オウンドメディアで約半数が「成果を感じない」AI活用は進むも実態調査で見えた“戦略不足”の壁
〜コンテンツ制作の現場80名調査〜
株式会社LiKG(本社:東京都渋谷区、代表:近藤光生)は、オウンドメディア運営に関わる担当者80名を対象に、運営実態とAI活用に関する調査を実施しました。
調査の結果、オウンドメディア運営において「失敗経験がある」と回答した割合は51.3%と過半に達し、さらに成果実感についても「強く感じている」は13.75%にとどまり、「あまり感じていない」「全く感じていない」を合わせると51.25%となりました。運営の難易度の高さと、成果創出の壁が依然として大きいことが明らかになりました。
■ 半数以上が「失敗経験あり」、成果実感も二極化

まず、オウンドメディア運営における失敗経験については、「ある」が51.25%、「ない」が48.75%と回答し、半数超の担当者が失敗と感じる経験している結果となりました。

一方、成果実感については、「強く感じている」(13.75%)と「やや感じている」(35%)を合わせた“成果を感じている層”が48.75%となりました。対して、「あまり感じていない」(27.50%)と「全く感じていない」(23.75%)を合わせた“成果を感じていない層”は51.25%となり、成果実感の有無がほぼ二分される結果となりました(図2)。
このことから、オウンドメディアは一定数の成功体験がある一方で、同時に「成果に結びつかないまま停滞している層」も同規模で存在している構造が浮き彫りとなっています。
■ 最大の失敗は「リード獲得できない」、流入より“収益化”が壁

具体的な失敗内容として最も多かったのは、「リード獲得につながらない」で48.78%となりました。次いで「検索流入が増えない」が43.90%と続き、集客とコンバージョンの両面で課題が顕在化しています。
一方で、「更新が止まった」は17.07%、「コンテンツ制作が継続できない」および「社内協力が得られない」はいずれも21.95%にとどまっており、単なる運用停止よりも、「継続しているが成果に結びつかない」という構造的な課題の方が深刻であることが示唆されます。
また、「記事の品質が安定しない」は9.76%と比較的低水準であり、品質単体の問題よりも“設計と導線”に起因する失敗が多い傾向が見られます。
■ 失敗要因は「戦略不足」が最多、制作以前の設計課題が顕著

失敗の原因として最も多く挙げられたのは「戦略不足」で39.02%でした(図4)。これに「制作体制不足」が34.15%、「予算不足」が26.83%と続きます。
特に注目すべきは、「キーワード設計不足」が24.39%、「社内理解不足」が19.51%と一定数存在している点です。これは単なるリソース不足ではなく、「何を狙うか」「なぜやるか」という設計・意思決定の段階で課題が発生していることを示しています。
つまり、コンテンツ制作の問題というよりも、“マーケティング戦略としての設計力”が成果を分ける要因となっていることが明らかになりました。
■ AI活用は56.25%に拡大も「メイン利用」は7.5%にとどまる

コンテンツ制作におけるAI活用については、「メインで利用」が7.50%、「補助的に利用」が46.7%となり、過半数がAIを活用している結果となりました(図5)。
AIを利用している回答者は56.25%となった一方、「メインで利用」は7.50%にとどまっており、多くの企業では依然として補助的な活用が中心であることが分かりました。
特に「メインで利用」が1割未満にとどまっている点から、AIはあくまで補助的なツールとして位置づけられているケースが多く、運用の中核を担うには至っていない現状が浮き彫りとなりました。
実際に使用されているAIツールとしては、「ChatGPT」が53.33%で最も多く、次いで「Gemini」が48.89%と僅差で続く結果となりました。
また、「Claude」は24.44%、「NotebookLM」は13.33%と一定の利用が見られ、用途に応じた使い分けが進んでいる様子がうかがえます。一方で、「独自のAIライティングツール」は4.44%にとどまっており、汎用生成AIの活用が主流であることがわかりました。
■ AI活用は「リサーチ〜構成〜執筆〜校正」まで広範に、ただし未活用層も一定数
自由回答から、AIの具体的な活用方法についても実態が明らかになりました。全体としては、AIは単一用途ではなく、リサーチ、構成作成、執筆、校正、資料作成といったコンテンツ制作の各工程にまたがって活用されている傾向が見られます。特に「情報収集」「アイデア出し」「構成案作成」など、上流工程での活用が目立ちました。一方で、「原稿作成」「SEO記事執筆」「文章生成・校正」など、AIが“補助ツール”として制作プロセス全体に組み込まれつつある実態が浮き彫りとなっています。
また、「企画書・提案書の作成」など、従来は人手に依存していた業務の一部を代替する用途も見られ、業務効率化への寄与も確認されました。一方で、「特に使っていない」「なし」と回答したケースも複数見られ、AI活用の定着度には差があることも明らかになりました。
■ 実際の活用例(一部抜粋)
・NotebookLMで参照データを要約し、GeminiでSEOフレンドリーな文章に再構成
・Geminiを用いた文章生成および校正
・キーワードリサーチや情報収集の効率化
・記事構成案の作成やアイデア出し
・SEO記事の執筆および調整
・企画書・提案書のドラフト作成
■ 改善したい点は「コンバージョン」と「品質」、ただし“改善意欲なし”も25%(図7)

今後改善したい点として最も多かったのは「コンバージョン」で23.75%、次いで「コンテンツ品質」が21.25%となりました。
一方で、「検索流入」は15.00%にとどまっており、単純な集客よりも“成果への転換”に課題意識が移行していることが読み取れます。注目すべきは、「改善したいことはない」と回答した層が25.00%存在する点です。これは、すでに一定の成果が出ている層である可能性もある一方で、改善余地を見出せていない、あるいは運用自体が停滞している可能性も示唆しています。
■ 総括:AI時代でも“勝敗を分けるのは戦略設計”
本調査から、オウンドメディア運営においてはAI活用が進む一方で、成果を左右する本質的な要因は依然として「戦略設計」にあることが明らかになりました。
検索流入や記事制作の効率化といった“手段”は高度化しているものの、「誰に・何を・どの導線で届けるか」という設計が不十分な場合、リード獲得やコンバージョンには結びつかない構造が浮き彫りとなっています。
今後は、AIを単なる効率化ツールとしてではなく、戦略設計・分析・改善の意思決定まで含めて活用できるかどうかが、オウンドメディア成功の分岐点となると考えられます。
■ 調査概要
・調査対象:オウンドメディア運営に関わる担当者
・有効回答数:80名
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2026年3月
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