「紹介状の受け渡し」で終わらない医科歯科連携を おしむら歯科・押村進が日本病巣疾患研究会で提言

第14回総会・学術集会で「歯科疾患と歯性病巣感染」をテーマに基調講演。掌蹠膿疱症をめぐり、医師と歯科医師が診療科の垣根を越えて患者中心で治療方針を考える医科歯科連携の重要性を訴える

おしむら歯科・こども矯正歯科クリニック

おしむら歯科・こども矯正歯科クリニック(愛知県名古屋市)は、2026年9月5日(土)・6日(日)に東京都千代田区の星陵会館で開催された「日本病巣疾患研究会 第14回総会・学術集会」において、前院長の押村進が「歯科疾患と歯性病巣感染『掌蹠膿疱症・腎炎・リウマチなど』」をテーマに基調講演を行ったことをお知らせします。

講演では、掌蹠膿疱症(Palmoplantar Pustulosis:PPP)などの病巣疾患に対し、医科と歯科が単に紹介状を送り合うだけではなく、互いの専門領域に踏み込み、顔を合わせて議論しながら患者さんにとって適切な治療方針を検討する「一歩踏み込んだ医科歯科連携」の重要性を訴えました。

第14回総会・学術集会では、歯性病巣感染や掌蹠膿疱症、IgA腎症、慢性上咽頭炎などをテーマに、医師・歯科医師をはじめ多領域の医療従事者が議論を行いました。

日本病巣疾患研究会主催 第14回総会・学術集会の様子

■掌蹠膿疱症と「歯」の関係を、もっと多くの医療者に知ってほしい 

掌蹠膿疱症は、手のひらや足の裏に無菌性の膿疱が繰り返し生じる慢性皮膚疾患です。

近年、その発症や増悪因子の一つとして、歯周炎や根尖性歯周炎などの「歯性病巣」や、歯科領域の問題との関連が注目されています。

今回の学術集会でも「皮膚科疾患(掌蹠膿疱症)における医科歯科連携」がシンポジウムのテーマとして設定され、東北大学大学院歯学研究科の杉浦剛教授からは「掌蹠膿疱症 歯科診療の手引き」の作成経緯と内容について講演が行われました。

同講演では、歯周炎や根尖性歯周炎などの歯性病巣への対応を優先し、それでも改善がみられない場合に金属アレルギーへの対応を検討するという治療の順序が示されています。また、金属アレルギーの診断や治療方針についても、医科歯科連携のもとで判断することの重要性が示されました。

一方で、こうした知見がすべての医療現場に十分浸透しているとは言えません。

日本病巣疾患研究会では、医師と歯科医師をはじめとする多職種が経験知を共有し、自由に議論することを通じて、病巣炎症疾患に対する患者中心の診療につなげることを目指しています。


 ■「PPPの患者さんが来たら、まずメタルフリー」を変えたい 

押村進が今回、特に問題提起した一つが、掌蹠膿疱症患者に対する歯科診療の進め方です。

歯科金属アレルギーに関する情報が広く知られるようになったことで、「掌蹠膿疱症=歯科金属」と捉え、口腔内の金属をメタルフリー材料へ置き換えることが先行するケースがあります。

しかし押村は、長年の臨床経験の中で、金属アレルギーを疑って来院した掌蹠膿疱症患者の中には、パッチテストで反応がみられない例や、金属を別の歯科材料に置換しても皮膚症状の改善につながらない例を経験してきました。

そのため、単に「金属を外す」という治療から始めるのではなく、まず歯周炎や根尖性歯周炎などを含む慢性的な歯性病巣の有無を確認し、必要に応じて皮膚科・内科・リウマチ科などと連携しながら治療方針を組み立てることが重要であると訴えました。

これは押村進の基調講演抄録にも記されており、頸部より上の慢性病巣や歯性病巣に着目しながら、皮膚科・内科・リウマチ科との連携が重要との考えが示されています。


 ■紹介状の「受け渡し」で終わらない医科歯科連携を 

今回の講演で押村がもう一つ強く訴えたのが、医科歯科連携そのもののあり方です。

医師から歯科医師へ、あるいは歯科医師から医師へ診療情報提供書を送り、患者さんを紹介することも連携の重要な一歩です。

しかし、それだけでは十分ではないと押村は考えています。

医師が歯科領域に関心を持ち、歯科医師も皮膚科、内科、リウマチ科などの考え方を学ぶ。必要であれば、歯科医師が医学部や医療機関の現場に入り、医師と直接顔を合わせて症例について話し合う。

「医科」と「歯科」を二つの別々の医療として考えるのではなく、一人の患者さんを中心に置き、それぞれの専門家が同じ治療目標を共有することが、本来あるべき医科歯科連携ではないかと問いかけました。

実際、今回の学術集会では、歯科だけでなく皮膚科、腎臓内科、耳鼻咽喉科、小児科など複数領域から発表が行われ、口腔と全身疾患を診療科横断で考えるプログラムが組まれています。


 ■治療方法だけでなく、「患者さんにとって何が最善か」を考える 

押村が講演で伝えたのは、医療者側の都合で治療方法を決めるのではなく、患者さんの立場から治療計画を考えることの重要性です。

病巣疾患に対する治療には、複数の選択肢が考えられる場合があります。

その際に重要なのは、一つの治療方法に固執することではなく、

「患者さんの症状にとって何が必要なのか」
「どの順序で治療することが適切なのか」
「患者さんの希望や費用面も含め、現実的に継続できる治療は何か」

を医師・歯科医師・患者さんが一緒に考えることです。

日本病巣疾患研究会も今回の学術集会のテーマとして「経験知を活かした知恵ある診療」を掲げ、エビデンスだけでなく、患者の価値観や希望、実臨床で積み上げられた経験知を統合した患者中心の診療の重要性を示しています。


 ■押村進 コメント 

「医科歯科連携という言葉は、以前よりずっと身近になりました。しかし、紹介状を一枚書いて患者さんをお願いするだけで、本当に『連携』と言えるのだろうかと私は考えています。

医師には歯科のことを知っていただき、歯科医師も皮膚科や内科、リウマチ科などの考え方を学ぶ。そして必要であれば同じ場所に集まり、一人の患者さんについて直接話し合う。そこまで踏み込んで初めて、患者さんにとって本当に意味のある医科歯科連携になるのではないでしょうか。

また、掌蹠膿疱症だからといって、最初から歯科金属をすべて外すことが最善とは限りません。感染病巣を含めて口腔内をきちんと診査し、患者さんの症状や希望、治療にかかる負担も考えながら、一人ひとりに合った治療方針を医科と一緒に考えることが大切です。

この考え方を、もっと多くの医師、歯科医師に知っていただきたいと思っています。」

基調講演を行う押村進


 ■日本病巣疾患研究会 第14回総会・学術集会について 

名称:日本病巣疾患研究会 第14回 総会・学術集会
開催日:2026年9月5日(土)・9月6日(日)
会場:星陵会館(東京都千代田区永田町2-16-2)

今回の学術集会では、「経験知を活かした知恵ある診療」を掲げ、歯性病巣感染に関する講演・シンポジウムのほか、上咽頭擦過療法(EAT)、IgA腎症、掌蹠膿疱症など、多領域にわたるテーマについて発表・討論が行われました。

日本病巣疾患研究会公式HP

 ■押村進 プロフィール 

押村 進
歯科医師/歯学博士(口腔外科学)

1979年 愛知学院大学歯学部卒業
1981年 おしむら歯科開院

藤田保健衛生大学(現・藤田医科大学)皮膚科 元客員講師
歯科医師臨床研修指導医

所属学会・資格等:
日本口腔外科学会、日本口腔科学会、日本接触皮膚炎学会、日本老年歯科学会、日本障害者歯科学会、日本口腔ケア学会ほか。

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会社概要

URL
https://oshimura-dc.com/
業種
医療・福祉
本社所在地
愛知県名古屋市中川区細米町1ー7
電話番号
052-363-3366
代表者名
押村 侑希
上場
未上場
資本金
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設立
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