO₂は、人の活動が生み出す“想いの痕跡”のようなものだと考えています。それを排除するのではなく、もう一度“留めて、巡らせる”。この考え方が、私たちの素材開発の原点です。
今回、この商品化をエスウッド様、内藤建築事務所様、桑原組様といったそれぞれの強みを持つ企業の協力によって実現できたことは、当社にとって大きな経験となりました。
偶然にも、息子が通う小学校の壁材がエスウッド様のストランドボードであったことを知り、この取り組みが“つながりの中で生まれている”ことを実感しました。
これからも“人と技術と地域”をつなぎ、持続可能な社会づくりに貢献してまいります。


株式会社ベホマルについて
株式会社ベホマルは、バイオマス由来のCO₂吸収素材「美環®(びのわ)」の開発・製造・販売を行う滋賀県発のスタートアップです。
本材料を樹脂・プラスチックに混ぜて製品化することで、CO₂吸収プラスチック”DACプラ®”を造ることが出来ます。
「日常をCO₂回収スポットに」を掲げ、素材技術を通じて日常生活の中で誰もが炭素除去出来る社会を目指しています。
ベホマルでは、本製品以外にも多分野への応用を進め、“CO₂を吸う素材から、吸う社会へ”という新しい循環型社会の実現を目指しています。
■問い合わせ
■素材技術・本プレスリリースに関するお問い合わせ
株式会社ベホマル(滋賀県草津市)
MAIL:info@behomal.co.jp
URL:https://www.behomal.co.jp
■ストランドボード、製品購入に関するお問い合わせ
株式会社エスウッド(岐阜県各務原市)
MAIL:info@s-wood.jp
URL:https://s-wood.jp/
■関連キーワード
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