放置自動車の実態「環境への影響知らない」が60.8%
72.2% 車の価値「知らない」
株式会社カーネクスト(本社:大阪市北区 代表取締役:牧宗一)は、全国の車保有者を対象に「放置自動車」に関する調査を実施しました。本リリースでは、放置自動車に対する意識と、削減に向けた課題・解決策をまとめています。
■Summary
・51%が「街で放置自動車を見かけたことがある」
・「放置自動車が環境に及ぼす影響」は60%以上が「知らない」と回答
・行政や業界に「適切な情報提供」を求める声
1.調査の背景
放置自動車は、景観悪化や安全リスクに加え、環境負荷の観点でも社会的問題となっています。一方で、放置自動車削減に向けた具体策や認知は十分ではありません。
今回の調査では、放置自動車が環境や資源に及ぼす影響、廃車・再利用への意識を確認することで、社会的課題を明らかにしました。
2.調査概要
(1)調査期間:2025年12月1日~12月2日
(2)調査方法:インターネット調査
(3)調査対象:全国20歳以上の車保有者
(4)回答者数:500人
(5)調査機関:インターネットリサーチ会社
3.調査結果
放置自動車の目撃は51%
「街で放置自動車を見かけたことがありますか?」という質問に対して、「ある」と回答した割合は51.0%となりました。半数以上の人が、「放置自動車」を目撃していることがわかります。

次に、「放置自動車が環境に及ぼす影響」への認知を見ていきます。

半数以上の人が「放置自動車」を目撃したことがある一方で、6割が「環境に及ぼす影響を知らない」と回答しました。これは「放置自動車」が存在することを認識しているが、どのような問題を引き起こす可能性があるかの認知は不足していると言えるでしょう。
また、「知っている」と回答した方に「放置自動車が環境に及ぼす具体的な影響」を質問したところ、以下のような結果となりました。
▽具体的な「放置自動車が環境に及ぼす影響」 ※一部抜粋
・オイル漏れ等による汚染(男性・73歳)
・放火される可能性(女性・77歳)
・有害物質の流出(男性・40歳)
・燃料の放出による環境破壊(女性・47歳)
回答を見ていると、「知っている」層は具体的な影響も認知していることがわかります。これは、「放置自動車が環境に及ぼす影響」への認知は人により大きな差があると言えるでしょう。
世代別でも見ていきます。
若年層で「環境に及ぼす影響を知らない」の回答が約7割

20-40代と50代以上で比較したところ、20-40代の方が「環境に及ぼす影響を知らない」の割合が10.3pt高いことがわかりました。特に、若年層において「放置自動車が環境に及ぼす影響」への認知が不足している傾向にあると言えます。
放置自動車問題は長年の課題であることから、「新しい情報」が注目されやすいSNSで言及されることは多くありません。一方で、テレビや新聞などのマスメディアでは地域課題やSDGs問題を取り扱うことも多いです。情報源のメインがSNSである若年層と、マスメディアである50代以上の違いが、世代による認知の差に繋がっている可能性があると考えられます。
車の価値「知らない」にも課題
次に、車の価値に対する認知を確認しました。「車の約99%が再利用できることを知っているか」という問いに対して、72.2%が「知らない」と回答しました。

自動車は資源として約99%を再利用することができますが、この事実は社会に浸透していないことがわかります。「放置自動車が環境に及ぼす影響」だけではなく、「車の処分=捨てる」ではなく「資源になり得る」というポジティブな要素も併せて認知していくことで放置自動車問題への理解もさらに深まると考えられます。
廃車へのイメージにも課題大
放置自動車を削減するためには、使用しなくなった車を「放置」ではなく正しく処分する必要があります。その中で、選択肢のひとつになるのが「廃車」です。法的な手続きを踏み、適切な処理を行うことで、先述のとおり「資源」として再利用されます。
ここでは「廃車」に対するイメージを確認しました。

「費用が発生する」と回答したのが71.8%で最多となりました。次いで「手続きが面倒・複雑」が57.8%、「環境に悪い」が29.4%となります。
「廃車」は、放置自動車の削減に寄与する手続きである一方、「費用の負担」や「手間」などネガティブな印象を抱いている割合も半数以上にのぼりました。
「放置自動車」への対策を求める 68.8%
最後に、行政や廃車買取業界へ「放置自動車」の対策を求めるか確認したところ、68.8%が「求める」と回答しました。

「放置自動車」による具体的な影響は認知していなくとも「対策するべき」という危機感は持っていると言えるでしょう。
一方で、行政や業界も放置自動車問題の解決に向けて様々な情報発信やサービス提供を行っています。行政は、放置自動車に関する通報を受けるとナンバープレートから所有者を特定し移動を促す対応を取ります。また、廃車買取業界では、無料の引取や廃車手続きの代行をサービスとして提供するなどの対策が取られています。
ただ、「対策を求める」の声が7割近くにのぼるということは、これらの取り組みやサービスが正しく届いていないと言えるでしょう。
【解説】「徹底的な情報発信」がカギ
本調査では、全国の車保有者の半数以上が「放置自動車」を目撃している一方で、環境への影響や車の再利用に関する理解が不足していることが明らかになりました。放置自動車が環境に及ぼす影響を「知らない」と回答した割合は6割以上、車のほとんどが再利用できることを「知らない」と回答した割合は7割以上にのぼります。
この状況は、適切な廃車処理にまで影響を及ぼす可能性があります。本調査では、車を処分する方法のひとつである「廃車」について、「費用が発生する」「手続きが面倒」というイメージを持っている人が多いことがわかりました。廃車買取業界では無料で代行するサービスを提供しているケースがあるにもかかわらず、ネガティブに捉えられています。「放置自動車が環境に及ぼす影響を知らない且つ、廃車のハードルも高い」と捉えられている状況は、今後も新たな「放置自動車」の発生を引き起こす可能性があります。
これらの結果から、「放置自動車」問題の解決に向けて単に「放置自動車」の存在を認識させるだけでは不十分であると言えるでしょう。当社では、「環境負荷・資源再利用への理解」を深めるための積極的な情報発信が必要であると考えています。特に若年層の認知が低いという結果からも、マスメディアのみならずSNS等の活用により誰もが受け取りやすい発信をすることで、「放置自動車」をはじめとする社会問題を浸透させていくことが、解決の一歩になると考えています。
「放置自動車」は景観悪化など表面上の問題にとどまらず、環境や資源の課題と直結しています。行政や廃車買取業界による情報発信の強化により、「環境や資源の問題」と認識を深めることが、地域環境の改善や資源循環型社会の実現に繋がると言えるでしょう。
当社では、「放置自動車」問題をはじめとした自動車に関する社会課題に対し、解決の一助となるサービスの提供・調査を通じた情報の発信を行っています。
放置自動車に関する情報の連携先
お住まいの地域の警察署や各自治体の放置自動車担当窓口へご相談ください。
▽警察署一覧
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/about_mpd/shokai/ichiran/index.html
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出典:廃車買取の株式会社カーネクストのプレスリリース「放置自動車の実態「環境への影響知らない」が60.8%」
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