ベッコフオートメーションの制御技術、中国自動車メーカーNIO社の第2世代EVバッテリー交換ステーションに採用
ベッコフオートメーション(ドイツ・フェアル)は、中国自動車メーカーNIO社が第2世代のEVバッテリー交換ステーションにベッコフ のPC制御を採用し、安全かつ効率的なステーション運用を実現した旨公表いたしました。
NIO Inc.は、2014 年に設立された電気自動車メーカです。SUV のES8、ES6、EC6、セダンのET7、クーペのET5 などを世界各国で販売しています。また、移動式の充電用車両、充電ステーション、バッテリー交換ステーション、ロードサービスチームなどの包括的なサービスも提供しています。
同社では、ベッコフのPC 制御技術を採用しています。組込み型PC のCX5130、高性能な制御ソフトウェアのTwinCAT 3、高速フィールドバスEtherCAT、EtherCAT I/O ターミナルのEL シリーズを使用しています。
ベッコフの技術には標準化、オープン性、優れた互換性などのメリットがあり、迅速かつ専門的な技術サポートも強みです。これにより、バッテリー交換ステーションの高い信頼性を維持し、効率的な運用が可能になります。
オンサイト充電からバッテリー交換へ
電気自動車の充電は、ユーザー宅やオフィスでのオンサイト充電が主流です。しかし、これには通常、長い時間がかかります。また、中国を中心に新車 販売台数に占める近隣用電気自動車(NEV)の割合は増加していますが、充電、燃費、車両価格に対する消費者の不満は解消されていません。短時間で済むバッテリー交換は、オンサイト充電を置き換える有効なソリューションです。
NIO 社は、中国におけるバッテリー交換ステーションのパイオニアであり、推進者です。同社の電気自動車では、当初からバッテリーパックを車体から分離して設計していました。これにより、簡単なバッテリー交換、バッテリー仕様の標準化、適切なバッテリー交換ステーションの設置が実現します。NIO 社によると、バッテリー交換ステーションから半径3km 以内の住宅は「充電エリア内住宅」に指定されます。2025 年までに顧客の90%に「充電エリア内 住宅」の条件を満たすステーションを設置するという目標を達成するため、大規模な充電インフラの拡充を計画しています。2021 年末までに700 以上のバッテリー交換ステーションを設置し、2022 年から2025 年には、年間600 ステーションを追加設置する計画です。
2025 年末までには、NIO 社のバッ テリー交換ステーションは全世界で4,000 基を超える見込みで、そのうち約1,000 基が中国国外に設置される予定です。
NIO 社によると、第2 世代のバッテリー交換ステーションは、1,400 件以上の特許を保有し、ユーザーに最高の充電体験を提供します。充電完了までにかかる時間は、音楽を1 曲再生する程度の時間です。ユーザーがバッテリー交換で行うことは、電気自動車をバッテリー交換ステーションの駐車台に停めるだけです。車両の位置決めからバッテリー充電までプロセス全体はベッコフのPC で制御、監視されています。車両や装置の状態は、リアルタイムで上位のクラウドサービスに送信されます。
高性能なハードウェアとソフトウェアが高速通信を実現
NIO 社の第2 世代のバッテリー交換ステーションでは、ベッコフのCX5130 組込み型PC、TwinCAT 3 制御ソフトウェア、EtherCAT ターミナル、超高速EtherCAT 通信を使用しています。NIO 社によると、TwinCAT の特長はオープン性と、他システムとの互換性に優れている点です。これにより、共通のデータベースソフトウェアを使用することができ、TwinCAT Database Server を経由して、バッテリー交換ステーションの動作データを保存できます。TwinCAT 3 はVisual Studio®に統合されており、C/C++およびMATLAB® /Simulink® によるIEC 61131-3 に準拠したプログラミングをサポートします。
また、PLC とNC PTP の機能をそなえた、モジュール式ソフトウェアプラットフォームにより、PLC とモーション制御を1 台の組込み型PC で統合制御できます。これにより、モーションとロジック間のデータ交換が高速化し、よりダイレクトなデータ交換が実現しました。TwinCATNC PTP は、標準化されたPLCopen モーション制御ファンクションブロックをサポートし、多軸のカップリングや最大255 軸のカムプレートなど多くの機能を提供します。これらの特長により、PC 制御は従来のモーションコントローラと比較して、より柔軟かつ強力です。バッテリー交換ステーションでは、多数のサーボ軸に対する高いリアルタイム性と同期性が要求されます。これは、短いタスクサイクルタイムと高速EtherCAT 通信により実現しました。TwinCAT Scope View は、サーボ軸のモーションプロファイル、軌道、トルクなど、バッテリー交換プロセス中のすべての動作データをリアルタイムで監視し、ログを記録します。
さらに、ベッコフ社の高密度(HD)EtherCAT ターミナルEL1809 およびEL2809 は、バッテリー交換ステーションの制御盤の省スペースを実現しました。ベッコフの豊富なI/O 製品は、要求されるすべての信号タイプに対応しています。世界的に実績のある通信規格であるEtherCAT は、ベッコフのI/O 製品の豊富なインタフェースを介して信号を高速に取得、出力できるほか、他社製品を簡単に統合することもできます。
詳細は以下をご参照ください
https://v2.nex-pro.com/library/MzY3NTY=
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