VicOne × Zero Day Initiative世界最大規模のゼロデイ脆弱性発見コンテスト「Pwn2Own Automotive 2025」を開催

世界13か国から参加のセキュリティリサーチャーが、SDVとそのエコシステムに関する49のゼロデイ脆弱性を発見「Master of Pwn」の称号はSina Kheirkhahに

　トレンドマイクロ株式会社（東京都新宿区、代表取締役社長 (CEO) エバ・チェン）の子会社で、自動車向けサイバーセキュリティ分野のリーディングカンパニーであるVicOne株式会社（ヴィックワン、東京都新宿区、最高経営責任者（CEO）マックス・チェン）は、トレンドマイクロが運営する脆弱性発見コミュニティZero Day Initiative（ZDI）と共同で、ゼロデイ脆弱性発見コンテスト「Pwn2Own Automotive 2025」を、2025年1月22日（水)～24日（金)に開催しました。

　「Pwn2Own Automotive」は、Zero Day Initiative （ZDI）のプラットフォームのもと、世界トップレベルのセキュリティリサーチャーが最新の自動車技術に対する実環境での検証を行う、世界最大規模のゼロデイ脆弱性発見コンテストです。2年目となる今年は、世界13か国から、21チーム（個人参加を含む）が参加し、3日間の開催期間中に、合計49のゼロデイ脆弱性が発見されました。また、「Master of Pwn」※の称号は、Sina Kheirkhah（イギリス・Summoning Team社）が獲得しました。

　VicOneは、「Pwn2Own Automotive」の開催を通じて、SDV時代における包括的なリスク管理体制の構築と自動車業界全体のサイバーセキュリティレベル向上に貢献します。

SDVの普及で車両機能がソフトウェアで制御されることにより、脆弱性の発見や攻撃リスクの増加が懸念される中、「Pwn2Own Automotive」でのゼロデイ脆弱性発見を通じてセキュリティ対策を強化し、サイバーインシデント防止を促進することで、未来の車両セキュリティの基盤を築きます。

　また、本コンテストにおけるセキュリティ検証は、ゼロデイ脆弱性がブラックマーケットに出回る前に早期発見と迅速な対策を可能にし、サイバー攻撃による被害を未然に防ぐとともに、製品のセキュリティレベル向上に寄与します。

　さらに、セキュリティリサーチャーの脆弱性発見の功績を広く称え、総額100万米ドルを超える賞金を提供することで研究を活性化させるとともに、実践的な環境での経験機会を提供することでセキュリティ人材を育成し、全体的なセキュリティレベルの向上にも繋げます。

※「Master of Pwn」について

「Pwn2Own Automotive 2025」では、車載インフォテインメント（IVI）システム、電気自動車（EV）充電器、オペレーティングシステム（OS）の3つのカテゴリーにおけるセキュリティチャレンジを行いました。

未知、未公開および未報告の脆弱性を発見するとポイントと賞金が授与され、コンテスト終了時点で最も多くのポイントを獲得した参加者（チーム）に「Master of Pwn」の称号が与えられました。

■「Pwn2Own Automotive 2025」の主な結果

「Pwn2Own Automotive 2025」の主な結果は以下の通りです。

• イギリスのSina Kheirkhah（Summoning Team社）が最多となる30.5ポイントを獲得し、「Pwn2Own Automotive」の第二代「Master of Pwn」の称号を手にしました。

• 3日間を通して、合計49の未知、未公開および未報告のゼロデイ脆弱性が発見され、総額約100万ドルの賞金が「Pwn2Own Automotive 2025」で授与されました。

• 米国、日本をはじめ、韓国、オーストラリア、英国、カナダ、フランス、ドイツ、ベトナム、スイス、オランダ、ハンガリー、フィンランドの世界13か国から、合計21チーム（個人参加を含む）のセキュリティリサーチャーが参加しました。

　本コンテストを通じて発見されたゼロデイ脆弱性は各ベンダーに報告され、修正に向けての対応が進められます。脆弱性の詳細は、大会終了後90日以降に状況を鑑みて発表する予定です。詳細な結果は、公式ブログをご覧ください。

■トレンドマイクロ脅威研究部門バイスプレジデント　ブライアン・ゴレンクのコメント

2007年以降、Pwn2Ownは世界最大規模の脆弱性発見コンテストとして、最も複雑で攻略が困難なターゲットに対する脆弱性の発見をサポートしてきました。今年も東京で第2回の「Pwn2Own Automotive」を開催し、49のゼロデイ脆弱性を発見しました。このコンテストは、自動車メーカーと世界トップクラスのセキュリティリサーチャーが、最新の知見を共有する貴重な場となっており、自動車業界が進化する脅威に備える上で重要な役割を果たしています。今から来年の開催が楽しみです。

■VicOne最高経営責任者（CEO） マックス・チェンのコメント

SDVの普及に伴い、サイバーセキュリティは将来の自動車の安全性と信頼性を確保する上で重要となります。「Pwn2Own Automotive」のようなプラットフォームは、ゼロデイ脆弱性を特定し、サイバー攻撃のリスクを軽減する上で不可欠です。VicOneはこのような取り組みを通して、業界全体における車両セキュリティの強化を積極的に支援し、より安全で信頼性の高い自動車の発展に貢献しています。

　また当社は、本コンテストと同会場にてブースを出展しました。ブースでは、SBOM（ソフトウェア部品表）とゼロデイ脆弱性に対する独自の強みを持つ「xZETA」や、AIセキュリティ技術を統合し、自動車のスマートコックピット環境におけるデータ漏洩とAIへの攻撃を効果的に防御する「Smart Cockpit Protection」などの当社ソリューションを展示し、新機能にフォーカスしたデモンストレーションやパートナー企業との協業発表などを行いました。

 

　VicOneは「オートモーティブ ワールド」への出展を通じて、自動車業界のサイバーセキュリティ課題解決に積極的に取り組み、最先端のセキュリティソリューションを披露することで業界全体のイノベーションを加速させ、より安全なモビリティ社会の実現に貢献します。

■VicOneブースで発表された協業内容

VicOne×Inventec×Skymizer

スマートコックピット向けの強力な車載生成AIセキュリティソリューションの開発協力を発表

VicOneの「Smart Cockpit Protection」の新機能「AI Guardian」と、没入型の車内体験を実現するInventecの「AAOS IVI（Android Automotive OS車載インフォテインメント・システム）」そして、高い拡張性と効率性を備えたローカルLLM推論を提供するSkymizerの「EdgeThought LPU（言語処理ユニット）IP」が連携し、スマートコックピット向けの強力な車載生成AIセキュリティソリューションを発表しました。この協業により、AI搭載コックピットはデータ漏洩やセキュリティリスクから保護され、AIアプリケーションによる優れたサービスの提供が実現します。

トレンドマイクロ (トレンドZDI) について

トレンドマイクロは、世界のサイバーセキュリティをリードする企業として、デジタル情報の安全な交換を実現するために取り組んでいます。数十年にわたるセキュリティの専門知識、世界規模の脅威調査、継続的なイノベーションによって支えられたトレンドマイクロのサイバーセキュリティプラットフォームは、クラウド、ネットワーク、デバイス、エンドポイント全体で数十万の組織と数百万の個人を保護しています。クラウドおよびエンタープライズセキュリティのリーダーとして、このプラットフォームは、AWS、Microsoft、Googleなどの環境向けに最適化された高度な脅威防御技術と、迅速で的確な検出と対応を可能にする統合的な可視性を提供します。65か国にわたる7,000人の従業員を有するトレンドマイクロは、組織がつながる世界をシンプルかつ安全にすることを支援しています。 詳細は https://www.trendmicro.com/ja_jp/business.htmlをご覧ください。

VicOneについて

VicOneは、これからの自動車を守るというビジョンを持ち、自動車産業向けに幅広いサイバーセキュリティソフトウェアやサービスを提供しています。自動車メーカーの厳しい要求に応えるために開発されたVicOneの各ソリューションは、現代の車両が必要とする高度なサイバーセキュリティの各種要件に適合し、大規模な運用にも応えるように設計されています。VicOneは、トレンドマイクロの子会社であり、トレンドマイクロが30年以上にわたって培ってきたサイバーセキュリティ技術をベースにしています。自動車サイバーセキュリティのグローバルリーダーとして、サイバーセキュリティにおける独自の深い知見を活かした先見性を提供し、お客様が安全でスマートな車両を開発できるよう支援しています。

〈会社概要〉

日本法人名　　　　　　　　VicOne株式会社（英語名：VicOne Corporation）

グローバル代表CEO　　　　マックス・チェン

日本法人役員　　　　　　　会長　マヘンドラ・ネギ、　マックス・チェン等

設立日（台湾）　　　　　　2022年6月　

設立日（日本）　　　　　　2023年6月（登記月）

従業員数（グローバル）　　約120名　

本社所在地　　　　　　　　東京都新宿区新宿4-1-6　JR新宿ミライナタワー

事業内容　　　　　　　　　自動車向けサイバーセキュリティソリューションの開発

U R L　　　　　　　　　　 https://www.vicone.com/jp